ワイルドアームズ アドヴァンスドサード(WILD ARMS Advanced 3rd)とは、メディア・ビジョンが開発しソニー・コンピュータエンタテインメントが2002年3月14日に発売したプレイステーション2用ロールプレイングゲームである。
概要
ワイルドアームズシリーズ第三弾。
「ワイルドアームズ3」もしくは「WA3」と表記されることもある。
タグ検索「ワイルドアームズ3」または「WA3」を含む動画
プレイステーション2でのシリーズ初作品。
ハード移行により、ポリゴンによるグラフィック表現や、テキストに振り仮名(ルビ)が振られるなど、PS作品より様々な面に改良が加えられている。
バトルでは戦闘中にキャラクターが走り回り臨場感を演出する「クロスファイアーシークエンス」システムが採用された。
また、今作からキャラクターデザインを大峽和歌子が担当し、以後『WA4』までキャラクターデザインを担当することになる。
歴代シリーズの中でも特にウエスタン色が濃い作品であり、「口笛と荒野」の要素が強い。
また、「渡り鳥」というキーワードも強調されており、主人公パーティ四名は皆渡り鳥である。
ファンタジー色の濃かった前作と比べ、ワイルドアームズシリーズならではの要素が強調された作品といえる。
ストーリー
水無き砂の海「デューン」と荒野が広がる星、ファルガイア。
荒野と砂漠は僅かな緑さえ蝕み、世界は枯れ果て死にゆこうとしていた。
そんなファルガイアを旅する者たちがいる。
ファルガイアの各地を放浪し、一所に留まることのないアウトローの存在。
人々は彼らを「渡り鳥」と呼んだ。
嵐の夜、一人の少女が渡り鳥として羽ばたき始めた。
少女が胸に抱くのは、渡り鳥に対する理想。しかし現実は少女を容赦なく打ちのめしていく。
渡り鳥に善も悪もなく、弱い者は正義を語れない。荒野には弱肉強食の世界が広がっていた。
それでも少女は荒野に正義を貫く。雛鳥の羽ばたきは力強さを増し、その信念は荒野駆ける翼となる。
主な登場人物
四人の“渡り鳥”
- ヴァージニア・マックスウェル
- 18歳。ブーツヒル出身の渡り鳥。
ワイルドアームズシリーズ初の女性主人公。ブーツヒルを亜人種が襲撃した事件を切っ掛けに、渡り鳥となる。
正義感が強く「渡り鳥」に対する憧れを抱いていたが、荒野の掟という現実に突き当たり苦悩する。
二挺拳銃の扱いは渡り鳥であった父から教えられたもの。彼女が荒野を目指したのは10年前に母と自分を置いて失踪した父の思いを知るためでもある。
攻撃力は低いが反応(素早さ)と魔力が高く、固有フォースアビリティ「ミスティック」によるアイテムでのサポートが得意。
CV:浅野真澄 - 「――それでも…わたしは、羽ばたかなきゃいけないんだ…」
- ジェット・エンデューロ
- 年齢不詳。出身不明の渡り鳥。
トレジャーハント(財宝発掘)を専門とする、渡り鳥の少年。日々の糧のためなら危険や法を犯すことも厭わないアウトロー。
荒野を一人で渡ってきたためシビアな面があり、口が悪く、馴れ合いを好まない一匹狼的な性格。
過去の『想い出』を持たないが、本人は気にしていない。『想い出』を大事にするヴァージニアと時々衝突する。
攻撃力と反応は高めだが、魔力と抵抗(魔法防御)がとても低い。シリーズ定番アビリティ「アクセラレイター」の使い手。
CV:石田彰 - 「わかんねぇな…俺には後生大事に抱えていくような想い出なんてモノはないからな」
- クライヴ・ウィンスレット
- 30歳。ハンフリースピーク出身の渡り鳥。
バウンティハンター(賞金稼ぎ)の渡り鳥。本業は学者であり、ファルガイア荒野化の原因を探っていた。
理知的な性格で、豊富な知識・経験から来る冷静な判断力を持ち、プロ意識が高い。普段は穏やかだが、実は毒舌。
キャスリンという妻とケイトリンという娘がいる。キャスリンはかつての師の娘である。
高い攻撃力を持つパーティのアタッカー。反面、反応は低い。フォースアビリティ「ロックオンスナイプ」による必中ダメージが頼もしい。
CV:井上和彦 - 「仕事で引き受けたものを途中で投げ出すなんてカッコ悪いこと、僕のプライドが許してくれないんですよ」
- ギャロウズ・キャラダイン
- 24歳。バスカーコロニー出身の渡り鳥。
守護獣(ガーディアン)を信仰するバスカーの民で神官の血筋だったが、窮屈な生活を強いられる己の境遇に嫌気が差して里を飛び出した。
明るく楽天的なムードメーカー。綺麗な女性に目がない(ヴァージニア曰く「ダメ成人(オトナ)」)。
作中パーティ分解の危機が幾度か訪れる中、唯一パーティを離脱しようとしなかった漢。
外見相応の高い体力と外見に似合わぬ高い魔力を併せ持つ肉体派魔法使い。「エクステンション」によるアルカナの範囲拡大は攻守の要。
CV:石川英郎 - 「――くそッ!誰かの敷いたレールに乗ってしか…運命に縛られて生きるしかないのかッ!」
ライバル渡り鳥
- ジェイナス・カスケード
- 23歳。渡り鳥チーム“カスケード興産”のリーダー。
名を良く知られた凄腕渡り鳥。非道徳的な手段を平気でとるなど、悪名高い。
ヴァージニアらと度々対立し、ヴァージニアに弱肉強食の荒野の掟を突きつける。
扱いが難しい銃剣・バイアネットを軽々と扱う戦闘能力を持つ。後に魔族化の能力を身につけることに。
CV:関俊彦 - マヤ・シュレディンガー
- 21歳。渡り鳥チーム“シュレディンガー一家”のリーダー。
一流の渡り鳥であり、「自分を輝かせるための宝石を見つけ出す」という確固たる信念を持って荒野を渡る女傑。
理想ばかりが先行するヴァージニアを甘いと断じる。しかし時には協力することもあり、ライバル的なポジション。
驚異的な精神力を持ちあらゆるARMを使いこなす他、本という媒体から情報を取り込むことで強烈な思い込みによりその本の登場人物になりきり、その人物の能力を使いこなすことが出来るという非常識にも程がある異能力を持つ。
CV:麻生かほ里
預言者
- リヒャルト・アルカエスト
- 年齢不詳。魔族のデータベース“ヒアデス”より智慧を引き出し行使する、カミの言葉を預かりし者“預言者”のリーダー的存在。
ファルガイアを侵略した魔族の復活と、ナノマシンによるファルガイアの魔族化(テラフォーミング)を目論む。
かつてはウェルナーの同士であったが、全てにおいて自分の上を行くウェルナーにコンプレックスを感じていた。
CV:立木文彦 - アースガルズ
- 年齢不詳。預言者の一人・ミレディによって造り出されたゴーレム「神々の砦」。
主の危機にオートガードが発動するなど、預言者らを守るための高い防御能力が備えられている。
高い学習能力を持ち、戦闘データ(想い出)の累積により感情を得た。武人的な性格。
その他の人々
- ウェルナー・マックスウェル
- 48歳(失踪時)。ヴァージニアの父。科学者兼渡り鳥。
幼いヴァージニアに二挺拳銃の手ほどきをし、ジェットに荒野を渡る術を教えた。
10年前に失踪して以降行方はようとして知れず、ヴァージニアが旅立つ理由の一つになった。
CV:政宗一成 - シェーン・キャラダイン
- 17歳。バスカーの里で暮らす、ギャロウズの弟。
一見女の子にも見える中性的な少年。とても可愛い。ギャロウズとはびっくりするほど似ていない。
守護獣の力を解放する『柱』の資質を備える。前作のティムとの共通点が多い。 - 花園の少女
- 年齢不詳。秘密の花園で暮らす謎の少女。
ガーデニングでヒールベリーなどの回復アイテムを育ててくれる。
ファルガイアに残る最後のエルゥ・マリエルではないかと思われるが詳細は不明。 - アーメンガード
- 年齢不詳。ブーツヒルで暮らす少女。
365日の妙ちくりんなでっちあげ記念日を日替わりで語ってくれる。
彼女と同名のそっくりさんが『WA:F』と『WA4』にも登場する。
小ネタ
- オープニングムービーや中断ムービー中にセレクトボタンを押すことで歌詞を表示できる。
- 歴代魔法使いキャラの好物はヤキソバだが、今作の魔法使いキャラであるギャロウズの好物はカレー。これは今作での魔法は「アルカナ」であり、前作までの「クレストソーサー」ではないため。
- 作中で主人公たちが乗ることが出来る馬にはちゃんと名前がついている。ヴァージニアの馬は「クイックシルバー」、ジェットの馬は「馬」、クライヴの馬は「マクシミリアン」、ギャロウズの馬は「ららみぃ」。…もう少しこだわってやれ、ジェット。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
ワイルドアームズシリーズ |
---|
WA1 - WA2 - WA3 - WA:F - WA4 - WA5 - WAXF |
- 2
- 0pt