ヘドラとは、1971年・東宝の特撮映画『ゴジラ対ヘドラ』等に登場する架空の怪獣。当時の世相を色濃く反映した「公害怪獣」であり、あらゆる公害物質を栄養源にする。
概要
『ゴジラ対ヘドラ』
地球外の鉱物起源の生命体がヘドロと結合し誕生した怪獣。最初は水中に生息しオタマジャクシのような姿をしていたが、合体をくり返し巨大化した後、足を生やした上陸期に変態し陸上へ進出する。その後、地上で排煙などを吸収しさらに成長、最終的に飛行能力を持つ飛行期、2足歩行の巨体を持つ最終形態の成長期へと成長を遂げる。
体はヘドロや汚染物質で構成されているため肉体そのものに強い毒性を持っており、ゴジラとの対戦時にはゴジラの片目を潰し、片腕を白骨化させるに至った。その上、飛行時には金属を腐食し人間を溶かす高濃度の硫酸ミストを撒き散らすため、被害者数が1000万人に上るという甚大な被害をもたらした。また、乾燥に弱いという弱点を持っているものの、体の内部まで全てを完全に乾燥させない限り復活する強靭な生命力を持つため、完全に駆逐するのは難しい。
上記の特性から戦闘能力も高く、作中を通してゴジラと幾度と衝突しているが基本的に善戦しており、ゴジラ史上でも最強の部類に入る怪獣といえる。カルト的な人気を持つ映画と同様に人気の高い怪獣である。
ちなみに、目の造形は監督のこだわりから女性器がモデルになっている。また、頭部や背中の黄色い稲妻模様、体の随所にある赤い模様などの毒々しい色彩は、監督自ら塗料を塗り重ね、その結果着ぐるみは100kgを越える重量となってしまったらしい。そのため、スーツアクターが転んだ際には一人では起き上がれないということが起こった。
スーツアクターは後に平成VSシリーズでゴジラを演じることになる薩摩剣八郎(旧芸名:中山剣吾)であり、この作品がスーツアクターデビュー作となっている。
また、翌年・翌々年ではガイガン役を演じている。
ニコニコでは、怪獣そのものや映画の内容よりむしろテーマ曲「ヘドラをやっつけろ!」が、爽やかに「皆殺し」「全滅」と歌い上げるそのインパクトなどからごく一部で知られている。
『ゴジラ FINAL WARS』
「ヘドラ出てたっけ?確かにヘドラみたいなのが映りこんでた気も…。」
X星人に操られる怪獣の一匹として登場。東京湾の海底でエビラと共にゴジラと戦っていたらしいが、戦闘シーンはなく放射熱線で陸上へと吹っ飛ばされる場面から始まる。ビルに激突し動けなくなったところに続いて吹っ飛ばされてきたエビラのハサミが顔に突き刺さり悶えているところへ、姿を現したゴジラによって放射熱線でエビラと共に木っ端微塵に粉砕される。
本編での登場シーンはわずか30秒前後しかなく、当然スタッフからは不満の声が上がり、エンドロールにてヘドラが町を破壊する映像が挿入された(これもまた短いが)。また、ゴジラと戦っている姿のスチール写真も撮影されるなど多少の救済がなされた。監督の構想ではお台場に出現し、『踊る大捜査線』のパロディをやる予定であったが、プロデューサーから却下されてしまい、本編での活躍はあのような結果になってしまったという。この事には監督も不満を持っているようである。
身長・体重は初代の2倍近くになり、左右非対称のグロテスクなビジュアルになっている。口に当たる部分にはチューブ状の器官が存在し、エンドロールやスチール写真ではここから硫酸ミストらしきものを噴射している。なお、設定上では初代同様に赤いヘドリューム光線を発射できる。鳴き声は初代のものに加えて、「キーン」という機関車の汽笛のような甲高い音を発する。ちなみに劇場ポスターでは初代の上陸期の姿で描かれている。
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関連項目
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