ロアナプラとは、漫画「BLACK LAGOON」に登場する架空の都市である。
概要
曰く、「世界中の悪という悪が集まった場所」。
タイ南部の港湾都市で、漢字では「路南浦」と表記される。
かつては寂れた港町で、植民地時代にはフランス租界(外国人居留地)があった。サンカンパレスホテルなど、当時の建物が現存している。
モデルは1969年当時の旧南ベトナム・サイゴン(現ホーチミン市)と思われる。
現在は複数の犯罪組織により共同で実効支配されている「悪徳の街」。警察を始めとする司法組織すら買収されており、ぽっと出の余所者がちょっかいをかける事を決して許さない。
ロシアンマフィア「ホテル・モスクワ」、香港系マフィア「三合会(トライアド)」、イタリア系マフィア「コーサ・ノストラ」、コロンビアマフィア「マニサレラ・カルテル」らによる「黄金夜会」により、危うい均衡が保たれている。
勢力/組織
ラグーン商会
ダッチが代表を務める「運び屋」。魚雷艇のドック倉庫とは別に市内に事務所を開設し、普段はそこで仕事が来るのを待っている。
金さえ惜しまなければ、運ぶブツがどのようなものであれ希望先にお届け、確実に依頼主のオーダーに応える。一方で商売敵も多く、仕事の最中に襲撃を受ける事もしばしば。
基本的に『ホテル・モスクワ』や『三合会』とは友好関係にあるが、引き受けた依頼によっては一転して敵となる事もある。
ホテル・モスクワ
ロシアンマフィア。大頭目(スレヴィニン)以下、世界中に支部を持つ巨大犯罪組織で、ロアナプラにあるのはタイ支部になる。「黄金夜会」における一大勢力であり、総火力は最大と目される。
フロント企業はサータナム・ストリートに事務所を構える「ブーゲンビリア貿易」で、バラライカが社長を務める。
もちろん貿易会社というのは表向きの話で、裏では企業への恐喝、密輸、売春の斡旋、ポルノビデオの撮影・販売など多岐に渡って稼いでいる。ただし人手が足らないのか、ビデオチェックに社長本人が死んだ目で退屈そうに当たっていた事もあった。「バイト雇えば良かったわ」とのこと。
来日していたレヴィに愛銃を届ける際、在日米軍基地の物資部を利用しており、この事からも広く顔が利く事が解る。
三合会(トライアド)
香港系マフィア。さかのぼれば清代からの歴史を持つ巨大犯罪組織で、秘密結社としての色合いも持つ。かつてロアナプラを舞台に『ホテル・モスクワ』と全面抗争をしたが痛み分けに終わり、現在では「双方の利益の為に」協調姿勢を取っている。
フロント企業は「熱河電影公司(イツホウディンインゴンシ)」で、社長は張。なお会社の正式名称が出たのは小説版。表向きはケーブルテレビ放送の配給を行っており、芸能関係の仕事についてはバンコクで行っている。
武器や麻薬の密売を始めとした重犯罪を取り仕切っているが、許可なく密売に手を染めていた男から偶然米軍に対するテロ計画書を入手。計画を立案していたヒズボラに「適正価格で」売りつけようとしたが決裂し、抗争が勃発する。その結果事務所が襲撃され、「ヨルダン辺りまで」きれいさっぱり吹き飛んだ。
コーサ・ノストラ
かつてトップだったヴェロッキオは「ヘンゼルとグレーテル」を使ってバラライカ暗殺を謀ったが制御に失敗、裏切りにあって部下ともども惨殺されてしまった。
現在は後任にロニー・ザ・ジョーズ、カモッラ(ナポリの犯罪組織)からトマーゾを迎え、二つの組織の連携によって版図の拡大を狙っている。
マニサレラ・カルテル
本部はFARC(コロンビア革命軍)と提携するなど地盤はかなり強固なのだが、ロアナプラでは相手が悪く、勢力としてはやや下に留まっている。支部を任されるのはアブレーゴだが、過去にバラライカに痛い目に合わされたらしく、彼女の事を恐れている。
更にアニメ版ではラブレス家からガルシアを誘拐したカルテルと同一であると改変され、ロベルタばかりでなく「ホテル・モスクワ」からフルボッコにされる不幸に見舞われている。
復讐に燃えるロベルタがロアナプラを再訪した後、アブレーゴはFARCの意向を受けた本部の指令に基づき、賞金がかけられたロベルタの首を持ちかえる事、邪魔する場合は誰であろうと容赦しない事を宣言、啖呵を切ってみせる。しかし結局はロベルタ、FARC、NSAの「戦争」に介入する暇すらなく、進退窮まった事で、彼を見限った部下のグスターボによって射殺されたとみられる。
リップオフ教会
別名「暴力教会」。ロアナプラで唯一武器の売買と手配を許された組織。これでもヴァチカンに正式認可を受けた、立派な教会である。元締はシスター・ヨランダ。
三合会による認可を受けている裏で、独自の販売ルートを開拓。ひそかに麻薬の密売などを手掛けるなど、抜け目がない。またCIAやNSAなど複数の組織と繋がりを持っており、CIAエージェントであるエダが普段はシスターとして振る舞っている。
イエロー・フラッグ
危険地帯にありながら唯一の「中立地帯」の酒場。1階が酒場で、2階が娼館。
店主のバオは元ベトコンで、1978年に仲間と共に店を開いて脱走兵を匿っていたが、気がつけば犯罪者達の集会場になってしまっていた。
客はアウトロー連中で、日常的に暴力沙汰が絶えない。ドンパチに巻き込まれる事もしばしばで、一般人はまず近づかない。
今まで半壊が15回、全壊が6回という悲劇に見舞われており(そのうち何回かはラグーン商会がらみ)、カウンターは防弾加工が施されてショットガンが隠されていたりする。
過去にブチ切れたバオにより「銃持ち込み禁止」が通達されたが、その日の午後に丸腰の客を狙った強盗が乗り込んできて大惨事に。翌日、標的になった者達が逆恨みで乗り込んできたという。
ロアナプラ警察
署長はワトサップ。司法組織なのだがとうに買収されており、警察としての機能は果たしていない。賞金のかかった人狩りに参加するなど、そこらのチンピラと変わらない。
白昼堂々、街中で銃を抜いたレヴィに対して「見えない所でやってくれ」と言い放ち、民間人からの通報があった手前逮捕・収監するに留めている。
ただし、身内が害された場合には一転して容赦がなくなることから、悪党たちの間で不用意に警察に逆らうことはタブーとされている。また、「腐っていない」本庁や他署の介入を恐れている。
この他にも民間軍事会社、ネオナチ、フリーの殺し屋、殺人代行組合、ヒズボラ、アメリカ系マフィア、情報屋、逃がし屋、海賊など、様々なアウトローが登場。
「暴力には暴力で」という唯一の信条に基づき、今日も何処かで何かが起きている。ゴッサムシティがまともに見えてくるほどのレベルである。
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関連項目
- BLACK LAGOON
- コメントがロアナプラ
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- 北九州市(日本で最も治安の崩壊した政令指定都市)
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