Medal of Honor (メダルオブオナー) (略称:MoH) とは、以下の意味を持つ。
- アメリカ合衆国が軍人に授与する中でも最高位の勲章。名誉勲章、あるいはアメリカ議会の名で授与することから議会名誉勲章とも呼ばれる。「戦闘において義務を超えた勇敢な行為、もしくは自己犠牲を示した者」に対して授与され、受賞者は毎月の手当や退職金の増額、更には階級に関わらず相手から先に敬礼を受ける(通常は階級が低いものから敬礼し、上のものが返礼する)などの特権を有する。莫大な数の軍人を有するアメリカ軍でもその受章者は極めて少なく、その数は現在までで僅かに3400人ほどである[1]。
- エレクトロニックアーツを代表するFPSシリーズ。略称はMoH。1を由来としており、正式に名称の使用許可も得ている。
Metal of Honor(メタルオブオナー)は間違い。以下、2について詳しく述べる。
概要
第二次世界大戦中のアメリカ軍の一兵士となって戦うFPSとして1999年、PS向けに初作「Medal of Honor」が発売。以降、大戦を舞台としたFPSシリーズの代表として人気を博す。
日本での発売は3作目「Medal of Honor:Allied Assault」が初で、シリーズで最も成功したタイトルでもある。
Call of Dutyシリーズとは姉妹作の関係にある。同シリーズが舞台を現代に移した「Call of Duty 4: Modern Warfare」の大ヒットを受けて、Medal of Honor (2010)以降は本シリーズも舞台を現代に移している。
現在では、『Battlefield』シリーズで有名なEA DICEが開発に参加し、最新作「Medal of Honor:Warfighter」には『Battlefield4』の体験版が収録されるなど、同じEAのゲームとして同シリーズとの関わりが深くなっている。
シリーズ一覧
タイトル | 日本語版タイトル | プラットフォーム | 発売日 |
---|---|---|---|
Medal of Honor | × | PS(,PSN) | 1999年11月11日 |
Medal of Honor: Underground | × | PS,GBA(,PSN) | 2000年10月23日 |
Medal ofHonor: Allied Assault | メダルオブオナーアライドアサルト | PC | 2002年 1月22日 |
Medal of Honor: Frontline | メダルオブオナー史上最大の作戦 | PS2,Xbox,GC,PS3 | 2002年 5月28日 |
Medal of Honor: Rising Sun | メダルオブオナーライジングサン | PS2,Xbox,GC | 2003年11月11日 |
Medal of Honor: Infiltrator | メダルオブオナーアドバンス | GBA | 2003年11月17日 |
Medal of Honor: Pacific Assault | メダルオブオナーパシフィックアサルト | PC | 2004年11月02日 |
Medal of Honor: European Assault | メダルオブオナーヨーロッパ強襲 | PS2,Xbox,GC | 2005年 6月07日 |
Medal of Honor: Heroes | メダルオブオナーヒーローズ | PSP | 2006年10月23日 |
Medal of Honor: Vanguard | メダルオブオナーヴァンガード | PS2,Wii | 2007年 5月26日 |
Medal of Honor: Airborne | メダルオブオナーエアボーン | PC,Xbox360,PS3 | 2007年 7月04日 |
Medal of Honor: Heroes 2 | メダルオブオナーヒーローズ2 | PSP,Wii | 2007年11月13日 |
Medal of Honor | メダルオブオナー | PC,PS3,Xbox360 | 2010年10月12日 |
Medal of Honor: Warfighter | メダルオブオナーウォーファイター | PC,PS3,Xbox360 | 2012年10月23日 |
Medal of Honor: Above and Beyond | × | PC | 2020年12月11日 |
作風
- 1作目が発売された当時のFPSと言えば、SF的世界が舞台となっているものや、スポーツ性の強いものが殆どであり、実際の戦争を舞台にしたものも、その再現率は高いとは言えないものばかりであった(『レインボーシックス』などの例外はあったが)。
- その中で、元海兵隊大尉などを監修に付け、綿密な取材・研究の末に再現された今作の第二次世界大戦の戦場は、他作品と比べて遥かにリアルであった。
また、「客観的なムービーやカットシーンを排除し、全ての出来事をプレイヤーの視点の中で主観的に描き出す」ことでFPS界を大きく変えた『Half-life』後の作品でもあるため、その画期的な演出法を貪欲に取り入れてもいた。
つまり本シリーズは、リアルに再現された戦場と、プレイヤーが直に体感する映画的演出・ストーリーを組み合わせた初めての作品であり、これが数多くのプレイヤーを魅了することになったと言える。
この作風は、『Operation Flashpoint』や『Battlefield』など数々のフォロワーを生んだ。
- 一方で、展開が非常にダイナミックであることも特徴。
船での上陸やトラックでの突入など作戦開始のイントロで、攻撃を受けて大混乱に陥るという下りは、最早シリーズ恒例のイベントである。
主人公も非常にヒロイックであり、このような混乱によって味方が全滅する中1人無傷で生き残り、単独で行動して敵大隊を壊滅させる、戦局を大きく変えるなど、良くも悪くも『映画的』『物語的』な活躍を見せることが多い。
また、複数作品にまたがって登場することが多く、今作の主人公達は、第二次世界大戦の戦局を変えるような活躍を複数回に渡ってしている。
しかし、後述の通り、現在ではこの作風は鳴りを潜めるようになっている。
- 上質な音楽
Call of Dutyとの関係
本作で最も成功した「Medal of Honor: Allied Assault」であるが、この開発中にスタッフ間で対立が起こり、チーム分裂にまで至っている。この時、チームを離れて独立したスタッフによって作られたのが、Call of Dutyとその開発元のInfinity Wardである。
対立の主な原因は、プレイヤーキャラのヒーロー性。上述の通りヒロイックな今作の主人公達に対して、現在のInfinity Wardスタッフは、「一介の兵士」であり、仲間との協力によって戦場を潜り抜け、時にはあっけなく戦死するようなプレイヤーキャラ像を主張したのだ。
CoDシリーズはこの主張通りに作られており、MoHと同じくリアルな戦場とダイナミックな演出を含みながらも、プレイヤーキャラのヒーロー性は大きく排されている。
2シリーズは方向性が違うものであり、どちらが好まれるかはともかくどちらが優れているかは決められない。人気の面では、「Call of Duty 4: Modern Warfare」によってゲーム界屈指の人気タイトルとなったCoDに対して、現在のMoHは水をあけられている状態である。
が、現在では皮肉にもその作風は逆転し始めている。
特に人気の高い海外のネットを中心にその指摘は盛んで、MWシリーズのプレイヤーキャラ達がヒロイックな活躍を果たすようになっている一方、「Medal of Honor (2010)」や「Airborne」のプレイヤーキャラの方が、かつてCoDシリーズが目指した『一介の兵士』像に近くなっていると言われる。
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関連項目
脚注
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