ファントム・キングダムとは、魔界パロやりこみシミュレーションRPGである。
概要
日本一ソフトウェアが2005年にPS2でリリースしたシミュレーションRPG。キャラデザはディスガイアと同じ原田たけひと(toi8)。
直接の先祖である「ファントム・ブレイブ(以下「ブレイブ」)」や本編的な位置づけにある「魔界戦記ディスガイア」のシステムを一部引き継いだ、交互にターンが進行するシミュレーションRPGである。もちろん、日本一伝統のシステムであるLv9999や10億以上の与ダメージなどの要素は健在している。
特徴
そこらの木や草に魂を「コンファイン(合成)」してユニットを作り、ユニット数人を収容できる「建物」を使って、ターン内であればユニット・建物の配置を精密に決められる「インバイト」によって自在に味方ユニットの初期配置を決められるのが特徴。
ユニットは敵を倒すと得られる"マナ"を消費して転生することができ、転生によって魂の総累積レベルを上げ、能力値ボーナスを稼ぐことが重要な成長要素となっている。
また武器の種類が多く、剣や槍といった一般的な武器からガトリング砲や火炎放射器、注射器やリモコンなどの怪しげな武器まで存在し、それぞれに2~10の固有技が存在している。
しかし、「ディスガイア」や「ブレイブ」にあった強烈なやり込み要素である称号(師)や魔導合成師、アイテム界などが存在せず、またブレイブのような確固たるシナリオが存在しない(一応あるにはあるが…)上、目玉要素の1つとされていた戦車システムは死に体を晒しており、不可逆的なバグもいくつか確認されているため、敢えて言うならば「中途半端」な部分がやたらと多く、やり込み要素はブレイブやディスガイアに大きく後れをとっている。
武器の多さも、多さに反比例して性能は似たり寄ったりな部分が多く、数だけ増やしたという感が強い。
また、"伝統のシステム"が災いする「敵にターンを渡したら全滅」は本作にもあり、最初のターンですべてを決めなければ逆にこちらが全滅するということもザラにある。
2011年10月にPSPに移植された版である「ファントム・キングダム PORTABLE」が発売された。ゲーム内容に大きな変更は加わらず、追加シナリオとそれに伴う新キャラクター、及び初回購入特典が復刻された程度である。
登場キャラクター
動画として紹介されているすべてのキャラクターを掲載する。なお併記Lvは対戦時のLvである。
超魔王バール(真)以外の魔王・魔神は特定イベントステージで勝利すると仲間にできる。
魔王ゼタ(CV:子安武人) Lv2000
宇宙一の実力を持つ魔王。魔界図書館に秘蔵された究極の予言書(実は"自己"の予言書である)「全知全能の書」をうっかり燃やしてしまい、本とともに崩壊する自身の魂を保存するため、魂を全知全能の書に「コンファイン」し、一命をとりとめた。
上述事情によりゲーム中に現れるゼタは一貫して「本」の姿を取っており、部下に担がれなければ動くことすらままならない存在になっている。しかしそんな魔王様にも使い道がないわけでもない。
見た目から主人公(本)と揶揄され、後のシリーズ(魔界戦記ディスガイア4を除く)でも人間っぽい姿ではなく本来の姿で出演する。そのため「えらそうなメモ帳」といったような扱いを受けたり、ユーザーから「テラコヤス」「魔王子安」とか言われたりすることもある。
背徳者サロメ(CV:折笠愛) Lv1200(全盛期)
元人間であった女魔王。低く見られがちな元人間という出自にありながらゼタに匹敵する魔力を持っており、またゼタの弟子でもあった。
生前は「勇者」と言われるパーティーの一員であったようだが、なぜ死後に魔王になったのかは不明、とされている。
ヒロイン役でありながら故あって重度のヤンデレと化しており、ゼタ(本)との結婚を望むために奔走する。
(ゼタは「そんな女々しい感情を持つから俺を超えられんのだ」と結婚に乗り気ではない)
予言者プラム(CV:水橋かおり) Lv1100
魔界の新参者であり、見た目は少女のようでありながら、類まれな予言能力により若くして一目置かれた魔王。
サロメがヤンデレならばこちらはツンデレで、ゼタのためにと思いつつ協力するもゼタに対してはつっけんどんに振る舞う。
ある条件を満たせば戦うことができるが、彼女との戦闘フラグが立った時点でバッドエンド確定である。
邪神ヴァルヴォルガ(CV:玄田哲章・ならはしみき・長嶝高士) Lv1500
いかにもな姿を持つ魔王であり、見た目がかっこいいので各地からラスボス役としてお呼びがかかっているとか。
弱気そうに見えて腹黒な悪魔将軍ミッキー、享楽的な女堕天使オルフェリア、単純バカな凶獣ドライゼンの3つが合体した姿であり、CVもそれぞれ異なる。
主人公(本)の相談役であるが、後半からは女性陣に活躍の場を奪われて空気になる。
しかしディスガイア2でまさかの参戦(テラスターの演出中)。使い回しともいう。
謎の少女トレニア(CV:能登麻美子) Lv????
どう見ても幼女です。本当にありがとうございました
ある理由によりゼタの前に現れる神秘的な少女。正体は全知全能の書にゼタの魂がコンファインしたことにより追い出された、全知全能の書に入っていた魂そのものであるが、その詳細は秘密である。
魔帝ロイヤルキングダーク3世(CV:若本則夫) Lv400
ガチムチなマッソーをマントで覆い隠す、獅子の頭を持つ魔王。見た目だけは強そうだが、ゼタ曰く「ただのアホ」。
寸評通りのバカでアホで小心者でそのくせ尊大に振る舞い、その上ゼタの(アッー!)を襲いかけた日本一ソフトウェア史上最低の魔王。その卑屈なセリフと強力若本な声とのギャップが異常で、貂蝉ばりのプロな声優演技が見られる。
特に彼の戦闘前イベントシーンでは真の正体を見せると称して植田まさし氏直筆のカットインが入るという豪華な扱いを受けている。
冥王シードル(CV:池田秀一) Lv800
元勇者一行にありながら死後ジオン冥界に落ち、少佐魔王となった男。着物に刀という和風な姿をしている。
魔王という地位にありながら完全な戦闘狂…というか殺人狂であり、ある理由によりサロメをアレコレせんとつけ狙っているが、師匠のゼタがいる手前力をふるえずにいる。
暗黒竜バビロン(CV:青野武) Lv1400
かつては宇宙最強の座にあったが、寄る年波には勝てず、ゼタにその地位を明け渡した長大な老竜。
うっかり衝突すれば魔界の数個ぐらい軽く押し潰せる長大な体躯を持つが、頭の方はボケが始まっている。
ヴァルヴォルガ同様後半は空気となるが、ある伝説を知っていたためにゼタの運命は狂うことになる。
破壊神アレクサンダー(CV:野島健児) Lv1000
"宇宙最強の魔王"ゼタのライバルを自称し、行く先々で勝負を挑んでくるガキ大将魔王。
超魔王バール(CV:なし) Lv2000(憑依時)・Lv4000(真の姿)
本作では最初「全知全能の書にコンファインしたために遊離したゼタの肉体」に憑依しており、ゲーム中ではまずバールが憑依した魔王ゼタの肉体と戦うことになる。これを倒せば魔王ゼタの抜け殻が手に入る。
その後、別のステージで本物の超魔王バール(ただしプリニー姿)が無敵戦艦良綱に乗り込んで襲い掛かる。
しかし良綱が壊れるまで本人はノーダメージであるためか、本作では後の鬼畜な性能に比べればかなりおとなしい方の実力になっている。
無敵戦艦良綱 Lv4000
上述バール(真)との戦闘時に現れる戦車、というか戦艦。元々は魔界機動艦隊の旗艦だったらしいが…。
バール(真)撃破後幕下に加わる。ゲーム中最強の戦車であり、某艦長も納得の超火力弾幕とゼタビーム並の超強力ビーム砲を持つ。
旧魔王ラハール・堕天使フロン・魔神エトナ Lv600・249・300
「魔界戦記ディスガイア」より隠しキャラとして参戦。相変わらずのトリオである。
東北少女アサギ(CV:能登牛うまいミャ能登牛) Lv50
東北地方から上京(?)したアイドル。モブキャラと同じ人間である上に修行が足りず、悲しいLvで現れる。
後の日本一ゲーに出てくる「次回作の主人公(笑)・アサギ」の初版が「ファントム・キングダム」でのアサギである。
ここでは「魔界ウォーズ」というゲームの販促用として置かれたイベントステージ「暑中見舞い申し上げます」にて現れ、自身が主人公となる次回作(魔界ウォーズ)の宣伝をするだけ…というステージのはずだったが、さらに次回作があると聞いたゼタは主人公の座を奪うべくアサギに勝負を挑んでしまう。このイベントステージをクリアするとアサギは修行不足によりゼタ(一行)に敗北したと解釈され、ゼタに次回作の座を奪われた上に強制的にゼタの弟子にされてしまう。
続編以降では見事にサロメのような病んでるキャラになってしまった。
なお、この頃から二丁拳銃を操る設定であったが、本ゲームでの銃は全てマスケット銃かガトリング砲であり、ハンドガンは出てこない。
汎用キャラの皆さん Lv1~9999
文字通りの汎用キャラであり、いわゆるモブ。よく嫁婿論争が起こるキャラでもある。Lv9999にするのは至難の技。
戦車やガトリング砲や無反動砲などのハイテクな要素があるためか、ファンタジー世界には珍しく「博士」や「メカニック」という職能がある。特に博士は当時の日本一ゲーにはあまりないインテリ系の眼鏡娘だった(ディスガイア4あたりでオンリーワンではなくなった)。
また同社が発売していた「クッキングファイター好(ハオ)」繋がりで「魔界厨師」なる職能が存在し、またキャラ育成に欠かせない「食料」も登場している。
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