メタルサーガ 鋼の季節とは、DSのゲームである。
ジャンルはRPG。砂塵の鎖に続くメタルサーガシリーズ第2作、メタルマックスシリーズから数えると4作目にあたる。
一般的な略称はMS2。
概要
今まで同様、主人公はハンターとして賞金首を狩り、戦車を改造し、また賞金首を狩る…といった形式。
ただ今までとちがって今作では自由度はかなり低くなっている。
理由として、今まではプレイヤーの思いのままにフィールドの移動が出来たが（いけない場所などはあったが）、
鋼の季節では「エリアマーク（街やダンジョンなど拠点となるポイント、何もないものも存在する）」と、
それを繋ぐ「ルート」が存在しない場所へはいけなくなっている。そのため序盤は極端にいける範囲が少ない。
一応中盤に入ったぐらいから自由度は若干上昇してくる。
操作方法が従来の「十字キー」を使って移動、「Aボタン」を押して決定という形ではなく
全ての操作をタッチペンで行う「フルタッチオペレーション」というシステムになっている。
例えば街やダンジョンで主人公を移動させたい場合、主人公から離れた場所をタッチし続けるとその地点を目指して移動を始める。
また街と街の移動も上記のエリアマークをタッチし、移動の選択を行うと勝手に進んでくれる。
色々と斬新なシステムを導入したが、残念ながらファンの間ではこの作品は黒歴史扱いを受けている。
またそれによりやったことのない人にもこのゲームの質の悪さが伝わってしまっているため、ストーリー等が評価されにくくなっている。
一応、初代メタルマックスとの繋がりを意識させるストーリーや、BGMは良かったと言う声も無いではないのだが・・・。
非難だらけの作品
上記のように、このゲームはシリーズファンの間で非常に評判が悪い。
大体の理由は「フルタッチオペレーションに対する不満」と「ありえないくらいのバグの多さ」である。
特にバグは非常に多く「本当にデバッグしたのか？」といわれるほどである。
幾つか上げるとするなら
- 耐久値は弾数が減っているのに満タンサービスが受けられなくなることがある
- 戦闘メッセージの誤字脱字
- 溺死街の転送装置付近のオヤジに挟まれると動けなくなる
- スターリンの改造5段階目で選択しようとするとフリーズ（攻略本にまで注意書きが載っている）
- 今週のターゲットに存在しないモンスターが出てくる（それを選ぶと倒せないため終了できず、永遠に変更できなくなる）
- オーディン砲（複数のパーツを使って作成する大砲）を設計してセーブ→電源を落とすと再度ゲームを始めた時に特定の組み合わせに変わっている
- メッセージやグラフィックが一瞬表示されすぐ消えるシーンがある
- 特定アイテムを使ってクイックセーブするとフリーズ
- とある賞金首を倒すとマップ上の特定地点へ目指して飛んでいくが、その地域以外の場所で倒してしまうとイベントが発生せず電源を落とすしかなくなる
- F-21クーガを手に入れる際、その場で乗って称号を入手せず牽引して持ち帰って街に放置し、街から出ると元あった場所に戻っている
なおバグではあるがプレイヤーに有利に働くものも存在する。
幾つか上げると「主人公の攻撃回数が上昇する」「ポチの能力値が劇的に上昇する」など。
MS2の特徴
前作同様今作でも新たなシステムなどが存在する。
複数の武器を装備できる
今までは武器は1つしか装備できなかったが、今作では最大3つ装備可能になっている。
戦闘中に画面右上に表示される「ぶきをかえる」を押すことで装備している武器の変更が可能。
場合によっては4番目の武器も表示される。
（最も戦闘中に装備変更が出来た過去作品と比べたら制限が増えただけかもしれないが）。
このシステムは後のメタルマックス3やメタルマックス2：リローデッドにも用いられている。
特技の習得方法・使用方法の変更
砂塵の鎖では特技仙人にお金を払うことで習得、所持金を消費して使用する形式だったが、
鋼の季節ではレベルアップによって習得するようになった。
ちなみに習得するレベルはキャラクターのレベルではなく運転や修理といったキャラクター固有のレベルが関係してくる。
また特技ごとに使用回数が決まっており、各関連レベルによって上昇していく（主人公なら「運転」、メカニックなら「修理」）。
装甲タイルから耐久力への変更
これまでは装甲タイル（SP）は重量がある代わりにエンジンによって貼り付けられる量が変化したが、
鋼の季節では装甲タイルによる重量は廃止されシャシー毎の耐久力という形になった。
一応耐久力の上限を下げればシャシー重量は減り上限を上げれば重量は増えるが、
攻撃を受けて耐久力が減少してもシャシーの重量は変化しない。
新職業の追加
従来のハンター・メカニック・ソルジャー・犬に加え、今作では新たに料理人とハッカーが加わった。
料理人は今まで酒場で売却していた「珍味」を使って料理を行い、回復アイテムなどを作り出すことができ、
ハッカーはタンクやロボットといった電子系のモンスターからプログラムを盗み出し、所持するロボットに覚えさせることが出来る。
パーティメンバー減少と戦車の運用方法の変更
今までは主人公・メカニック・ソルジャー+犬の3人+1匹パーティだったが、今作では主人公+相棒+犬の2人+1匹になった。
また戦車も乗れるのは1台で、メンバー2人で乗車することになる（牽引も1台）。
そのため一人が主砲を撃ち、相棒は副砲を撃つ、といった形で戦車兵器を使用する。
ただし、一つの戦車兵器を2人同時に使う事は出来ない。
シャシーの改造
従来の改造では穴をあける/穴をふさぐのみの改造（厳密にいえば他にもあるが）だけだったが、
今作ではシャシーを強化するとさまざまな固定装備がついたり搭載できる兵器が変化したりする。
例えばハンビーを1段階改造すると大砲・機銃・機銃が搭載可能な「バルカンハンビー」か大砲・SE・SEが搭載可能な「ミサイルハンビー」のどちらかになる。
ただし一度強化すると戻すこと・同強化段階の別形態への変更が出来ない。
固定装備はその名の通り強化シャシー専用装備で改めて兵器を用意する必要がなかったりするが、 取り外しが出来ず改造も行えない。
場合によっては固定装備の重量が足を引く形になることもある。
戦車設計のやり方の変更
今作の戦車設計では4つの単語ｘ4種を組み合わせて戦車を設計することになる。
出来上がるのは既存の戦車（強化済み）か設計限定戦車のいずれか。
ただし単語によっては設計不可能な組み合わせも存在する（例えばスレンダーｘ超デカｘレトロｘ他4種は設計できない）
同系統の戦車を作れるため、強化に失敗した場合の保険としても使える。
今作での設計限定戦車は1種類のみ、鉄くずは当然必要。
設計限定戦車は各シャシーの強化では出来ない形態とシンカ系（後述）がある。
例えばF-21クーガ系だと「ドードーアタッカー」という形態を作成できる。
称号の付け替え
ゲーム本編とはあまり関係ないが、今までは称号は自動でつきプレイヤーは変えることが出来なかったが、
今作では自由に付け替えることが可能になった。
登場人物
主人公と仲間達
- 主人公
- 本編主人公。伝説の「大破壊」を引き起こしたといわれるコンピュータ「ノア」を倒したハンター「レバンナ」の息子。
- 現在は姉のカレン、レバンナの相棒「神の手」クリフの3人でストームストーンの北にある農場で暮らしている。
- ジェシィが持ってきた「ノア・シード（世界を破壊したコンピュータ「ノア」を復活させるプログラムが内蔵されたもの）」を破壊するため、彼は旅に出ることになる。
- なおレバンナは病により他界している。
- ジェシィ
- 通称「疾風のジェシィ」。本人以外で呼んでいる人はいないので自称かもしれないが、デアボラ一家からはそう呼ばれている。
- 今は亡き相棒と共に手に入れた「ノア・シード」を破壊する方法を求めてレバンナの元へやってきた。
- 序盤で主人公の師匠としてハンターについて指導していく。立場的に上になるため主人公の命令を受け付けない（つまりオート戦闘）。
- 賞金首を倒して賞金をもらった際にほとんどピンハネするため賞金をもらう前にプレイヤーに殺される。合掌。
- ポチ
- シリーズ恒例の犬。溺死街東部にある犬のテリトリーと呼ばれるバイオドッグ達が住む森にいる子犬。
- モンスターに襲われている所を主人公に助けられたことに恩を感じ、
- その後バイオドッグにつかまった主人公を助けたため群れから追い出され、仲間になる。
- 従来通り自分で考えて行動するため操作不可。
- レオーニ
- 頭に血が上りやすい戦う料理人。義理と人情に厚い。
- 恩人であるトロ－フラミンゴ・ヴィル間の定期船の船長を元気づけるため、魔性昆布を手に入れるために海鳴洞へ向かっている。
- 彼の特技は「料理」で、モンスターが落とす珍味を食材として、さまざまな料理を作ることが可能。
- レベルが上がれば通常よりも上位の料理が出来るが、低いと失敗することも。
- メグ
- 前作に登場したメカニック「ミカ」に引き続き登場する女性メガネっ娘メカニック。
- 才能はあるらしいが、ドジで微妙に言動に不安を感じるメカニック。
- それ故実家か追い出されたため家出し、フラミンゴ・ヴィルに居つく。
- 彼女がいると浄水器を直したり壊れたゲートを修理して進めるようにしてくれる。
- レベルが上げれば戦闘中に戦車の修理を行うこともできるようになる。
- 実家はクアトロホールらしい。また戦車に乗らないハンター「ファング」は元彼。
- マリオン
- フラミンゴ・ヴィルでダンサーのバイトをしている傭兵。
- サブワイがアリに襲われた際に仲間になってくれる。
- 他のメンバーのように特技は持たず、修理も出来ないが白兵戦にかけては右に出るものはいない。
- 戦闘Lv90になると特技「人間戦車」を習得する。これは重量が2.00t以下の機銃を装備できるというもの。
- しかし2.00t以下の機銃の殆どは攻撃力が低く、しかもこれで装備した機銃には本人の攻撃力がのらない為、
- あまり使えない（人間装備の方が強かったりする）。
- サージ
- トロのスラム街でスリをしている少年。
- 伝説のハッカー「カイエ」の孫（なのだが作中ではカイエという人物の話は殆ど出てこない）。
- 「ロボ」という名のロボットを修理するためのパーツ集めを手伝うと仲間になってくれる。
- バトルパソコンを使ってタンクや電子系のモンスターから吸い出したプログラムをロボにインストールし、それで攻撃を行う。
- それ以外にもソフト面の不調を直したり、パスワードを解析し入力することが出来る。
- 特にパスワード解析は重要で、プレイヤーがパスワードを知っていても絶対に進めない場所が存在する。
その他の人物
- カレン
- 主人公の姉。農場でクリフと主人公の3人で暮らしている。
- キキ
- ストームストーンに暮らす孤児の少女。クリフが面倒を見ていたらしく、主人公達とは家族のような関係。
- まだ幼いようで若干舌足らずなところがある。主人公が好きで将来お嫁さんになるといっている。
- クリフ
- レバンナの相棒として共にノアと戦った伝説のメカニック。通称「神の手」クリフ。
- 現在は主人公とカレンの3人で農場で暮らしている。
- 病に冒されているらしい。
- キキも保護しているらしいが、ゲーム中ではそのような描写がない。
- Dr.ミンチ
- みんなご存知死体の研究をしている博士。死体を持っていけば生き返らせてくれる。
- 今作では汚染沼で部下のイゴールと共に賞金首「ヌマンバ」に襲われている。
- ペッパーマン教授&Bナス
- 各地を旅しながら研究している大学教授（こらそこ大学があるのとか言わない）。Bナスは教授の美人助手。
- マデラ砂漠やレッドバレー等の大型のマップに登場し、その場所について教えてくれる。
- 見る限りテントは1つしかないのだが…。
- マダム・ザザ
- 溺死街で冒険者の斡旋などを行っている女性。溺死街のボス。
- がめつく色々要求してくるが、気に入られると無償で情報の提供などをしてくれる。
- イングリッド
- レバンナ・クリフと共にノアを倒した女ソルジャー。
- ノア・シードの破壊に協力してくれるが…。
- エバ・グレイ
- 幻の岬に一人すむ女科学者。
- ノア・シードを破壊するための武器を提供してくれる。
- 研究に没頭するあまり娘を死なせてしまっている。
- ファング
- 戦車に乗らないハンター。メグの元彼だが振られた理由は戦車を持っていないかららしい。
- 所々で会うことができる。あまり飛ばさずに進めていると初めて会うのは海鳴洞。
- 鉄道工事現場では共闘することがある。
- クアトロホールにいる弟達を養うため出稼ぎにでているらしい。
- Dr.レジェンド&エリー
- クアトロホールにいる研究者。Dr.バトーのような位置づけだが変なあだ名をつけてはこない。
- 鉄くずを持っていくとそれで戦車やレールの作成を行ってくれる。
- エリーは博士の助手でアンドロイド。初めてクアトロホールに行った時は壊れている。
- デアボラ・デシャン・デウード
- ミュート（危険な地帯で作業するために作られた人造人間）の賞金首でデアボラ一家クラン・デアボリカを名乗っている。
- 人類を皆殺しにするためにノアの復活をたくらんいるため、ジェシィが持っているノア・シードを狙っている。
新規で登場するクルマ
- フィフティーズ
- エンジンむき出しのオープンカー。
「50’s」と言うシャシーの名前に加えて、デフォルトネーム「キャデラック」の名前通り、1950年代のキャデラックを思わせる外見。 - トロで展示されており、最低50000Gあれば購入できる。
- ハンビー以上に戦車として運用するには向いていないとしか思えない車。
- これを入手するとフラミンゴ・ヴィルでとある女性とのドライブイベントが発生する。
- 所持金次第ではハンビーを除いて一番最初に入手できる戦車。
- 突撃砲
- フラミンゴ・ヴィルの警備員とパスワードの先にある戦車。ヤクトパンサーがモデルになっている。
- そのため存在自体知られてずにゲームが終わることも。
- 強化していくとものすごい勢いで固定装備がついてくる。
- F-21クーガ
- レッドバレーに眠る「飛べない悪魔」。シリーズ初の飛行機（砂塵の鎖にも登場しているが）。
- 入手してすぐのF-21クーガは固定装備のみだが強化すれば別の兵器も搭載できるようになる。
- しかし強化の仕方によっては固定装備のみで一切兵器の搭載ができない場合もある。
- スターリン
- 賞金首「グラマースターリン」を倒すとその場で大破状態で入手できる、初めての賞金首戦車。
- 非常に重量があるため、エンジンの強化は勿論戦車の軽量化も図る必要がある。
- 強化派生が全て同一となっているためどの形態に強化しても次の派生は同じになる。
- 残念なことに5段階目に改造しようとするとゲームがフリーズする。
- シンカ
- 戦車設計でのみ登場する戦車。固定砲台が必ず1つつく。
- 3段階目までは派生がなく「ラマルク系」か「ダーウィン系」のどちらかに強化できるが、
- 4段階目からはどちらかにしか強化できなくなる。
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関連項目
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