ヘラクレスオオカブトとは、コウチュウ目(鞘翅目)、コガネムシ科、カブトムシ亜科に属するカブトムシ族の一種である。
表記のぶれとして、ヘルクレスオオカブトなどもある(昔あった甲虫王者ムシキングというゲームではこっちの表記だった)。
多くの亜種を持つが、ここでは主に基本種となるヘラクレス・ヘラクレスについて記述する。
概要
体長約15cm(最大で18cmとも言われる)にもなる、昆虫の王者・カブトムシの中の最高位に値するといってもいい、超巨大カブトムシ。
世界最大のカブトムシの肩書きは、決して伊達ではない。
海外のカブトムシと言えば?と聞かれたら恐らく真っ先にこのカブトムシが浮かぶであろう。
中南米の熱帯地域に生息しており、大型の種類は標高1000mから2000mのところでしか見られない。
最大と呼ばれる所以はその巨大な二本の角にある。日本産のカブトムシは四股に分かれた角を相手の腹に滑りこませて投げ飛ばすが、ヘラクレスオオカブトは二本の角で相手を挟み込み、投げ飛ばす戦法をとる。
よって戦い方の違う日本産のカブトムシと争うと、慣れない戦法から稀に負けることも見られる。
世界最大のカブトムシが常に勝利するとは限らないのだ。
ヘラクレスオオカブトと言えば、前翅部分が黄褐色になっていることが特徴だが、これは乾燥している時にしか見られず、湿気に晒されると日本のカブトムシと似たような色になる。
見栄えが良いためか、ヘラクレスオオカブトを紹介する写真は、大体乾燥時のものが使用されている。
飼育関連など
凶暴で残忍な性格…とTVで煽られ、実際それを垣間見るシーンが放映される時もあるが、基本的にはおとなしい性格であり、飼育には適している。
もっとも、国産カブトムシに比べれば十分凶悪であり、怒らせると本当に執拗に攻めてくることもあるので、甘く見ると本気で痛い目にあう。
日本のカブトムシの寿命はそれほど長くなく、まさに夏だけの風物詩といったところだが、ヘラクレスオオカブトは飼育の仕方次第では1年以上生き続ける。ただし幼虫でいる期間も1年程度要する。
まあとにかく、長く鑑賞したいというのであればこのヘラクレスオオカブトはまさにうってつけである。
一時輸入が解禁された後では(今ではまた禁止)、割合日本でもよく飼育されるようになった。今日本のデパートなどで売られているのはみんな養殖のヘラクレスオオカブトである。
最大のカブトムシというだけあって、日本産のカブトムシに合わせた虫カゴはまず間違いなくサイズが合わない。
その大きな角が邪魔になり、満足に移動出来ず、ストレスで寿命を縮めて早死にするパターンはよくある話である。
大型スーパーなど専門店外で販売されている個体は、他の海外産カブトムシもそうだがそういった劣悪な環境のものも多いので注意。そしてある意味早急な救出が求められるやもしれない。
ヘラクレスオオカブトはこのうえ大食漢である。幼虫期でも成虫期でもとにかくよく食べる。飼う時は巨大な昆虫ゼリーや十分な昆虫マットを常に用意しないといけない。
まさに金食い虫、飼育するとなったらそれなりの根気と財力が必要である。
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関連項目
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