マックス・ヘッドルーム事件(英:Max Headroom signal hijacking)とは、1987年11月22日の夜にアメリカ合衆国で起きた電波ジャック事件である。未だに犯人が捕まっておらず、未解決事件となっている。
概要
事件名になっているマックス・ヘッドルームとは、1985年にイギリスで初登場したテレビ番組「The Max Headroom Show」で司会を務めたバーチャルキャラクターの名前である。電波ジャックの映像に映っていた人物がこのキャラクターのマスクを被って仮装をしていた事からこの事件名が付いたと思われる。
この電波ジャックは、同日2回にわたって行われている。
1回目は、WGN-TVで放映されていた生放送のニュース番組「The Nine O'ClockNews」でスポーツに関する報道をしていた時に起こった。突然画面が真っ暗になり音声が途切れ、次に画面が映るとそこにはマックス・ヘッドルームの仮装をした人物がノリノリで頭を動かす姿が映っていた。この時は声が入っておらず、歪んだノイズのような音が鳴っている。こちらはWGNのエンジニアが周波数を切り替えた事により解決した。
2回目は、WTTWで「ドクター・フー」が放映されている時に起こった。こちらは画面が真っ暗にならず、すぐに電波ジャックの映像に切り替わった。こちらも1回目と同じ姿の人物が映っていた。1回目と違い、こちらにはノイズ交じりの歪んだ音声が入っている。
こちらの映像では、チャック・スワースキー(WGNのアナウンサー)に対して「俺の方がヤツより優れている」「ファッキンリベラル野郎」と言った後、ペプシの缶を持ちながら「"Catch the Wave"」(ニューコークの売り文句)と言ったり、「クラッチ・カーゴ」のテーマソングを口ずさんだりした。その後、「奴らが俺を逮捕しに来た!止めろ!」と言いながら仮装した人物が尻を出し、それを謎の女性が蠅叩きで叩き続ける所で映像は終わり、ドクター・フーの映像に戻る。1回目と違い、こちらは対応できるエンジニアがその場にいなかった。
なお、どちらの映像でも背景が特徴的な物になっているが、これは「The Max Headroom Show」でマックス・ヘッドルームが喋っている時の幾何学的な背景を再現したものと思われる。映像の中で背景の端が切れている部分があるので、波型のパネルか何かを動かす事であの背景を作っていたのかもしれない。
この事件を実際に実行するには専門の知識と大量の電力が必要であり、それなりに規模の大きい事件だったが、犯人に関しては今でも分かっていない。
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