原典
Lævateinn。破滅の枝。エッダ詩「フィヨルスヴィズの歌」に登場する。巨人族スルトの妻・シンモラが9つの鍵を掛けた鉄の箱の中に持っており、ロキがニブルヘイムの門で作り上げた。世界樹ユグドラシルの天辺に止まる鳥・ヴィゾフニルを唯一撃ち落すことが出来る。その形状は枝、杖、槍、そして剣と解釈は様々である。日本国内では剣のイメージが強い。
その意味を直訳すれば「災いの枝」となる。「Læva-」は「破滅、災厄」を意味し、「-teinn」は「枝、杖」を意味する。そしてこのケニング(単語の組み合わせによる暗喩)は剣を表していると考えられている。国内出版物での訳は以下の通り。
- 『北欧神話物語』(K.C.ホランド、山室静・米原まり子訳) - 「傷つける魔の杖」
- 『Truth In Fantasy VI 虚空の神々』(健部伸明と怪兵隊) - 「害なす魔の杖」
- 『魔法の道具屋』(Truth In Fantasy 編集部) - 「害をなす魔法の杖」
『北欧神話の世界』(アクセル・オルリック、尾崎和彦訳)ではヴィゾフニルを撃ち落す用途から投槍であると解釈している。
レーヴァテインを取り上げている日本語の書籍では、それぞれレーヴァテインは、スルトの剣、またはフレイの剣と同一視されることがある。
前者は、ラグナロクでスルトは太陽のように光り輝く剣を手にしており、妻のシンモラがレーヴァテインを保管していることからレーヴァテインがその光る剣ではないかとする説。
後者は、フレイの妻である巨人族のゲルズが実はスルトの妹であり、そしてフレイの幼なじみ・スキールニルがフィヨルスヴィズの主人公スヴィプダーグと同一 人物であるという説から来る。スキールニルはフレイに代わってゲルズに求婚した際にフレイから褒美としてひとりでに戦う剣を授かっている。(このためにフレイはラグナロクにおいて鹿の角でスルトと戦うこととなり、敗北する。)これがスルトに渡ったのではないかとする説。
どちらの説も、それを明確に裏付ける資料は見つかっていない。
日本での扱い
特に日本ではレーヴァテインをラグナロクでスルトが使う剣と同一視する傾向が強い。また、スルトがラグナロクで放った火は世界中を焼き払うことから、レーヴァテインが絶大な威力を誇る剣として扱われる作品もある。
多くの作品にレーヴァテインを由来とする武器が登場している。
東方紅魔郷でのレーヴァテイン
フランドール・スカーレットのスペルカード。禁忌「レーヴァテイン」。巨大な炎を放つ枝状の剣として描写されている。初見殺しとして有名だが一度わかってしまえば消化スペルと化す。一周終わる前に獲得できる。むしろその前の通常弾幕のほうが危ない。
フルメタル・パニック!でのレーヴァテイン
ARX-8 レーバテイン。作者自身が考えてしまった「ぼくのかんがえたさいきょうのあーむ・すれいぶ」。まさに厨スペックである。
・・・と、いうのはあくまであとがきで作者がネタで言ったモノであり、作中のレーバテインは「エネルギー消費が激しく、連続稼働時間が30時間程度(アーバレストは100時間以上)」「ECSが使用できない」「電子兵装は脆弱」などという弱点も持ち、圧倒的な戦力を持ちながらもアンバランスな機体性能となっている。
関連項目
- 4
- 0pt