ル・マン市とは、フランス共和国サルト県の都市で、同県の県庁所在地である。
5月にル・マンブガッティサーキットでMotoGPのフランスGP、
6月にサルト・サーキットでル・マン24時間レースが行われる。
位置と気候
ル・マン市はパリから南西に180km、フランス北西部のこの場所にある。
パリのモンパルナス駅から発着する高速鉄道TGVで1時間かければ辿り着ける。
西と北と東の三方向を山に囲まれていて、上昇気流が起こりやすく雨が降りやすい。冬になると雪が降る。
北緯48度0分と結構な高緯度にあり、樺太のこの村や千島列島の芙蓉山と同じ緯度である。
ただ、極端に寒いわけではない。フランスの西を流れるメキシコ湾流という暖流の影響もあり、
一番寒い月の平均最高気温は8度程度で平均最低気温は2度程度。これは栃木県宇都宮市とほぼ同じ。
人口と産業
ル・マン市と言えば、フランス人でさえ、あのル・マン24時間レースしか思い浮かばないらしい。
普通の小さな地方都市である。人口14万。
サルト県自体が農業県であり、ル・マン市の市街地から離れるとのどかな田園が広がっている。
ルノーの自動車工場が市街地の南にある。
「サーキットと自動車工場を抱える小都市」として共通点がある鈴鹿市と姉妹都市になっている。
定冠詞付きの都市名
ル・マンは定冠詞付きの都市名で、都市名の本体はあくまでMansである。
アルファベット順で並べる場合、「L」の項目ではなく、「M」の項目に掲載される。
フランス語Wikipediaを開いてもル・マンは「M」の項目に並んでいる。
ル・マン24時間レースをフランス語にすると「le」が「du」になって「24 heures du Mans」となる。
市内の大聖堂の名前も「Saint julien du mans」で、サンジュリアン・デュ・マン大聖堂となる。
トラム(路面電車)
ル・マン市内にはトラム(路面電車)が走っている。2007年に導入された。
ル・マン24時間レースやMotoGPの開催時はこのトラムが大幅に増発され、観客輸送に大活躍する。
人口14万の小都市なのにわりと大型の車両を導入しているのはこのためである。
トラムの外見はオレンジ色。
停車するときに「キィ~」と金属音がしてうるさいところは普通の電車と同じ。
列車の内部はこうなっていて、座席や手すりもオレンジ色に塗られている。
市街地から南に下った最終駅付近のこの場所にトラムの整備工場があり、トラムがずらっと並んでいる。
ル・マン市南郊のスポーツ施設
ル・マン市のスポーツ施設は、市街地から南に5km下ったトラム最終駅の周辺に集中している。
最南端のトラム最終駅はAntarès-MMArena駅という。
バスケット用コート
Antarèsというバスケット用コートは、MSBという地元のバスケチームが本拠地にしている。
8000人を収容でき、歌手のコンサートにも使われる。雨が降っても安心。
Antarès(アンタレス)はさそり座の恒星で赤く光る。その名の通り、観客席が真っ赤に塗装されている。
サッカースタジアム
MMArenaというサッカースタジアムは、サッカークラブのル・マンFCが本拠地にしている。
同クラブでは2004年から4年間松井大輔がプレーしていた。
ちなみにMMArenaのMMAはフランスの保険会社で、10年間の命名権を購入した。
航空写真を拡大すると、MMAのロゴが見える。
歌手のコンサートにも使われるが、屋根がないので雨が降ったとき苦行となる。
困ったことにル・マン市は山に囲まれていて雨が降りやすい。
サッカーの時は収容人数25000人、コンサートの時は収容人数40000人。
サーキットと自動車博物館
ル・マンブガッティサーキットの正門はここである。
このサーキットでは二輪レースの最高峰であるMotoGPが行われる。
また、このサーキットの一部と公道を使ったサルト・サーキットで、ル・マン24時間レースが行われる。
ル・マンブガッティサーキットの正門の横のここに、自動車博物館がある。
数々の名車が展示されており、ル・マン24時間レースの歴史を体験できる。
ちなみに、ル・マン24時間レースでは公道を使ってレースするのだが、
トラム(路面電車)はその公道部分の地下をくぐっている。この場所にトンネルがある。
ル・マン24時間レースに詳しい人に通じるような言い方をすると、テルトル・ルージュを立ち上がって
長い直線ユノディエールにさしかかったところにトラムのトンネルがある、となる。
空港とスカイダイビング体験企業
ル・マンブガッティサーキットの西の隣のこの場所に、ル・マン=アルナージュ空港がある。
ル・マン24時間レースの時はこの空港に自家用機でやってくる人もいる。
またル・マン24時間レースの最中に滑走路でレース車両の点検を行うチームも多い。
この空港の中のこの場所に、ABCD'AIRという会社がある。
スカイダイビング体験の提供サービスを行っている。
同社の公式サイトによると、275ユーロ(36000円程度)でスカイダイビングを体験できる。
競馬場
この場所に競馬場がある。内周がダート、外周が芝で、日本の競馬場と同じである。
日本の藤岡佑介騎手がここで騎乗したことがある。
芝コースの競馬は、よく見る普通の競馬といった感じ。
ダートコースではなんだか凄いレースをしている。
これは繋駕速歩競走(けいがそくほきょうそう)といい、日本では全くお目にかかれないが、
フランスやイタリアやスウェーデンでは大人気である。
高齢の馬が競走に参加しやすい点、庶民に近い小金持ちが気軽に馬主になれる点が人気の理由である。
自転車競技場
この場所にVelodrome du Mansという自転車競技場がある。公式サイトはこちら。
コースにかなり傾斜がついていて、すり鉢のようである。
関連項目
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