ワギャンパラダイスとは、ファミリーコンピュータから続くワギャンシリーズの第6作品である。
1994年12月16日、スーパーファミコン用ソフトとして登場した。
概要
これまでのワギャンシリーズから、デザインや設定を一新した作品。
とはいえ、内容としては初期のワギャンが活躍した数世代後の作品となっており、世界観の基礎は同じ。
こどもワギャンである「タクト」と「カリン」が、世界の異変の謎に挑むというストーリー。
デザインが全体的に丸みを帯びた、そしてよりデフォルメされたものに変わったことや、収録ミニゲームの一新されたことが大きな変更点としてあげられる。
それまでのワギャンシリーズに収録されていた超有名ミニゲーム、「しりとり」が外されたことなどが影響してか、ワギャンファンからの評価が特に分かれる異色作である。
アクションパートも、「一度でも食らったらアウト」という伝統は相変わらず引き継がれているが、難易度は全体的にやさしめに調整されている。
といってもそれはあくまでもワギャン的な意味であって、普通に考えれば相変わらずのオワタ式ゲームなので、決して気の抜けないゲームという感じはそのままではある。
特に、これまでも採用されてきた「音波砲を使用しない移動のみのステージ」は今回も一筋縄ではいかないステージが多く、しかもバリエーションが豊かである。
例えば冒険家ライティに乗って進む空中ステージは、敵に当たるよりも壁に当たって死ぬほうが多かったのではないだろうか?
ちなみに、本作品ではワギャンという種族の過去が少しだけ明らかになる(もっとも、これが従来のワギャンの設定にも反映されているかは微妙だが)。
スーパーワギャンランド2などと同じく2P対戦モードがあり、すごろく形式のバトルミニゲーム対決方式となっている。
このゲームが発売されたのは、スーパーファミコン時代の終焉が始まる少し前くらいのことであり、知名度はワギャンシリーズ中では低めな部類である。
ワギャンシリーズ自体がマンネリ化していたことも関係していた(それ故の大改装でもある)が、本作を持ってワギャンシリーズは長い休眠期間に入ることとなる。
バーチャルコンソールなどではまだ配信されていないため、実機でプレイする他ない。
ワギャンパラダイスの仕様
- ワギャナイザーを最大まで集めても無敵にならない。無敵アイテムは別に存在。
- ジャンプボタンを押し続けることで尻尾をパタパタとさせ、ほんの少しだけジャンプの飛距離を伸ばせる。
- パスワードが簡略化され、4文字のひらがなのみ、とわかりやすくなった。
- ステージ選択は廃止。
- 水中面を追加、あのワギャンが水を泳ぐ。
- 星形のアイテムがステージにちらばっており、100個集めるとステージクリア後ボーナスゲームが始まる。
ワギャンパラダイスならではの新要素
年齢設定で難易度が変化
かんたん、ふつうの2種類の難易度の他に、今回は年齢別の難易度調整も施されている。
3歳から99歳まで設定でき、おおむね13~39歳が高難易度になる。
ただし、これは主にボス戦の難易度が変わるだけで、かつての「ワギャンランド」シリーズの「KAMISAMAモード」のように、ステージ自体が目に見えて鬼畜になる訳ではない。
しかしミニゲームの難易度があがる=それなりの知能が求められるため、勉強が死ぬほど苦手なプレイヤーには地味に厄介であった。楽に楽しみたければ初期設定の3歳+かんたんモードでプレイしよう。
二種類のワギャンが登場
タクト、カリンのワギャン兄妹2名がプレイキャラとして設定された。男女関係なくプレイ出来るようにした新要素だが、実はこの2体には少しだけ能力差がある。
おおまかに言うと、従来のワギャンの外見をしたタクトは、足は早いが滑りやすく、女ワギャンであるカリンは、足の速さこそ普通だが音波砲で敵を硬直させられる時間が伸びている、という仕様。
ぶっちゃけカリンは女の子向けというより初心者向け。つまり当時の男の子達は、馴染み深い外見+自分と同じ性別のタクトを選んだことで、知らないうちにちょいハードモードに片足を突っ込んでいたことになる。
ボスとのミニゲームが一新
これまでボス戦で採用されてきたミニゲームは全て撤廃され、知育的なものを意識したミニゲームに全変更となった。前述のように人気ミニゲームである「しりとり」が撤廃されたことや、ボスと競い合うという方向性でなくなったことは、ワギャンのファンの間でかなり物議を醸した。
といっても、これらのゲームの一部はこれまでのシリーズのミニゲームを意識しつつ変えたものも多い。
- パネルサーチ
「○モ○」など、歯抜けとなって表示されている単語を見て、歯抜け部分を埋める答えとなるパネルを選ぶゲーム。実はしりとりの系譜を持っており、お馴染みの裏読み問題も出題される。歯抜け部分は徐々に埋められていくが、答えがわかるまで待っていると残り時間を大きく消費してしまう。 - おなじえどのえ
中央の絵と同じ絵を当てる。答えの候補の絵はその方向がむちゃくちゃであり、頭を使って答えを導き出さなければならなくなる。反転かと思いきや微妙に違う絵などもあり、かなりややこしい。 - かいてんクイズ
むしメガネで拡大され、回転しているイラストの答えを選択し当てるゲーム。モザイクあての知育ゲーム版であるが、かつてのスーパーワギャンランドのような珍奇かつ理不尽な答えは出てこない。 - ことばパズル
バラバラに配置された言葉の順番を入れ替えて正しい単語にするゲーム。例えば「ーテシィグュン」という問題があったら、それらを入れ替えて「シューティング」と直すとクリアになる。 - がったいパズル
真ん中の欠けた図形に対応する図形を選んではめ込んでいくゲーム。答えは真ん中の図形の周囲を回転しており、答えだと思うものが上に来たらボタンを押す。答えていけばいくほど回転するスピードがあがるので、判断力が問われる。 - さんすうクイズ
すうじあてに計算の要素を加えたもの。出される問題を計算して答えの数字を探すゲーム。計算力に自信のないプレイヤーにとっては難儀なミニゲームだったことだろう。 - どれみサーチ
緑(ド)、黄(レ)、赤(ミ)の光る順番を覚えて、その順番通りにY・B・Aボタンを押していく暗記ゲーム。一番簡単ではあるが例題は1回しか出ないうえ、難易度が高くなってくると覚える数も増えてくるので難しくなる。
また、今回はクリア成績に応じて、上記にも記したステージ上でも手に入る星アイテムが寄与され、100個を超えるとボーナスゲームが始まる。このゲームは2P対戦プレイでも登場する。
これはワギャンの残機を増やすための新要素であり、自分でやりたいボーナスゲームを選ぶことが可能。ミニゲームに自信がなければ1アップだけして終わりということも可能。ちなみに隠しミニゲームも存在する。
- つるつるダーツ
簡単に言えば氷上のチキンレース。パワーを溜めてワギャンを滑らせ、アウトとなる滝に近いところで止まれば止まるほど高得点を得られるゲーム。成績によって獲得残機数が変化。一定数稼げなければ当然ゼロ。 - スキッドレース
玉乗りをしたワギャンをゴールまで誘導していくゲーム。玉乗りをしているが、ワギャンはが玉から落ちることはない。が、操作には当然癖が伴うのでそう簡単にクリアは出来ない。坂道などを下るときの緊張感はなかなかのもの。ステージ中に配置された残機マークに触れることで獲得ワギャン数を増やすことが出来る。コース選択も可能で、難しいステージであればあるほど配置残機も増える。残機は基本崖際などいやらしい位置にあるので、結構取りにくい。2P対戦では下記のスキッドバトルとなる。 - メダルホッパー
パチンコ。それ以上でもそれ以下でもない。一番簡単に残機を増やすことが出来るゲーム。2P対戦では遊べない。
また、2P対戦専用のミニゲームもある。
- スキッドバトル
スキッドレースの対戦バージョン。こちらは残機集めではなく、相手を落とし合うというゲームになっている。3ポイント先取で勝利。制御の難しい玉乗り状態でなおかつ相手のことを落とすことが目的となっているので、壮絶な駆け引きが生まれる。勢いをつけた状態で相手に体当りすると相手を大きく押し飛ばすことが出来る。二人同時にタックルするとお互い同じくらい後退するため、膠着状態になりやすい。しかし、どっちかが相手を裏切って相手のタックルをスカらせカウンターを決めることも可能。そのハラハラ感もあってかなり盛り上がるゲーム。 - ふわふわバスケ
息を吹いてボールを飛ばし合い、相手のゴールにシュートするという、超エキサイティング!……というわけでもない地味なゲーム。しかもお互いに息を吹くことしか出来ないために膠着しやすく、やっているうちにプレイヤーが疲れてしまうという謎仕様。2P対戦のみプレイ出来るミニゲームであり、2Pプレイをやったことがない人にはその存在すら認知されない、影が薄いうえに敬遠されがちなゲーム。
プレイヤーキャラクター
- タクト
男の子。移動スピードが少し早く、滑りやすいうえ滞空が苦手なキャラ。
歴代ワギャン同様の音波攻撃を使う。難易度的には少し高くなる。
少しでも刺激的なプレイを楽しみたいなら、タクトを選ぶとよいだろう。
- カリン
女の子。移動速度は並だが、滞空などジャンプ性能に長ける。
さらに音波攻撃のパターンが違い、「わっ・ばんっ・びーっ・どかーん」となっており、拘束時間がタクトより長い。
使いやすく、初級者向け。ゆるく楽しむならカリンを選ぶといいだろう。
※なお、選ばれなかった側のキャラクターは、冒険に参加しない。
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関連項目
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- 0pt