ヘスター・ギャロップ単語

概要

ヘスター・ギャロップ（Hester Gallop・米）は新国連事務総長にして世界政府準備議会代表を務める女性。 人類軍統括本部の実質的独裁者である。

世界で唯一衛星が使えるダーウィン基地を本拠地とし、人間が人間を撃つ交戦規定アルファ発動の権限をもち、ヘスターが必要と感じれば声ひとつで即時発令することができる。 新たなミール・アルタイルを破壊対象と見なして、物語序盤から竜宮島と協力するナレイン・ワイズマン・ボース将軍の派閥に対して『トリプル・プラン』の妨げになると考え排除しようとしている。

ヘスターへの評価

ヘスター・ギャロップは人類至上主義者で後述する理由から強硬路線をとることが多い。そのため周囲から好戦的と評価されている。
リアルロボットアニメによくある「敵ではないが味方にとっても邪魔なだけの癌のような存在」として扱われ、同所属の人類軍兵士にも彼女を快く思わない者が存在する。
ただし個人としての人当たりは頑なではあるものの穏やかで、ヒステリックに叫ぶ類のキャラクターではない。

視聴者からはBBAとも鉄の女とも称される。 アルヴィスの戦果をプロパガンダとして利用する、 ダッドリー・バーンズのクーデターをパペットによって防ぎ、ダッドリーからの密使であったディラン・バーゼルの突然の凶行（ネタバレ回避）にも一切動じることなく対応を即断できた。 真矢との交渉（ネタバレ回避）も眉ひとつ動かすことなく終わらせている。異名通りの胆力である。 あまりに動じないので「まるでロボットのようだ」とコメントに書かれることもある。 一方で軍事方面には疎くミツヒロ・バートランドに付け入る隙を作るなどツメの甘い部分もある。

なおファフナー世界でBBAといえば西尾のばあちゃんと事務総長、二者のどちらかであったが、 最近はアルゴス小隊のキース・ウォーターもBBA呼びされるため判別が以前より難しく、文脈を読む力が試される。

西尾のばーちゃんこと西尾行美が劇中屈指の人格者であり視聴者からも人気である一方、その立ち位置、性格、対照的な行動から視聴者に嫌われ、公式配信で彼女が画面に登場すると

「ババァ死ね」
「ババァいなくなれ」
「西尾のばーちゃんはいい人なのにこっちのクソババァときたら」

といった罵倒コメが画面を埋め尽くすことがある。
当然彼女がなにかよからぬことをする際にそのコメントは増大する。

登場人物からも視聴者の多くからも憎まれるヘスターだが政治家としての能力は確かであり、 大統領であった彼女の父が暗殺されたときから新国連設立、アルタイル接近の現在に至るまで、長く政治の世界で生き延びてきた。 アニメ本編では「本当に救うべき者たちを、敵と人類の両方から守護ってみせる」が彼女の行動の原点であるかのように描かれている。

『蒼穹のファフナーEXODUS』22話以降、彼女の内面の一部が描写された。
彼女にとっての『人類』とはフェストゥムの因子に感染しない特異体質者約5万人のことと推測できる。 人類がフェストゥムに同化を迫られるのは、太古の昔に人類の祖先がミールの影響を受け進化したからだと判明しており、 仮に影響下から抜け出すことができればフェストゥムは人類を同化対象として認識されない。 運が良ければ地球から去ることさえ考えられた。（人間から様々なこと学んだ今はそう単純にはいかない）

この5万人を人類とみなし、自身を含めたありとあらゆる犠牲と代償を支払ってでも生存させることがヘスター・ギャロップにとっての種の生存戦略なのである。
その結果が「それもまたパペットだ」でありアトミックババアなので視聴者のヘイトがﾏｯﾊなのも致し方ない。

爆撃の際に溝口さんが「お前らそれでも人間か！」「人間がいるんだぞ！」と叫ぶが、 彼女からすれば作戦遂行のための優先順位こそあれ竜宮島の者達もフェストゥムを擁する派閥も、人類軍さえも等しく人間ではない。

無印『蒼穹のファフナー』で巨大なワイングラスをミツヒロに捧げるなど、ある意味コラ素材レベルの扱いだった彼女が、EXODUS終盤になってここまで話に関わってくるなど当時の人々は予想できただろうか。

現在は遠見真矢に執心であり、敵味方関係なく目をかけている。