ラッキーストライク(Lucky Strike)とは、タバコの銘柄である。
概要
アメリカ西部開拓時代の1871年、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ社(略称BAT社)が発売した銘柄。当初はパイプ煙草だったが、1916年に紙巻きタバコとして販売。人気を博していたキャメルの対抗馬となった。ラッキーストライクとは「大当たり」の意味で、ゴールドラッシュで湧いていた当時のアメリカを物語っている。緑色の背景に赤い丸がトレードマークである。現代に至るまで発売が続けられており、非常に息の長いブランドと言える。
1940年、レイモンド・ローウィによって現在の白地に赤い丸のデザインが考案。明るい色で女性の顧客を獲得する狙いがあった。1942年に変更された。当時は第二次世界大戦の影響で、緑系インクに用いられる金属(軍需品)の節約が必要だったのだ。「ラッキーストライクの緑は戦場に行った」という戦意高揚を兼ねた宣伝もなされている。第一次、第二次世界大戦ともにアメリカ軍の支給品となっており、多くの米兵がラッキーストライクを握り締めて戦地へと赴いた。日本近海で撃沈された米潜水艦アルバコアから乗組員の遺品とされるラッキーストライクが回収されている。各戦線に派遣された米兵たちによってラッキーストライクの名は徐々に広がり、いつしか世界的な銘柄となった。一方で「大当たり」(自分に銃弾が当たる)というネーミングから忌み嫌う兵士も多かったとか。ベトナム戦争でもキャメル、ウィンストン、マールボロ等とともに支給されたが、アクセサリーパケットからラッキーストライクが出ると縁起が悪いとされた。このように軍隊の支給品になっていた事から、戦争映画ではよくラッキーストライクが兵士の持ち物として使われている。
元々はアメリカが製造国だったが、2011年にマレーシアに移管。現在は全て韓国製になっている。
日本ではよく流布している都市伝説として、広島に原爆を落としたB-29搭乗員が「ラッキーストライク!」と叫んだ事が名の由来、あるいは原爆投下を反映したデザイン等のものがある。だがデザインの変更は1942年、原爆投下が1945年と時代が前後逆になっており、この俗説は間違いとするのが一般的である。
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