ラグナル・アントン・キティル・フリッシュ(Ragnar Anton Kittil Frisch、1895〜1973)、通称、ラグナル・フリッシュとは、ノルウェーの経済学者である。1969年に世界初のノーベル経済学賞を受賞。
概要
経済過程の分析の為の動学的モデルの開発と応用を行った経済学者。
計量経済学の先駆者。ミクロとマクロの二分法を作ったのも、このフリッシュである。
フリッシュが1930年代に取り組んだ景気循環理論はその後の新古典派の景気循環理論の原則の一つになった。
生涯
フリッシュは1919年にオスロ大学で経済学の学位を取得し、さらにパリとイングランドでも研究を重ね、1925年には統計学の博士号を取得した。そしてフリッシュは同年にオスロ大学の講師に就任し、1928年には同大学の助教授、1931年には教授に昇格した。またフリッシュは1932年にオスロ大学にロックフェラー財団経済学研究所を設立し、研究責任者に就任した。
フリッシュは経済過程の分析に対する動学的モデルの発展と応用の功績を称えられ、1961年にはリンチェイ国家アカデミーからアントニオ・フェルトリネッリ賞を受賞し、さらに1969年にはヤン・ティンベルヘンとともに世界最初のノーベル経済学賞を受賞した。
業績
フリッシュは経済学の分野においていくつかの重要な発展に貢献し、計量経済学などの新語を創出した。フリッシュが1926年に発表した消費者理論に関する論文では新ワルラス理論の構築に貢献し、1965年には生産理論を定式化した。計量経済学の分野では、1927年には時系列分析、1934年には線形回帰分析に関する研究を行った。また、フリッシュが1933年に研究したインパルス伝播の景気循環理論は、現代の新古典派経済学の景気循環理論の原則の1つとなった。
フリッシュは計量経済学のモデルを政府の経済企画部門や経済会計部門に紹介する役割を果たした。フリッシュは計量経済学会の創設者の1人であり、20年以上に渡って計量経済学会誌の編集者としても活躍した。
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関連項目
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