ワライフクロウとは、フクロウ目フクロウ科に属する絶滅したフクロウである。
概要
かつてニュージーランドに生息していた鳥類。名前の由来はそのまんま、鳴き声が高笑いのように聞こえたからである。
森の中で遭遇すると遠くで誰かが騒いでるかのようなやかましさだったらしい。
ちなみに英名もLaughing Owl、どの道そのまんまである。
生態
他の大体のフクロウと同じく夜行性の鳥で、体長は40cmほど。
脚が長く、翼が短いという体格だったため、飛行はあまり得意ではなく、長い時間飛んでいることは出来なかった。
そのため普段は低い枝などに陣取り、草食のネズミやアナウサギといった小動物や、様々な昆虫を捕食していたとされている。獲物を食べる時は樹の上ではなく、大体地面で味わっていたようだ。
かつてのニュージーランドは特殊な環境であり、フクロウより優位に立てる哺乳類はいなかった。人間が持ち込んできた上記のネズミやアナウサギも、ワライフクロウにとっては、御馳走を人間が増やしてくれたようなものだった。
絶滅の経緯
その変わった鳴き声が重宝され、ペットとしての需要が高まったことでたくさん捕獲された。しかし、これは絶滅の原因の一つに過ぎない。
一番大きかったのは、強力な外来種が現れたことだった。
当時、人間が持ち込んできたアナウサギは、あまりにも増えすぎてしまった。そしてついには農作物を荒らすようになり、住民達からはいよいよ害獣と見なされるようになった。
そこで、それを駆除するために、イタチやオコジョといったアナウサギの天敵である肉食動物を、ニュージーランドに持ち込もうという計画が練られた。
結果、思惑は的中し、放たれたイタチ達の活躍によってアナウサギの巣は荒らされ、その数を一気に減らしていった。
計画は大成功、と思いきや、ここで思わぬ事態が発生した
なんとイタチやオコジョの捕食対象が、アナウサギだけでなくワライフクロウにも向けられてしまったのだ。
元々、ニュージーランドに哺乳類はそんなにおらず、ワライフクロウもそんなに強い動物でなかった。しかし人間によって持ち込まれた様々な動物によって生態系は乱れてしまったのである。
ワライフクロウはたちまち食いつくされ、卵などは輸入の際の船に紛れていた肉食性の強いネズミに食べられてしまったようだ。
ペット需要と外来種による生態系の崩壊によって、ワライフクロウは1914年に絶滅した。
その後も卵の殻など彼らが未だに生きているのではないかという発見例はあるようだが、確信は掴めていない。
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関連項目
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