『ファイナルファンタジーS』とは、かつて2ちゃんねるのDQ・FF板にて◆EreM42GXZo氏(通称・エレム氏)によって2004年~2006年まで投稿されていた『ファイナルファンタジー』の二次創作小説である。通称『FFS』。
くっ概要だぜ
『FFS』は、『ファイナルファンタジー』を基本としながらも、『ドラクエ』や『サ・ガ』などの往年のRPGを彷彿させる世界観を描くゲーム風小説である。作中では豊富なキャラクターや舞台、独自システムやミニゲームなど実際に遊びたくなるようなRPG要素が次々と登場する。ゲームとしてのハードは不明だが、Yボタンはあるらしい。
ふと気づくと歴史
作者が2ちゃんねる内に建てたスレッドで1日1話ペースで連載されていた。作者が用事があって書き込めない時には数日分まとめて投稿し、荒らしにも負けず極めてコンスタントに書き続けられた。まったく無名からの投稿で初期は見向きもされなかったが話が進むにつれてファンも生まれ、サイトを作ったりゲームを作ったりする人も現れ出した。
しかし2年もの期間、800話以上という長大な小説となったFFSだが、作者の病気により未完のまま連載はストップ。スレ内には作者の帰還を待つ者も残っていたが867話を目にすることはできなかった。
時は流れ2013年、ツイッターで毎日FFSを1話ずつ更新するbotが有志の手によって作成された。ツイッター小説である『ニンジャスレイヤー』形式を取り、140文字に収められた一定時間ごとに投稿される『FFS』を専用タグで実況する新しいスタイルが生まれた。ニンジャヘッズも介して『FFS』は再び日の目を見ることになった。新規のファンを大勢生み出し、更新時刻の0時には「くっ」と書き込む者も出た。そして 2015年5月27日、現行最新話であった866話が投稿され、bot活動も一区切りし、明日以降0時の『FFS』が無くなることを悲しむ声が実況タグには溢れた。
しかし、5月31日0時、突如botが867話の更新を開始。文体などの変化はあるが、その常人には想像できない超展開に「実況タグは別作者が引き継いだのか?それともまさか……」と騒然となった。
そして867話終了後、bot管理者よりエレム氏からの連絡が来ており、新作のテキストファイルが送られてきたことが告げられ、本人確認の証拠が示された。
ここに正式に、9年の時を経て、『ファイナルファンタジーS』が蘇ったのである。
その後も『FFS』botにより最新話が投稿され、ベリュル達の旅は今日も続いているのである。
そして特徴は崩壊した……
クリスタルの世界、和風の世界、天国、地獄、遊園地の世界、塩の世界など作者のイマジネーションあふれる世界が登場し、惜しげも無く崩壊する!
種族扱いのエクスデス! 悪に目覚めるシド! 彗星になるガラフ!
スピーディーな文章表現!
「ふと気づくと」で唐突な済まされる場面転換!
弱点の属性を解説したり、HPの数値や攻撃回数で強さをストレートに伝える!
どんな場所でも安全な宿屋や、こなさないとストーリーが進まないイベントなどのRPGあるある!
そんな登場人物は許さない
パーティメンバー、味方キャラ
- べリュル・クラウザー
- 「悲しい物語だぜ・・」
- 我らが『FFS』主人公。男。年齢は15(推定)→25歳→26歳。
ゲームの主人公であり、プレイヤーの分身である普通の人。数々の次元を崩壊させ、エクスデスや神、支配者を倒す強さを誇る。天使の息子だったり、地のクリスタルだったり、別の宇宙生まれだったりと出自がぼんやりしている。大学は出ているようだが、かつての同級生はだいたい悪に目覚めている。
序盤は淡々と世界を崩壊させていたが、頼もしい仲間に囲まれ冒険する内に弱点が増えまくり、性格が子供っぽくなっていった(風邪を引きやすい、人形のトラウマ、高所恐怖症など)。しかしそれが彼の魅力でもある。
RPGの主人公らしく、強力な武器に目がなく、敵がいれば問答無用で襲いかかる。 - ダンナーザ
- 「わたしはダンナーザ。ついていく」
- おそらくメインヒロイン。年齢はベリュルと同じとされる。やはり設定が後々追加されていく。
弱点が多く、ぼんやりしがちなベリュルを力づくでも動かしパーティを引っ張る功労者。
ベリュルは頭が上がらなく、ついには「でもダンナーザの言うことは俺が聞くことだし・・・・・」という発言までするほど。必要なら肉親だろうと罪のないモンスターだろうと戦闘する過激さと、時折見せる母性を併せ持つ、パーティ最古参メンバーである……割にはあっさりと憑依されて敵に回ったりする。許せないぜ。 - なお、よくわからないセリフを言っているのはだいたい彼女だと思われる。(例:「まさにあらずんばね・・・」)
- メリアナニー
- 「なんだかわからないけどえへへ」
- ダンナーザとならぶメインヒロイン。かわいい。べリュルより年下。
初めはダンナーザと同じような口調だったが、キャラが確立するにつれて子供っぽいしゃべり方が定着した。
推理力が高く、名探偵として活躍することも。クルマに乗ると暴走する。
べリュルに好意を持っているような描写がある。 - ファンニャー
- 「あっここは伝説のジョブがあるといわれている」
- まったく言及されることなくいつの間にかパーティに加わっていた。ダンナーザの姉で、知的な年長者である。
物知りで、その知恵と知識で度々活躍するが、なぜかやたら話を引っ張ることが多い。
後に姉妹が居ることが発覚し「ニャー三姉妹」の呼び名がついた。 - チュラミア
- 「私チュラミアだけど、暁の長として貴方の行いを叱咤します!」
- 雪の三姉妹として登場し仲間に。
実は力を封印されていた女神であり、しばらくは強すぎるため別の場所から仲間のサポートを行った。
更に後に暁の女神であることもわかり、暁のジョブたちを率いた。
地の文で言及されるほどチートじみた強さを持つため、パーティに正式に参加できるようになるのは後半。
後述の「わたしチュラミアだけど」をはじめやたらと自己アピールする癖がある。 - エリアセス
- 「危ない!ベリュ!あ・・・グ・・・ギャアアアウォォォ」
- 暁の戦士としてジャジャや斧使いたちと登場し、強すぎるホワイト魔物を凌ぐべく一時ベリュルと手を組む。
後に記憶を思い出し、べリュルの幼馴染であることが判明した。彼のことは「ベリュ」という愛称で呼ぶ。
ある時に上げた叫び声がヒロインのものと思えぬ奇声だったため、のちのちまでネタにされている。
やや影が薄かったが、『FFS』復活後の料理バトル編の際には調理担当としてベリュルとペアを組んで活躍した。 - ロボ
- 「アマイデスヨ…」
- インベイダ編で宇宙船の案内人として登場するロボ。
台詞の端々に畜生キャラがにじむがどこか憎めない。
ロボなので魔法は使えず成長もないが、かわりに持つ武器がそのまま強さに直結するタイプ。
ちなみに、普通に眠ったり飲んだりもするロボである。 - メッガイダー
- 「もうゆるさん!絶対に許さないぜ!許しては置けん捨て置けん!ゆるしておくおのか!」
インベイダ編で一時的に主人公を務める。
しかし故郷を破壊されたりナレーターにやたら辛辣に扱われたりパーティ加入後やたら影が薄かったりと不遇な男。一時期はまったく言及されず生存すら危ぶまれたが、いつのまにか復帰していた。
口調はベリュルと似ている。とくに弱点も無いようで主人公らしい性格である。 - ミキサー
- メッガイダーの幼馴染。
キャラ紹介を兼ねた説明台詞で初登場を果たした直後に殺される超展開の後、生き返ったり敵対したりした末にメッガイダーともどもパーティに加入する。 - アイシューリア
- ロボの相方を務めるロボット。
なんせ相方がロボ畜生なので、常識人なツッコミ役を担う。 - パティーン
- 「お母さん、別れたくないの、父さんの仇」
- 受験戦争の世界で登場した少女、父さんの仇。
父を支配者のために失っている、父さんの仇。
初登場時のセリフのせいで読者から「父さんの仇」が語尾のキャラと扱われている、父さんの仇。 - グレップル
-
エンドオブフォレスト編にて登場。
10歳位の子供だが26歳のベリュルよりしっかりしている。
- ダンギャステル
- 「逃がさねえよ」
ガラフの生まれ変わり。登場しては死に、復活しては死ぬ。場合によってはすでに死んでいる。
『FFS』序盤に登場し読者に絶大なインパクトを残した。
敵キャラ・その他
頻出用語
- 悪こそ正義と知ったのだ
『FFS』ではしばしばべリュルの知人や、時には原作の『FF』シリーズの登場人物さえも悪堕ちしてボスキャラとなる。
これはそんな悪堕ちキャラ達の主張の典型例。 - 悲しい物語
主に戦闘相手が後悔の中に死んでいく時のべリュルの感想。
しかし、実際はあまり悲しんでおらず適当に言っていると疑われることも。 - からずや/あらずんば
べリュルやダンナーザがしばしば口にする古文っぽい言葉。
例)「○○からずやだぜ・・」「まさにあらずんばね・・・」 - ナントカ倒した
『FFS』の戦闘は常に過酷なようだが、読者に与えられるのはこの一言が多い。
また本作は属性相性が極めて重要であり相手の弱点が言及されることもしばしば。
最も多いのはメカ系モンスターに対する「サ弱ナ倒」こと「サンダーに弱くナントカ倒した」。 - 許せないぜ
べリュルの口癖の一つ。相手の悪行だけでなく、ただ街が栄えているだけでも無意味に許せなくなったりする。
時にはダンナーザらも口にするセリフ。 - わたしチュラミアだけど
「○○『~』」や「『~』と××が言った」といったおなじみの発言者特定技法と一線を画す、台詞の中で「わたし○○だけど、××だと思うわ」などと自己紹介させる表現技法。チュラミアはほとんど発言する度にこのメソッドを利用しており、それどころか『チュラミアが提案した「あっわたしチュラミアだけど、(後略)』と不要なときにも使うことがある。 - 私は操られていたようだ
相手が何者かによって洗脳されており、べリュルたちとの戦いで自己を取り戻したときに。
先述の悪堕ちも洗脳の一環であることも多い。
しかし、彼らは決まって「なので、私は悪くない」と弁解するため今ひとつ読者の同情を誘わない。
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関連動画からずやだぜ
エレム氏はニコニコ動画でも活動しており、ときおり『FFS』の自作(もしくはアレンジ)BGMを投稿している。
まってリンクがあるんだ
- ファイナルファンタジーSまとめwiki - エピソードのまとめや過去ログなどのwiki。
- ファイナルファンタジーS Wiki* - FFSbotの実況付きログなどのまとめwiki。
関連項目で死ね
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