「メダロット」とは、ナツメ開発・イマジニアから発売されたゲームソフトである。略称は「メダ1」「初代」等。タグに関しては単にメダロットのみであることが多いが、一応区別する上でメダロット1が使われている。
※また、本項目でパワーアップキットに当たる「メダロット パーツコレクション/パーツコレクション2」、リメイク作品に当たる「メダロット パーフェクトエディション カブトバージョン/クワガタバージョン」も解説する。リニューアル作品に当たる「真型メダロット」は同名の項目を参照のこと。シリーズ全体に関する概要はメダロットを参照のこと。
メダロット カブトバージョン/クワガタバージョン | |
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ジャンル | ロールプレイング |
対応機種 | ゲームボーイ |
発売 | イマジニア |
開発 | ナツメ |
発売日 | 1997年11月28日 |
概要
- ゲーム版メダロットシリーズナンバリング第1作。同名の漫画がコミックボンボンで連載されると同時にゲーム化(本作)の告知があった。漫画連載を行ったほるまりん氏(ほるま・りん表記)がキャラクターデザインを務めている。サウンド・BGMは山下絹代女史(うえだきぬよ表記)が担当。
- 時は近未来。メダルで動くロボット「メダロット」と呼ばれるお友達ロボットと人々が暮らす世界。巷では「ロボトル」と呼ばれるメダロット同士を戦わせる競技が大流行。プレイヤーは主人公である少年「ヒカル」となり、偶然メダルを拾ったことからメダロットを手にいれることになる。夏休みの社会見学と称して各地をメダロットと共に探検する中、メダロットを悪用し世界征服を企む集団「ロボロボ団」と遭遇し、彼らとの戦いに巻き込まれていく。
- 「メダル」と「パーツ」の交換によるメダロットのカスタマイズ、パーツの行動速度や地形相性、部位破壊を取り入れたチーム戦闘「ロボトル」、多種多様なパーツ・メダルのコレクションとトレーディングと奪い合い、などといったシリーズの基本要素は全て本作で確立されている。逆を言うとまだまだ粗削りな部分も多く、本作のみの要素も含まれている。
- 発売時期、2バージョン制や画面構成(特にフィールド画面)などからポケモンの後追い作品と称されるが、その独特な戦闘システム等といった差別化・メディアミックス展開によって、人気を博しシリーズを広げていく。
- カブトバージョンでは射撃行動が得意なメダロット「メタルビートル(通称メタビー)」とカブトメダル、クワガタバージョンでは格闘行動が得意なメダロット「ヘッドシザース(通称ロクショウ)」とクワガタメダルが最初に手に入るメダロット・メダルとなる。また両バージョンで店で売られるパーツのラインナップや、イベントで手に入るパーツ・メダル、通信対戦時に奪い取ったメダルの変化内容が異なる。
メダロットとは?
メダロットの仕組みとそれぞれの特徴 | |
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ティンペット | メダロットの素体。これにパーツをつけていく。 男型と女型の2種類のティンペットが存在し、それぞれ対応したパーツのみ装着可能。 男型は攻撃役に向いており、女型は数が少ないが回復能力に長ける。 |
メダル | メダロットの頭脳。パーツとの相性やパーツ行動熟練度、移動速度や回避能力等を決める。 ロボトルを重ねレベルアップすることで能力が上がっていく。 |
頭部パーツ | ロボトル(戦闘)では特殊機能を担う。この部位でしか行えない行動も存在する。 唯一使用回数制限を設けられており、右腕・左腕と比較して強力。 ロボトルでこの部位が破壊されるとメダロットは機能停止してしまう。 |
右腕パーツ | 軽装備と称される。破壊されない限り何度でも使える。 充填・熱量が低めで素早く行動できるが、威力は低め。 |
左腕パーツ | 重装備と称される。破壊されない限り何度でも使える。 右腕に比べ隙が大きいが強力。弱点さえ補えればロボトルの主力にできる。 |
脚部パーツ | 基本性能を司る。推進・機動・防御・地形との相性等その影響力は多岐にわたる。 この部位が破壊されるとすべての能力が半減してしまう。 |
ロボトルとは?
ロボトルのルール | |
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内容 | 互いに規定数(基本的に3体)までのメダロットを出し合い、メダロットに指示を与え戦わせる。 |
勝敗決定 | リーダー機の頭部パーツを破壊し、機能停止させたチームが勝ち。 |
制限時間 | 制限時間内に決着がつかない場合は、残機体数・パーツ数などを考慮し判定が行われる。 |
取引 | 勝者は敗者のメダロットからパーツを1つもらうことが出来る。 |
- メダロットシリーズのRPGとしての戦闘パートに当たるのがこの「ロボトル」であり、ゲーム作品によってシステムや参加機体数こそ違えど、「リーダー機の破壊が勝利条件」「敗者は勝者にパーツを1つ差し出す」という点は同じである。
本作の特徴
イベント・インターフェースに関して
- 登場メダロット数は全60体、240パーツ。登場メダル数は28枚。後の続編と比較すると少なめだが、通信機能の関係やサブイベントの多さから見た目以上のボリュームがある。
- フラグ管理による3種類のマルチエンディング搭載。とりあえず女子トイレに入るな。
- サブイベントがやたら多い。期間限定のものも多い。訳の分からない発生条件のものも多い。そのため予備知識なしでプレイすると、ティンペットやメダルがやたら少ない状態でエンディングを迎えることも。
- コンビニ(輸入品店)でなぜかラスボスのパーツが売られている。しかもクリア前に購入可能。
- 会話時のフェイスグラフィック表示がないため、表示される台詞が誰が発言したものか分かり難い。
- 画面切り替えでちょくちょくロードが入る。
- 手に入れたティンペットに名前を付ける。
- メニュー画面、メダロット管理項目は「メダロッチ」ではなく「ケイタイ」。
- 対応したモチーフの乗り物メダロットがいなくても、移動用アイテムが使用できる。
- ロボトル中セレクトボタンで降参できる。
- ボス戦BGMなどというものは存在しない。
- 脚部タイプは7種類あるのに、アイコン表記はなぜか3種類のみ。
メダルに関して
- 熟練度は準備値制ではなく、経験値蓄積でメダルのレベルが上がるときに行動回数に応じて上昇する。またランクアップ時は通常より多く熟練度が上がる。
- 性格が「攻撃」「防御」「特殊」の3種類のパラメーターで決定される。それぞれの値の上げ方や効果の意味は明らかにされているが、ロボトルでそれを実感できるかどうかは…また別の話。
パーツに関して
- 無効系パーツを装備していても、時折完全に無効化できず小ダメージを受けることがある。
- 「がむしゃら」だけでなく「ねらいうち」も脚部の推進値補正が入る。
- ミサイル・ナパームといった火薬攻撃はまだ必中ではなく、「回避されたとき時々爆風で追撃」効果。
- レーザー・ビームといった光学攻撃やブレイク・プレスといった重力攻撃もまだ2倍の特性は無い。前者は単純に「とても威力が高い」、後者は「防御しない相手に大ダメージ」という効果である。
- 対潜水・対飛行タイプ特効攻撃が存在するが、表記がアンチシー・アンチエアではない。おまけに装備するだけで効力を発揮したりする。
- 回復・復活行動は全て貫通(一部位全快時、他の部位に残りの回復量を移す)。
通信に関して
- 通信対戦の「しんけんロボトル」時、相手のメダルを奪うことが出来る。さらに両バージョン共通で登場するメダル4種を奪った場合、移行先のバージョンと奪うメダルの種類によって奪ったメダル自体が別の種類のメダルに変化する。
- そもそも通信でメダルだけの受け渡し機能が無い。よって必然的に真剣ロボトルで奪い取る必要がある。
- 通信交換「パーツトレード」時、特定パーツを送ると別のパーツに変化する。
パーツコレクション
本作の発売後、「パワーアップキット」と称して数量限定で「メダロット パーツコレクション」が発売。その数か月後、同作の主人公とヒロインの立ち位置等を差し替えて「メダロット パーツコレクション2」も一般販売された。基本的な内容はどちらも同じである。なお、ゲーム内で使用されるロボトルシステムやメダロットのカスタマイズシステム、登場するパーツやメダルの能力などは本編(カブト/クワガタ)と同じ。
メダロット パーツコレクション/パーツコレクション2 | |
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ジャンル | ロールプレイング |
対応機種 | ゲームボーイ |
発売 | イマジニア |
開発 | ナツメ |
発売日 | 1998年3月20日(パーツコレクション) 1998年5月29日(パーツコレクション2) |
メダロット パーツコレクションの特徴
- メダロット パーツコレクション(以下1パーコレ)の特徴は、ゲームクリアまでプレイすると、本編(カブト/クワガタ)で手に入るすべてのパーツとメダルが手に入るということ。もちろん手に入れたパーツを本編に送ることも可能(メダルだけはシステムの都合上真剣ロボトルで奪わせるしか方法は無い)。
- そのかわり、本編のような明確なシナリオ・サブイベントが存在せず、特定キャラクターとのロボトルを繰り返すことになる。
- 1パーコレでは20階建ての3つの塔を制覇してさらわれたヒーロー(ヒロイン)を助け出すのが目的。塔の1フロアには1人のメダロッターがいて、ロボトルに勝利するとパーツ一式やメダル、ティンペットを手に入れることが出来、次のフロアへの道が開かれる。
- 本編にはいなかった・または戦う機会のなかったキャラクターともロボトルができる。また、1パーコレはモブキャラまでわざわざ歩行グラフィック描きおろし
という良くわからない力の入れ方。
1パーコレと本編との違い
- ティンペットの性別に関係なくパーツを装着できる。
オエーッ - 敗北したら即ゲームオーバー。
- ロボトル中のメダロットアイコンがなぜかメダロッターの歩行グラフィックで統一。
- メタなネタも平気で出てくる。
- 本編の主人公「ヒカル」ですら本作では敵。
- ラスボスは高い所にいるとは限らない。
1パーコレと1パーコレ2の違い
- 1パーコレの主人公は「パディ」という少女。彼女の夢の中ではメダロット王国の王女様。悪い魔女ミルキーにさらわれたティンペット王国の王子「ユウキ」を助けるためクマとザリガニ引き連れて3つの塔に挑む。
- 1パーコレ2の場合主人公は「ユウキ」という少年。彼が一か月かけて作ったゲーム「メダロット パーツコレクション」の中でティンペット王国の王子様として彼自身が登場する。悪い魔女ミルキーにさらわれたメダロット王国の王女「パディ」を助けるためザリガニとクマ引き連れて3つの塔に挑む。コラ、そこ手の込んだコピペとか言わない
- 各種台詞、戦闘前の台詞、イベントグラフィック(あとSGBのフレーム等)が異なる。
- 1パーコレのみなぜかニンテンドーパワーでの書き換えに対応していた。パーコレ2と言い、限定販売の意味なくね?
パーフェクトエディション
本作と1パーコレの発売後、ワンダースワンにハードを移して、完全リメイクともいえる「メダロット パーフェクトエディション」が発売。ハードこそ違えど、グラフィックを全面的に強化し、インターフェースの利便性も向上したまさに完全なる良リメイク作品である。なお、ゲーム内で使用されるロボトルシステムやメダロットのカスタマイズシステム、登場するパーツやメダルの能力、基本的なシナリオの流れなどはリメイク元本編(カブト/クワガタ)と同じ。
メダロット パーフェクトエディション カブトバージョン/カブトバージョン | |
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ジャンル | ロールプレイング |
対応機種 | ワンダースワン(モノクロソフト) |
発売 | イマジニア |
開発 | ナツメ |
発売日 | 1999年5月4日 |
メダロット パーフェクトエディションの特徴
- グラフィック面の大幅強化。メダロットの画像は公式イラストに非常に近く、出来が良い。
- それにともないロボトル描写アニメも強化。しかもスピーディでテンポが良い。
- おまけに戦闘アニメのカットまで可能。
- あらかじめ登録しておいたメダロット数体をまとめて呼び出したり、パーツ入手状況が純正機体ごとに確認できるなど操作面も良好。
- ロボトル中のパーツダメージ表記が部位ごとに確認できるようになった。
なぜこれらを2で引き継がなかったし - オープニングデモが追加された。
- キャラクター同士の会話にフェイスグラフィックが追加された。
- キャラクター同士の会話内容が追加された。メタビーやロクショウが自分の相棒(登場人物)として会話するように。
- イベントの追加、一部イベントの内容が変更。店売りパーツ内容も変化している。これにより一部機体が入手しやすくなっている(一部入手しにくくなったものも)。
- ゲームバランスに調整は入っていないこと、ハード自体がマイナー、ハードの性質上データが飛びやすいことが欠点。
- ハードの都合か移植度の関係かBGMがやや劣化しており、サウンドテスト機能は省略されている。
- 後の「メダロット カードロボトル」の開発に関わったトーセも開発に関わっている説有。
関連動画
実況プレイ | 単機クリア |
パーフェクトエディション | BGM集 |
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関連コミュニティ
関連項目
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