ロイヤル・サンフォード(Royal Sanford)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。
CV.阪脩(石黒監督版OVA)、柴田秀勝(Die Neue These)
概要
自由惑星同盟の文民、政治家。最高評議会議長。
石黒監督版OVAでは恰幅の良い白髪の人物として、「Die Neue These」では細身で老獪な風の人物としてそれぞれデザインされている。
万事に先例尊重主義をとる調整役タイプの政客であるとされ、宇宙暦796年当時すでに老齢といわれる域に達していたが、議長としては影が薄いことに定評があった。
最高評議会議長として
宇宙暦796年8月当時、自由惑星同盟の最高評議会議長として、同盟元首にして最高行政官の地位にあった人物。政権末期の評議員としては、国防委員長ヨブ・トリューニヒト、財政委員長ジョアン・レベロ、人的資源委員長ホワン・ルイ、情報交通委員長コーネリア・ウィンザーなどがいた。
ウィンザー情報交通委員長にいわく「政界の力学がもたらす低級なゲームのすえ、漁夫の利をえた」人物であるとされるように、サンフォードは政争の渦中から、まさしく”誰からもえらばれなかった”ために最高評議会議長の地位についた人物だったようである。ウィンザー夫人からはその職務態度を「無感動に、鈍重に」と酷評されるなど積極性は皆無で、アスターテ会戦の戦没者慰霊祭で演説した際も、「官僚の作成した原稿を無感動に棒読みし」ただけで、実際には次代の指導者として期待を受けるトリューニヒト国防委員長の独擅場となっていた。
このように、指導者としてはとかく精彩を欠いており、彼の政権はけして民衆に積極的に支持されたものとは言えなかった。長く続く帝国との戦争の負担が社会経済上の停滞として現出していただけでなく、宇宙暦796年なかごろには贈収賄事件により情報交通委員長が失脚する(後任としてウィンザー夫人が同年7月末に就任)ような政権スキャンダルも生じていた。軍事的にも疲弊して国力は下落の一途をたどりつつあり、同年初頭のアスターテ会戦においては約150万人の戦死者という大打撃も被っている。
こうした状況を受けたサンフォード政権の支持率は31.9%、不支持率は56.2%であり、翌797年早々に予定されている選挙では、和平派と最強硬派という両翼からの挟撃によって過半数を割ることが明確となりつつあった。帝国領への出兵案が討議されることとなっていた8月6日の最高評議会において、サンフォードはこの問題を持ち出したうえで、100日以内に画期的な軍事上の勝利を得ることで、支持率は最低でも15%上昇する、という予測結果を披露。これを聞いた最高評議会の面々は、一部評議員の反対を押し切って出兵案を可決した。
しかし実際に帝国領侵攻作戦が開始されると、帝国軍の縦深作戦によって戦果のないまま補給負担ばかりが増大するありさまとなり、最高評議会でも撤兵案が紛糾、否決される。そして10月に発生した帝国軍の攻勢において同盟軍は歴史的大敗を喫したことで、サンフォードも他の評議員全員とともに最高評議会議長を辞職した。後任は、出兵に反対したことから慰留され、暫定政権首班を兼任することとなったヨブ・トリューニヒト国防委員長であった。
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関連項目
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