ロトとは、ビデオゲームシリーズ「ドラゴンクエスト」に登場する勇者の名前・称号・血筋である。
第1作「ドラゴンクエスト」
第1作であるファミリーコンピュータのRPG「ドラゴンクエスト」で、主人公の祖先である伝説の勇者の名前として初登場する。
ロトによるメッセージや、ロトが遺した武具「ロトのつるぎ」と「ロトのよろい」、ロトの子孫の証となる「ロトのしるし」などが、物語の重要なキーとして登場する。
第2作「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」
第2作「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」では、主人公3名(ローレシアの王子、サマルトリアの王子、ムーンブルクの王女)は第1作の主人公の子孫であり、すなわちロトの子孫でもある。
第1作に引き続いて登場する「ロトのつるぎ」、「ロトのよろい」に加えて、「ロトのたて」、「ロトのかぶと」も新たに登場する(ただし「ロトのかぶと」は、第1作の時には「ロトのよろい」に含まれていただけとも言われる)。
この第2作の作中では、かつて勇者ロトと何らかの約束を果たしたという「大地の精霊ルビス」という女性が登場し、主人公たちをロトの子孫たちと見抜いて「ルビスのまもり」というアイテムを渡す。
第3作「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」
第3作「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」では、前2作で称えられていた「ロト」本人の、勇者としての活躍が描かれる。
彼/彼女(このゲームは主人公の性別が選べる)の最終装備である「おうじゃのけん」「ひかりのよろい」「ゆうしゃのたて」が、後の「ロトのつるぎ」「ロトのよろい」「ロトのたて」となったのだろう、と考察されることが多い。
ちなみに、この第3作目の「ロト」がその名で呼ばれるのは最後の場面であり、その時の台詞はこうある。
つまり、この第3作の主人公、第1作および第2作の主人公の先祖である「ロトの勇者」も、「初めてロトと呼ばれた勇者」ではなかったことがわかる。
では「初めてロトと呼ばれた勇者」についての情報はと言うと、以下の第11作で触れられるまで長期間にわたってゲーム作品内で語られておらず、詳細は不明であった(下記の小説作品では「最初の勇者ロト」について語られているものの、公式設定かどうかに疑問符が付いていた)。
なお、この第3作にも精霊ルビスが登場し「アレフガルドの大地の創造者」であることが明かされる。
第11作「ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて」
命の大樹に勇者のつるぎを収めに行くと、大樹の正体である聖竜が姿を見せる。そして主人公こそがロトゼタシアを救った勇者、すなわちロトの勇者であることを認め、その活躍が後世に語り継がれるだろうと述べるのだった。また、いつか遠い未来で自分が闇に染まったら再び過ぎ去りし時を求め新たな勇者が世界を救うだろうとも。
更に時は流れ、Ⅺの冒険が記された本を片付けたとある女性は息子を起こしに向かう。
そう。ⅪはⅢより更に前、ついでに同じ世界の物語と推察できる。
結論として、少なくとも2017年時点ではⅪの主人公こそが最初のロトの勇者として定義づけられていると言えるだろう。
ドラゴンクエスト 精霊ルビス伝説
1990年3月にエニックスより出版された、久美沙織による小説作品。内容は殆どオリジナルでありドラゴンクエスト本編とほぼ関係ない。
本作ではタイトル通り精霊ルビスが主人公として登場するが、さらにもう一人の主要人物として、精霊ルビスと深い仲となる男性が登場する。そして作中で、彼の真の名は「ロト」である事が明かされる。少なくともこの小説の設定では、この人物こそが「最初の勇者ロト」ということになっていた。
「ドラゴンクエスト3よりさらに前の時代の話」として正史扱いだったらしい、という話がネット上で語られていたこともあるが、真偽不明である。しかし上記の第11作で「最初のロトの勇者」については解決した。よって第11作発表後の現在においては、この小説での設定はゲームとはつながらない小説オリジナル設定であるとほぼ確定したと見なしてよいと思われる。
ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章
1991年からエニックスの漫画雑誌「少年ガンガン」にて連載された漫画作品。タイトルにもあるように、ロトの血を引く勇者の物語である。
ドラゴンクエスト3より後、ドラゴンクエスト1より前の時代を描いているようで、この場合の「勇者ロト」とはドラゴンクエスト3の主人公の事を指す。この漫画の中ではドラゴンクエスト3の主人公は男性として描写されている。
2004年からは「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 ~紋章を継ぐ者達へ~」という続編もヤングガンガンにて連載されており、「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」に登場したロトの子孫らの子供たち世代が登場する。
「ロトの紋章」および続編「~紋章を継ぐ者達へ~」は、「悪に染まったロトの一族」が登場する珍しい作品でもあった。しかし、2016年に発売された「ドラゴンクエストビルダーズ」にて他にも闇落ちしたロトの子孫が登場した(後述)。
ドラゴンクエストビルダーズ
ドラゴンクエスト(第1作)のif展開を描いた、外伝作品。
本作にもドラゴンクエスト(第1作)の主人公に相当するロトの子孫、すなわち勇者だった者が登場するのだが、竜王の甘言に乗ってしまったために「やみのせんし」と呼ばれる無残な存在に成り果てている。
また本作の主人公も、勇者ロトの血筋とは遠い親戚にあたるということになっている。
英語版では
「ドラゴンクエスト」シリーズの英語ローカライズ版「Dragon Warrior」シリーズでは、「ロト」の称号は「Erdrick」と変更されている。
各装備の名もすべてその形に変更されており、例えば「ロトのつるぎ」は「Sword Of Erdrick」あるいは「Erdrick's sword」といった具合となる。第11作でロトの名の由来となった地名「ロトゼタシア」も、英語版においては「Erdrea」に変更されており「Erdrick」に繋がるものとして矛盾しない地名になっている。
旧約聖書に登場する人物ロト(英語表記はLot)を想起させることを防ぐための、宗教的配慮であろうと言われている。他にも英語版では教会の十字架が削除されたりしているという。
なお他にも多数変更された固有名詞があり、ロトに限って名称を変更された、というわけではない。
ちなみに例外として、ゲームボーイカラー版の「Dragon Warrior I & II(日本で言うドラゴンクエストI・II)」と「Dragon Warrior III(同じくドラゴンクエストIII)」では多数の固有名詞が日本語版に則したかたちに修正されたため、この2作でのみ「Loto」と表記されている。
その他
ニンテンドー3DS版「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」では剣、「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」、「ドラゴンクエストX」では剣、兜、盾、鎧が登場し、IXでは「ロトの武具を集めよ」というクエストが存在する。
伝説の勇者が 「大乱闘」に あらわれた!
2019年6月12に配信された「ニンテンドーダイレクト E3 2019」にて、Nintendo Switch用ソフト「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」に「勇者」名義でドラゴンクエストⅪの主人公が参戦することが発表された。それに伴い、カラーバリエーションとしてドラゴンクエストⅢの主人公も参戦が決定した。(ここでは『Ⅲ』勇者のみ解説する)
使用する武器は「おうじゃのつるぎ」と「ゆうしゃのたて」であり、『Ⅺ』勇者の装備と似ているが、ちゃんと原典通りのデザインとなっている。カラーバリエーションは『Ⅴ』主人公風のカラーとなっている。
声優は檜山修之氏に決定。勇者王が勇者をやるのか…なお檜山氏は「スマブラ64・DX」で時オカリンクの声を演じていたため、およそ18年ぶりにスマブラに戻ってきたことになる。
『Ⅰ』『Ⅱ』の主人公も最後の切りふだで出番がある。魔力がないのにミナデインしてる人がいまーす!また、『Ⅰ』勇者の防具は「ロト装備」名義でMiiファイターの追加コスチュームが制作されている。
カラーバリエーションで『Ⅲ』主人公が選ばれた理由として「『Ⅺ』主人公のモーションを流用できるロトシリーズの勇者」という条件を満たしているためとされている(同じロトシリーズの『Ⅱ』主人公(ローレシアの王子)は勇者ではあるものの呪文が一切使えないため、『Ⅰ』主人公は初代の主人公ではあるが、様々な事象を鑑みると『Ⅲ』の主人公が『ドラクエシリーズを代表する主人公』であるため、落選したと思われる)。
性能などの詳細は「主人公(ドラゴンクエストⅪ)」を参照。
関連コミュニティ
関連項目
- ドラゴンクエスト
- ドラゴンクエストのキャラクター一覧
- ドラゴンクエスト関連用語の一覧
- ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章
- ロトのたて
- 勇者
- ロト(曖昧さ回避)
- 久美沙織
- 大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
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