プリズ魔とは、『帰ってきたウルトラマン』に登場した怪獣である。
真っ白い氷細工、あるいは水晶の原石のようなもので構成された、左右非対称の(なんとなく人の顔にも見える)氷山のような形態を持ち、頭頂部にはアンテナ状の角のような突起がある。
概要
光怪獣:プリズ魔 | |
登場作品 | 帰ってきたウルトラマン |
サブタイトル | 第35話「残酷!光怪獣プリズ魔」 |
体長/全長 | 35メートル |
体重 | 18000トン |
出身地 | 南極 |
光が物質レベルまで凝縮して誕生した怪獣で、現代まで南極の氷山に閉じ込められていたが、太陽の黒点変動の影響で活動を開始した。光をエネルギー源にしており、日中は無限の太陽光を取り込んでいるため大人しく姿を消しているが、日光の無くなる夜になるとそれ以外の光──すなわち電燈に反応して、オーロラとそこから降り注ぐ白い霧と共に、歌うような美しい声を響かせながら出現する。
武器は角の下にある出っ張りのような部分から放つ結晶化光線で、これを浴びたものは物体であろうと人間であろうと結晶状の物質に変えられ、最終的には光に変換されて消滅してしまう。この結晶化光線は物体を引き寄せる誘引光線にもなる。他にも同部位から相手の動きを止めるフラッシュ光線を発射したり、不思議な光波で幻覚のような空間を生み出して相手を翻弄したりもする。こう見えて意外に能動的で、自力で這いずるようにして移動する事も可能。
復活してからは南極近海および南太平洋に浮かぶ島々の灯台やそこを走る船舶を襲いつつ北上し、とうとう日本にまで到来する。それを予見していた坂田と郷が近くの灯台を見張っていると、彼らの前に姿を現して灯台を消滅させた。しかし、二人を追跡して現場に紛れ込んだ次郎の持っていた懐中電灯に反応して彼らにまで襲いかかったためやむなく郷はウルトラマンに変身してプリズ魔に挑む事となる。
だが、ウルトラマンはプリズ魔の予想外の攻撃に翻弄されて手も足も出ず、あやうくプリズ魔に引き寄せられて焼かれそうになったり、幻影空間に閉じ込められそうになったりと大苦戦を強いられ、どうにか隙を見てウルトラマンがウルトラフロストでプリズ魔を凍らせようとした矢先、夜が明けた事でプリズ魔は撤退した。
その存在を認識したMATは、南極で封印されていたという事実からプリズ魔は低温に弱いと予測。都市中の明かりを消し、かつ一ヵ所にだけ光を灯してプリズ魔をそこにおびき寄せ、冷凍ガス発生装置で凍らせた後に攻撃するという「フリーザー作戦」を実施。その場所に選ばれたスタジアムへ誘導されたプリズ魔の下に冷凍ガス発生装置を落として冷凍ガスで凍らせようとするが、予め下で待機していた郷と上野が寒気でダウン。郷は再びウルトラマンとなり、縮小化してプリズ魔の体内に飛び込みスペシウム光線を放射、中から熱せられたプリズ魔の身体は外気との温度差に耐えられず砕け散り、その破片はオーロラの中に帰っていった。
ウルトラマンもプリズ魔の崩壊とともに脱出できたが、変身を解いた郷は這々の体で「俺にとってギリギリの賭けだった」と、プリズ魔との戦いが想像以上の過酷な状況だったと呟いている。
怪獣でありながら、シュールな氷のオブジェにも見える無機的なデザインを持ち、それでいてウルトラマンがほとんど手がつけられないほどの意外な強さから、視聴者に絶大なインパクトを与えたとされている。
同話の脚本は、本作で坂田健を演じていた岸田森が別名義で手がけたものである。
余談ながら、アニメ監督の庵野秀明は『帰ってきたウルトラマン』のファンとされる。平成になってから彼が制作したアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する第5使徒ラミエルのデザインはこのプリズ魔に影響を受けて作られたと言われており、さらにそのラミエル出現時に響く声のようなSEもプリズ魔出現時のそれを意識してのものらしい。
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