ポルトフィーノとは、2005年産の栗東・角居厩舎に所属する競走馬であり、
主な勝ち鞍
2008年:エルフィンステークス(OP)
概要
父クロフネ・母エアグルーヴ、半姉にはエリザベス女王杯を連覇したアドマイヤグルーヴ(父サンデーサイレンス)がいるという文句なしの超良血馬。
デビューからその素質は評価され、3戦目のアーリントンカップまではすべて単勝1倍台の支持を受けた。
母エアグルーヴはオークス・天皇賞(秋)を制し、母の母ダイナカールもオークスを制していた為、母子三代でのオークス制覇に期待が寄せられたが、アーリントンカップでの敗戦後は除外や骨折によりクラシックのシーズンを棒に振ってしまう。
初めてのGI出走となった第33回エリザベス女王杯で落馬→カラ馬で1着入線したためネット掲示板やニコニコ動画等で大いに盛り上がり、ニコニコ大百科においては競馬関係記事の充実という形で表れているようである。
2008年度の主な戦績
怪我などの不幸に見舞われ、クラシックでの出走は叶わなかった。しかし……。
第33回エリザベス女王杯
クラシックでは結局走ることが出来なかったものの条件戦で着実に賞金を重ね、満を持してGIエリザベス女王杯に武豊とのコンビで出走した。重賞勝ちはないもののその素質を買われ7.9倍の3番人気に支持される。
そしてついに迎えたスタートでなんとつまずいて武豊を落としてしまう。
しかしここからがエアグルーヴの娘という素質馬の本領発揮だった。
GIでは思い切ったレース運びが必要だと考えたのか、ポルトフィーノは最内の経済コースを通り大逃げを打つ。道中は後ろにコスモプラチナを従え、中々のペースで気分よく走っていく。ここでテレビ局はポルトフィーノをカメラに映さなくなってしまい、実況もポルトフィーノについて触れなくなってしまう。しかしそんな事情とは裏腹に、レースは完全にポルトフィーノのペースで3コーナーを回り終えた。
ここでポルトフィーノはファンサービスからか、或いは騎手というハンデを無くした帳尻合わせか、大外を回る。直線に入ってまもなく、リトルアマポーラが先頭に立つ。それを見るように追走するカワカミプリンセス。
しかし残り200メートルを切るかというときに突如カメラが捕らえたのはポルトフィーノ!!
内でなんとか粘ろうとするリトルアマポーラを悠然と交わして抜き去り、1馬身の差をつけ完勝。
素質の違いを見せ付けた圧巻のレース運びだった。
ちなみに、落馬した武豊は(救急車に乗って)15着でゴールした。
補足説明
競馬を知らない人のために補足する。
騎手が落ちた後、その場所から再騎乗しない限り[1]その馬は落馬による失格になる。
そのため、公式記録及び馬券の払い戻しやテレビ中継ではその馬に関する一切は無視される。
つまりレース中、彼女がカメラから外され、実況されなかったのは当然の処置であった。
なおカラ馬、つまり落馬して騎手がいない状態の馬が1着で入線するという事例は稀に見られる。
その為、こういった状況自体は(勿論、稀有な事ではあるが)それ程驚くべきことではない。
有名なところではギャロップダイナの札幌日経賞(OP)などがある。
競馬では騎手の体重=ハンデであり、斤量2キロで1馬身差が出ると言われる。
ポルトフィーノが先着した一因に、騎手を振り落とした事が挙げられるのは想像に難くない。(なおこのレースでポルトフィーノが背負った斤量は54.0キロであった)
しかしそのような前例と違うのは、このレースがGIレースであるという点である。
GIレースは数あるレースの中で一番格式が高く、現役馬でもトップクラスの実力・実績を持った馬が出走するレースであり、生半可な実力では出走することすらできない極めて過酷なものである。
圧倒的な実績を持つカワカミプリンセスや実力馬ベッラレイア、この年のクラシックをまずまずの戦績でまとめ結果的にこのレースを制するリトルアマポーラなど、ダイワスカーレット・ウオッカという天皇賞(秋)で牡馬相手に渡り合った牝馬が不在とはいえ、第33回の参加メンバーも決して弱いわけではない。
また、騎手がいなければ馬はまともに走れないとされる。
ポルトフィーノが最後の直線走路で大外に居たのも、コントロールする騎手が居らず上手くコーナーを曲がる事ができなかったと考えられる。
また、騎手はコーナーの転回以上に馬のペース配分や馬の心持ち等をコントロール・マネジメントする役目が重要である為、騎手無しの馬はそうした点で不利を受ける(騎手が居ないという時点でレースは成立しないが)。
以上のように、GIという大きな舞台でカラ馬が先着するということは、過去に例が無い大変珍しい事態なのである。
同馬はエリザベス女王杯後4走しているが掲示板にのることもできないまま引退となった。
通算成績は9戦3勝。
血統表
クロフネ 1998 芦毛 |
*フレンチデピュティ 1992 栗毛 |
Deputy Minister | Vice Regent |
Mint Copy | |||
Mitterand | Hold Your Peace | ||
Laredo Lass | |||
*ブルーアヴェニュー 1990 芦毛 |
Classic Go Go | Pago Pago | |
Classic Perfection | |||
Eliza Blue | Icecapade | ||
*コレラ | |||
エアグルーヴ 1993 鹿毛 FNo.8-f |
*トニービン 1983 鹿毛 |
*カンパラ | Kalamoun |
State Pension | |||
Severn Bridge | Hornbeam | ||
Priddy Fair | |||
ダイナカール 1989 鹿毛 |
*ノーザンテースト | Northern Dancer | |
Lady Victoria | |||
シャダイフェザー | *ガーサント | ||
*パロクサイド | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Northern Dancer 5×4(9.38%)、Nearctic 5×5(6.25%)
産駒成績
足の弱さが遺伝したのか、未出走で終わった産駒が2頭いる。
- ポルトフィーノの2011 (牡 父ディープインパクト 未出走)
- ポルトドートウィユ (2012年産 牡 父ディープインパクト 12戦2勝 '15京都新聞杯(GII)2着)
- ポルトフォイユ (2013年産 牡 父ディープインパクト 2戦1勝)
- リミニ (2014年産 牝 父ディープインパクト 未出走 繁殖)
- ポルトラーノ (2016年産 騸 父オルフェーヴル 6戦0勝 現役)
- ポルトフィーノの2018 (牝 父ロードカナロア)
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
脚注
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