ロックマン8 メタルヒーローズとは、カプコンから発売されたロックマンシリーズ本編の8作目である。
プレイステーションとセガサターンで発売され、後者には追加要素が含まれている。
概要
32ビット機に移ったことで、グラフィック面が大幅にパワーアップ、ロックマン含むキャラクター達に声優によるボイスとアニメが追加、パスワードが廃止されメモリーカードにセーブできるようになった。
「E缶」が廃止(後述)されたもののボスの強さが控えめで、特殊武器やパーツによるカスタマイズ(後述)もあるため、ゲームの進め方次第では他作品より難易度は低くなると思われる。
特徴
E缶の廃止
シリーズの『2』以降に登場してきた「E缶」が無くなり、武器選択画面での安全なライフ・武器エネルギー回復ができなくなった。
とはいえ、「ラッシュチャージャー」という、ラッシュジェットが上空から回復アイテムを一定時間ばら撒いてくれるアイテムが手に入るので、緊急時の回復手段がないわけではない。
ステージ構成の変化
『7』やワールドシリーズ同様に、前半4体のボスを倒すと後半4体のボスが現れるシステムとなっているが、前半のボスで入手した特殊武器を、後半のステージで仕掛けを解くために使用する場面が用意されている。
『ロックマンX4』等にも該当するが、1つのステージ自体に「前半」「後半」の概念が存在して、後半に進んで残機が無くなると前半からやり直しではなく、後半からコンティニューできる。また、ロックマンを1機失った(ティウン)時に、武器エネルギーが初期化(全快)して復帰地点から再スタートするようになった。
他に、ラッシュジェットに乗りエディ達が援護してくれる横シューティング面、スノーボードに乗って疾走する高速強制スクロール面など、これまでになかった構成のステージが登場した。特にスノーボード面は、その難易度の高さで多くのプレイヤーが苦戦を強いられることとなった。
ロックマンのカスタマイズ
ステージ内の様々な場所に隠されている「ネジ」(『7』と異なり、雑魚から手に入らず、取ると復活しない貴重品)を集めることで、 さまざまな効果を永続的に発揮する「パーツ」をライト研究所で作ってもらうことができ、「パーツ」を装備してロックマンを強化できる。
「パーツ」にはシリーズ既出の「エネルギーバランサー」や「EXIT」等のほか、ノックバックを防ぐもの、チャージショットが貫通するもの、武器エネルギーの消費を減らすもの、ハシゴの移動が速くなるもの、など様々な種類がある。
なお、全部の「ネジ」を集めても全てのパーツを作れるわけではないので、 考えてパーツを作成する必要がある。
登場人物
- ロックマン
CV:折笠愛
ご存じ我らが主人公。 - ラッシュ
CV:置鮎龍太郎
おなじみのサポートメカ。今回は今までとは異なり特殊武器枠ではなく使い切りアイテムとしての登場。 - Dr.ライト
CV:飯塚昭三
ロックマンの生みの親。今作ではイベントシーンとムービーのみの登場。 - ロール
CV:小西寛子
ロックマンの妹分。今作では大幅なイメチェンを遂げている。通称8ロール。 - ブルース
CV:置鮎龍太郎
ライトナンバーズのプロトタイプ。ライト同様イベントシーンとムービーのみの登場。 - デューオ
CV:小杉十郎太
宇宙に蔓延る悪のエネルギーを滅する為に戦っている「白い巨人」。宇宙空間で悪のロボット「黒い魔人」との戦いで相打ちになり地球に落下したところをロックマンにより発見され、ライトによる修理を受けた。
本編では成り行きで中間ステージで戦う事になるが、ロックマンから正義を感じ取ったことで誤解が解け、ワイリー打倒のために協力をしてくれる。 - Dr.ワイリー
CV:青野武
毎度おなじみ世界征服をたくらむジジイ。今作では地図に載っていないドクロ島で潜伏していた。
デューオとの戦いで墜落した黒い魔人の動力部から確保した悪のエネルギーを利用して生み出した、今まで以上に強力なロボット軍団を率いてロックマンに牙をむく。 - フォルテ&ゴスペル
CV:檜山修之
前作から続投したロックマンのライバルとそのサポートメカ。ロックマンへのリベンジの為悪のエネルギーを取り込んだ。
ワイリーステージ3の中ボスとしてゴスペルブースト形態で戦いを挑んでくる。
ボスキャラクター
8ボス
これまでに習い8ボスの募集が行われたが、今回はシリーズ最後の募集という事もあってか少し特殊な形式がとられた。
ワイリーが「8ボスのうち2体(テング、アストロ)は既に完成しており、 残り3体が骨格の特徴的な部分だけがある」「作りかけの状態となっているので完成させてほしい」という依頼をした、と言う形で募集され、未完成ロボを元にしたものを1体ずつ3体(ソード、クラウン、サーチ)、完全オリジナル3体(フロスト、グレネード、アクア)が採用された。
前半ボス
- DWN.057 テングマン(CV:長嶝高士):機種によって、道中のBGMが異なっている。
- DWN.060 クラウンマン(CV:坂本千夏)
- DWN.063 グレネードマン(CV:二又一成)
- DWN.062 フロストマン(CV:高木渉)
後半ボス
その他のボス
- ヤドカルゴ
OPステージのボス。秘密基地の警備用にワイリーが配置したメカ。長時間待機し続けていた影響か鳥の巣やコケがくっついている。ロックボールを当てることで露出する弱点を攻撃することでダメージを与えられる。ステージ再挑戦後も復活する唯一のボス。 - アテテミーノ
ワイリーステージ1のボス。悪戯好きなミノムシ型メカ。ミサイルや爆弾を搭載したコンテナとアテテミーノJr.投下による複合攻撃を行う。
ロックバスターが効かずロックボール意外にダメージを与える手段がないが、破壊すると武器エネルギーを出すコンテナが投下される為『2』のブービームトラップやエイリアンの様に詰むことはない新設設計。 - ブリキング
ワイリーステージ2のボス。ワイリーが全精力を注いで製造した戦闘機だがロックマンの進撃が予想以上に早かった為未塗装の状態で緊急出撃することになった。
ラッシュジェットに乗りながらの空中戦となる。機雷ばら撒き、ミサイル、レーザーなどによる攻撃を行う。ウイングを展開したときにしかダメージを与えることが出来ない。 - グリーンデビル
ワイリーステージ3のボス。久々に登場したデビルシリーズの新型。詳細はイエローデビルの記事を参照。 - ワイリーマシーン8号
ワイリーステージ4のボス。4号以来久しぶりの飛行タイプ。デューオの攻撃によって損傷したため、ロックマンが戦うのは第2形態のみとなる。複数の攻撃パターンを持つビームリングとレーザー砲を使い分けて攻撃してくる。
撃破後はワイリーカプセルグレートとの連戦になる。様々な攻撃パターンを持ち、中には前作を彷彿とさせるサーチ弾×4のパターンも存在する。
特殊武器
弾数の右側はエナジーセイバー入手時。今作の特殊武器はロックバスターとボタンが別に振り分けられており、バスターとの併用が可能になっている。その為特殊武器によっては死角をバスターで補う、という今までにない戦法も可能。
- ロックボール…弾数20/32
足元にボールを射出する特殊武器。オープニングステージでDr.ライトからシタマエ!!贈呈される。ボールはサッカーの要領でドリブルしたり、蹴る事で攻撃に使える。ロックマンズサッカーの経験がこんなところで活きようとはだれが思っただろうか。
また、踏む事で通常よりも若干高くジャンプすることが可能。寧ろこの効果がロックボールの本命とも言うべきで、空中でタイミングよく射出し続ければ弾数の許す限り連続ジャンプが可能であり、トルネードホールドの巻き上げ効果が霞かねない程に強力な移動補助となる。 - トルネードホールド(テングマン)…弾数16/25
竜巻を発生させるユニットを射出する。竜巻は上方の敵を攻撃する以外にも敵弾を打ち消したりロックマンを上昇させることが出来る。また、特定のギミックを作動させる効果もある。
高所移動の効果はロックボールの操作に慣れていれば世話になる機会はあまりないだろう。 - アストロクラッシュ(アストロマン)…弾数4/6
流星群によって画面中の敵全てを攻撃する。前々作のケンタウロスフラッシュ以来の画面全体攻撃で、発動中はロックマンが無敵になる。
殲滅力は高いが燃費が激烈に悪くエナジーセイバーを取得しないと弱点のボスすら削り切れない。なお、取得しても弾数はレインフラッシュ、グラビティ―ホールド、ケンタウロスフラッシュには及ばないので使いどころをしっかり見極めたい。 - フレイムソード(ソードマン)…弾数32/46
銃口から発した炎を収束させて剣の要領で振るい、敵弾を打ち消しつつ攻撃する。グレネードマンステージの導火線に着火したり、サーチマンステージのトラップを破壊することもできる。
リーチの面でフラッシュボムやアローショットに後れを取っている事は否めないが、威力は高くボタン一つで瞬時に火力を発揮できるという利点はある。また、空中では縦斬りになる為バスターでは微妙に高度が足りない敵を迎撃することもできる。 - サンダークロー(クラウンマン)…弾数32/46
ロープ上に収束した高圧電流によるフックショット。一定距離まで伸びるか先端が敵に命中した時点でロックマンの元に戻る(ただし、一撃で倒せる敵は貫通する)。横並びの脆い敵はこれ一発で薙ぎ払うことが出来、それ以外の敵もジャンプとうまく併用することで複数体攻撃が可能。当て方次第ではジョー・クラシックやサイデッカといった高HPの敵も瞬殺できる。
フックに引っ掛ける事でワイヤーアクションの要領で移動する機能もあり、どちらかと言えば攻撃用途より移動用途での印象が強い武器だが先述の通りはまれば強力なダメージソースとなる。 - ホーミングスナイパー(サーチマン)…弾数32/46、連射数5
誘導ミサイルを発射する。チャージすると複数の敵をターゲット補足し、弾数を2個消費して複数初一斉発射する。
連射性能も高く、ダイブミサイルの強化版と言っても差し支えない武器。 - アイスウェーブ(フロストマン)…弾数16/25
足元に氷弾を落とし、着弾すると地形に沿って進む氷塊を発生させる。サーチスネーク同様段差移動可能で、前作のバーニングホイール同様敵撃破時は貫通するという歴代地形移動式武器のいいとこどりな性能。また、アイススラッシャーやフリーズクラッカーの様に火柱を凍らせる特殊効果も持つ。
本作の性質上、地上の敵はこれで掃討しつつ空中の敵はバスターで迎撃、という戦法も可能なため空中の敵には不向きという短所もカバーが効く。その点も含めてこの系統の武器の中では一線を画していると言えるだろう。 - フラッシュボム(グレネードマン)…弾数25/36、連射数2
敵や壁に当たると爆発する照明弾を発射する。爆発には攻撃判定以外に暗闇を照らす効果もある。
火力、燃費、範囲のバランスが良く汎用性に優れた武器で、強化版バスターのような感覚で使っていける。惜しむらくは正面固定で撃ち分けが出来ない点か。 - ウォーターバルーン(アクアマン)…弾数46/64、連射数?
緩やかな角度で落下していく水風船を発射する。異常とも言うべきレベルで連射が可能。
ラッシュ
今作では特殊武器枠ではなく、E缶などのストックアイテムの扱いとなっている。基本的に1回限りの使い捨てで、ステージをクリアするかミスするまで再使用はできない。
- ラッシュバイク
ラッシュが変形したバイク。高速移動ができ、口からは3連射可能なミサイルを発射する。EN消費制で、搭乗中は従来のラッシュジェットの様にENを消費し続けるほか、敵に当たった時はロックマンが本来受けるダメージをENを削って肩代わりする。操作感覚としてはX2のライドチェイサーに近いが、トゲの上は走れないので注意。
ボス戦でも使える為、ライドアーマーを持ち込んで戦えるマグマ―ド・ドラグーンやバンブー・パンデモニウムの様にロックマンは無傷のままラッシュのENがもつ限り敵のHPを削るという戦法も可能。 - ラッシュクエスチョン
ラッシュがランダムで何らかのアクションを起こす。性能としては前作のラッシュサーチの使いきり版で、アイテムを出すか無意味な行動を取るかの二択。
運が良ければ従来のS缶に相当する効果の弥七を出してくれることもあるが、所詮はバクチなので確実性のあるラッシュチャージャーの方が優先度は高い。 - ラッシュボンバー
ジェット形態に変形したラッシュが空中爆撃を行う。なぜシューティングステージでこれをやってくれないのか…。 - ラッシュチャージャー
ジェット形態に変形したラッシュが一定時間回復アイテムを投下し続ける。本作未登場の缶アイテムの代役。ミスれば再使用可能なので必要と感じたらケチらず使おう。 - ラッシュジェット
おなじみの飛行形態だが、今作ではテングマンステージとワイリーステージ2のシューティング面のみの登場となる。『3』同様に自由な方向に移動でき、搭乗中も武器チェンジが可能。また、消費ENの概念もない。
道中のギャンボールから回収できるプレートの絵柄に応じてサポートロボ(ライトット、エディー、ビート)が駆けつける。ラッシュの絵柄の場合はラッシュが口から3WAY弾を発射して攻撃する。
豆知識
- 次作である『ロックマン&フォルテ』は、本作がSFCからSS・PSにハードを移されたために本作をプレイできないユーザーたちへのお詫びとして作られた。
- 海外版のMEGAMANは、『8』から日本と同じタイプのロゴデザインに改められている。
- 唯一、ナンバリング作品では任天堂ハードでリリースされていなかったが、海外でのみリリースされた「メガマンアニバーサリーコレクション」のGC版にも収録されていたりする。後に「ロックマンクラシックスコレクション2」のニンテンドースイッチ版がリリースされた事により、日本国内でも『ロックマン8』が任天堂のゲーム機に登場する事となり、これでナンバリングタイトルは全てロックマン11まで揃った。
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関連項目
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