プロトタイプザクとは、
- プロトタイプザク(MS-04、プロトタイプ・ザク) - ムック『ガンダムセンチュリー』、SDクラブ8号の『M-MSV』等に登場するモビルスーツ。後に漫画『Developers-機動戦士ガンダムBefore One Year War』の主役機になる。
- ブグ(プロトタイプザク) - OVA『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に登場するMS-04のパラレル機。
である。この記事では上記二つを解説する。
プロトタイプザク
PROTOTYPE ZAKU プロトタイプ・ザク |
|
設計 建造 |
ZEONIC社 ホシオカ工場(試作型×2) |
型番 | MS-04 |
全高 | M-MSV版:17.5m G20版:14m |
重量 | M-MSV版:57.4t(本体) / 72.5t(全備) ホシオカ製,G20版:31.2t(正味重量) |
出力 | M-MSV版,ホシオカ製:953kw ホシオカ製:6100hp(馬力) G20版:962kw |
推力 | 43,000kg |
搭乗者 | ミオン・ホシオカ エリオット・レム |
装甲 | 超硬スチール合金 |
動力 | ZAS-X7 |
最高速 | ホシオカ製:120km/h |
武器 | 100mmマシンガン |
MS-01を祖とする人型兵器の構想を実現した、今日の日にプロトタイプザクと呼ばれる試作型モビルスーツ。ここまでのモビルスーツ開発の粋を結集し、新たな可能性を紡ぎ出した当時の傑作機にして、始動点というべき機体である。
史上初の量産型MS、MS-05「ザクⅠ」は本機を設計ベースに開発されたと言われている。
MS-01において流体内パルスシステムとAMBACを採用。
MS-02では機動性の向上。
MS-03で実用化に向けた重装甲化、並びに脱出コックピットの廃止とボディフレームのモノコック化。しかし重量増とジェネレーターの出力不足から思うような機動性を得られず、ここで一度開発は停滞してしまった。
苦悩したジオニック社の光明となったのは、ZAS(ザス)社が開発を進めていた「ZAS-X7」の存在であった。
これはミノフスキー・イヨネスコ型と呼ばれるミノフスキー物理学を応用した熱核反応炉の小型モデルで、従来の熱核反応炉と比較すると小型化しており、出力はMS-03に搭載された分裂炉のおおよそ2倍にも及んだ。
ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉は既に戦艦には採用されていたものの、MSに搭載可能な程のダウンサイジングはまだ出来ていなかった。利点としては出力に優れる他、分裂炉と異なり放射線も無害化出来る為、安全面でも特に優れていた。
この反応炉を搭載した試作型4号機「MS-04」の機動性は高機動タイプ(MS-02)を大きく上回り、既に実戦に耐えうる性能を保有していたとされる。
開発チームの予想以上の結果を示したMS-04が目標としていた機動性の壁を楽々超える事に成功し、以降数々のシミュレーションを行いながら改良を重ねていく。
兵装としては100mmマシンガンが採用されたが、想定した対艦戦闘では効果を発揮しない事が判明、バズーカ砲(無反動砲)の開発が進められた。兵装の自在な持ち替えも本機におけるマニピュレーター改良の賜物である。
しかしコストが高く、後に装備をある程度簡略化した量産機(ザクⅠ)がロールアウトする。
G20版(アーリー・ザク)
ガンダム20周年記念トリビュート雑誌「G20」に掲載されたMS-04。通称「アーリー・ザク」
プロトタイプザクのデザイン違いの機体で、設定(開発経緯)自体は同じだが、全長が14m級とひと際小さい。
G20はMS-01のデザインが最初に載った事で知られているが、MS-04には既にM-MSVの設定があった。そのためこちらは後出しデザインとなっている。
派生作品
漫画『Developers-機動戦士ガンダムBefore One Year War』ではなんと主役機に抜擢。
ジオニック社は、危険な核反応炉を扱う事に対して万が一に備えてホシオカ工場に試作型2機を外注。ホシオカでは工場の娘であるミオン・ホシオカがオペレーターを担当している。OS、マニピュレーターなど改良に改良を重ね、当初のジオニックの想定以上の機体に仕上がっていた。
しかし実際にはホシオカは捨て駒で、ジオニック社は「動かす事が出来れば良い」と判断しており、試作機を納品後にホシオカを切り捨てる方針だった。
ホシオカはジオニックの策謀に巻き込まれて望まぬ事態に陥る。大手のジオニックが外したとあっては印象が悪く、悪評が広まった事で受注数も落ち込んだ。増設した設備の維持が出来ずに借金も抱え、工場は窮地に立たされた。
しかし、ホシオカの技術を見込んだエリオット・レムの目に止まったことを機に、大逆転劇が始まる。彼の計らいで試作型の内の1機をホシオカが“非公式に”担当する事となり(当然部品は横流し)、完成したホシオカ産の2号機を含む試作型全4機をコンペティションにかけた。
ホシオカ産04はコンペを視察したギレンには好評であった。最終選考に残ったホシオカ産04はエリオットの策略、影の尽力もあって採用に至り、その後もモビルスーツの生産を任されている。
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』にデザインと設定の異なるプロトタイプザクが登場したが、このザクはアニメ化にあたって設定が見直され、MS-04 ブグとなった。
ブグ
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に登場。
ORIGINの世界におけるプロトタイプ・ザクに相当するMSだが、こちらは流体パルスシステムや小型の核融合炉を搭載したYMS-03 ヴァッフから繋がる。YMS-03を兵器として再設計した機体がブグとなる。
外観は元デザインがザクから逆算しただけあってプロトタイプザクとそう変わらないが、上部のアウトラインが若干ながら流線となり、ランバ・ラルのパーソナルカラー(毒をイメージした青色)に塗り替えられた。
試作機でありながら基本性能は制式量産機のザクⅠより高く、生産された機体が実戦に参加している。
同じ宇宙世紀の『G-SAVIOUR』に登場するCCMS-03 ブグと名前が被っているが、繋がりはない。
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関連項目
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