マイクロエースとは、埼玉県蕨市に本拠を置く、日本の模型メーカーのひとつである。もとは有井製作所(またはアリイ)と呼ばれていたメーカーで、現在では主要生産品として鉄道模型を思い浮かべる方も多いだろう。
概要
プラモデル製造時は非常にフットワークが軽く、マクロス(超時空)シリーズ、ザ★アニメージシリーズなどを手がけたほか、他社金型の買受販売なども行っていたため、こちらの商品にもマイクロエースブランドがつけられていることが多い。その後1980年代に倒産したしなのマイクロを吸収し鉄道模型に参戦。Nゲージと16番ゲージの2種類でプラスチック成型製品(主に中国現地工場での生産)を出している。
ラインナップとしては一言で言えば「ネタ勝負」。他所が出さない、特定地域で待ち望まれている車両を提供するシリーズが多い。
なお、連結器の間隔は初期製品では広いものがありTOMIXのTNカプラーを付けなければ気になる場合も多々あったほどである。
なお、車両の塗装については、かなり明るい(彩度が高い)ことが多い。そのため各種ペイント列車やリゾート向けの列車などは鮮やかに見える反面、普通の近郊型車両などは色が浮いてしまうことも。たとえば横須賀色など、クリーム色の部分が黄色に近かったりする。この辺、他メーカーと併結を考えている人は要注意。(彩度で言うと、だいたいマイクロエース>>TOMIX>KATOになる傾向がある。もちろん車両によっても違うので、気になるなら通販で買わず模型屋で展示されているものを確認したほうがいい)
また、室内灯は自社製品がある。構造はTOMIXと規格が近く(カプラーともどもタダ乗り?むしろTOMIX本家よりTOMIX製カプラーの取り付けが容易なのはどうなのか)流用を考えても良い。自社室内灯は光の量が大きく、模型映え重視でこちらを選ぶ選択は十分あり得る。LEDを2個使用して光を分散させているため、TOMIX製品より車内の光量に偏りがない仕様で、TOMIX車やグリーンマックス車に取り付けて愛用している人も多い。
たまに再販が掛かる「マイクロスピーカーシステム」という製品は、スマホと連携して車両から音(音声ファイルを収集すればいろいろ選択肢あり)を出すための電池式ユニットである。
そして自社版後発TNカプラー、うがった見方をすればTNカプラーフレンドリーの口実作りといえるマイクロカプラーであるが、これは連結器がHOゲージ並みに大きく首振りが硬かったり、調整が必要だったり、列車を切り離し時が面倒だったりでまだ課題を残している。783系改良品などの前面に搭載された、分売のない電気連結器つきマイクロ密連カプラーについてはコイルスプリングが入っており、サイズ外見実用性で改善も見られている。
2005年あたりからのマイクロ電車にはアーノルドカプラーでも十分に中間連結間隔が狭い車両があるため、なんでも交換交換、となるまえにひとつ走らせて考えてみてもいいだろう。
尚、鉄道模型界隈では割とよくあることだが、その中でもマイクロエースは特に発売遅延が多い。当初、2013年末~2014年に発売予定だった筈の品が、2014年9月現在、かなり未発売のままになっている。生産が遅れているだけで発売中止ではないようなので気長に待つしか無いのだが・・・。
そしてマイクロエース製品を購入する上で注意すべきは、基本的に再生産が行われないことである。(再生産が行われた例もあるが、ごく少数) つまり初期出荷分しか市場に出回らない。本で言えば初版しか発行されないようなものである。人気のある車両であれば最悪、予約分だけで完売して店頭に並ばないことすらあり得るので、どうしてもほしい車両はキャンセルされる心配のない店(たとえばAmazonは入荷数より多く予約をとって一方的なキャンセルがあるので避けた方が賢明)で予約したほうがいいだろう。但し完成度が「コレジャナイ」レベルの製品になっていることもあるので、予約した結果ガッカリすることもあるが。
Nのおすすめ商品(編集者主観含む)
1.蒸気機関車 9600型 4110型 E10型 D52型(9600型はスケールバランスも優秀な模型。)
2.電気機関車 ED72 EF10 EF67(ニッチな層をうまくうめてくるラインナップ、フライホイール搭載機も)
3.ディーゼル機関車 DD51トップナンバー DF50宮崎機関区 (他メーカーとの負けてる部分はそう大きくなく、特定ナンバー貼り付け済みのメリットをとるならば・・・)
4.気動車 キハ31系、ゆふいんの森、はやとの風、オランダ村特急 (独特のデザインは勧めていい個性かと)
5.客貨車 50系筑豊本線セット 筑豊本線石炭列車セット コキ10000系セット(お高いがテール点灯は地味に利いてくる)
6.電車 811系・813系 私鉄車両全般 など。新ロットは塗装や印刷に向上がみられる
カプラー(連結器)について
上に記述がある通り、マイクロエースは中間部や編成端のカプラーを他社カプラーへ交換することが可能な車両を製品として多く出している。TOMIXのTNカプラー、あるいは関水金属のKATOカプラー(アーノルドカプラーポケット対応型)、KATOカプラーBタイプなど、車種によって選択肢が複数用意されている。
車両ケースのはじっこに付属している「なんだこりゃ?」と思うようなプラ製のちっこい袋入りパーツが、実はKATOカプラーBタイプ用のアダプターだったりする。
カプラーを変えることで中間部が実感的になったりというメリットはある。そのぶんカーブの通過半径がそのカプラーの性能によって制限される(KATOカプラー密連などは特に制限を受ける)ので、どのようなレイアウトで走らせるかを考えた上で交換を考えてほしい。
また、TNカプラーについては取り付けるときに当たりを削らなければいけないケース、あるいは連結部で車体同士が当たってカーブを曲がれなくなるケースが時々発生する。自社製カプラーのマイクロカプラーはそんなときに編成端部オンリーのカプラーとして活用しよう。
連結器そのもののシャンク(腕というべきか)が長めにとってあるのでカーブ旋回に余裕を持たせられる。カプラー本体部が薄く作ってあり、当たりが少ない。当たり前といえばそうなのだが、マイクロエース製品には原則無加工でつけられる。
マイクロカプラーは切り刻んで当たり干渉を小さくすることもできるので、他社製品を併結可にするときの改造の素材としても使用できる。(記事編集者は、マイクロエース製品キハ183系オランダ村特急とTOMIX旧製品485系有明の併結運転のためにマイクロカプラーを使って改造を行いました。)
関連動画
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関連項目
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