この項目は、ネタバレ成分を多く含んでいます。 ネタバレになるものは反転されています。 ここからは自己責任で突っ走ってください。 |
概要
ゲーム名 | |
基本情報 | |
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ジャンル | シミュレーション |
対応機種 | N64 iアプリ |
開発元 | ギブロ |
発売元 | スクウェア・エニックス |
発売日 | 1996年11月22日 |
価格 | 9,800円 (税別) |
対象年齢 | CERO: なし |
通信 | |
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その他 | |
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ゲームソフトテンプレート |
ワンダープロジェクトJ2 コルロの森のジョゼットとは、1996年11月22日にエニックス(現スクウェア・エニックス)から発売されたNINTENDO64用ソフトである。ジャンルは「コミュニケーションアドベンチャー」。
「ワンダープロジェクトJ」の続編。正式名称は上記のとおりだが、動画タグは「ワンダープロジェクトJ2」が多い。
開発元であるギブロが解散してしまったためリメイクなどは難しいと思われていたが、2010年4月12日より、iモード用サイト「スクエニモバイル」にて携帯アプリ版が配信された。対応機種はFOMA 903i/703iシリーズ以降。こちらはオリジナルの会話シーンが新たに追加されている。
なお、CMのせいで誤解されがちだが、断じてギャルゲーではない。
ストーリー
機械技師ジェペット・ラマルク博士は一体の人間型ロボット「ギジン」を作り上げた。
彼の名は「ピーノ」。ピーノはインターフェイスロボのティンカーやプレイヤー、島の人々と共に様々なことを学んでいき、最終的にギジンを忌み嫌うコルロ島の宰相メッサラと対決する。ピーノはメッサラの乗る戦艦を撃破したものの、ピーノ本人も破壊されてしまい永遠に再起不能となる。
それから数年後…。
ジェペット博士は新たに女の子型のギジンを作り上げる。彼女の名は「ジョゼット」。ジョゼットはジェペット博士の言葉に従い新天地「ブルーランド島」に向かう…。
基本的な操作
プレイヤーは、インターフェイスロボである「バード」を操作することによって、教育係としてジョゼットをサポートする。(ジョゼットが返答を求めている時は上記イラストのようにバードが64のコントローラーを示してプレイヤーに入力を促す)。
物を注目させたり左右に注意を向けさせたりは可能だが、基本的にジョゼットを直接操作することはできず、ジョゼットの行動や質問に対して「YES」「NO」「どちらでもない」の答えを提示してジョゼットを理解に向かわせる。
例えばジョゼットに本を読ませようとする。すると使い方を知らない彼女は本を食べてしまったり、頭に乗せたりする。これに対して「NO」を提示し、「読む」という行為に「YES」を提示することでジョゼットは使い方を理解していくのだ。
ただジョゼットは「何も知らない」ため、「料理のやり方」を知っていても「味」を知らなかったり、「モップの使い方」を知っていても「キレイになるとはどういうことか」を知らなかったりするため、そのことをまた新たにアイテムや身の回りのものを使って教えていく必要がある。きちんとジョゼットに教えておかないと挨拶ができなかったりイベントでボロ負けしたり あとGを食べちゃったり……
またジョゼットの知識とは別に、脚力やモラル、バランス力などの見えないパラメータも行動によって変化する。モップをバットのように振ったり本を頭に乗せたりは一見間違った行動ではあるが、裏では腕力が上がったりバランス力が上がったりしている。
このパラメータによって一本橋を渡れるようになったり、谷を飛び越せるようになるなど、「知識を得る」とは別にジョゼットの出来ることや行動範囲が増えていくのだ。
なお、このパラメータは前作と違い数値として閲覧することはできない。ジョゼットの反応で察することが必要になる。また、前作では受動的にキャラクターが反応したが、本作では状況次第でプレイヤーに能動的に会話しようとするようになった。
登場人物
- ■ジョゼット
- 本作の主人公。頭に充電用の大きな洗濯バサミが2つ付いているのが特徴。何も知らない無垢な存在だが、成長する前にジェペット博士が亡くなったため、ブルーランドにてプレイヤーから様々なことを教わることになる。
- ナンバーは「ギジン5984型」。前作に登場した女性型のインターフェイスロボ「ティンカー」のシステムをベースに15歳前後の少女として作られている。 [2]
- 人間と同じような防水の人工皮膚に覆われているため、水で濡れても問題なく、熱を感じることができる。公式サイズは身長160cm、体重46kg。ただしスリーサイズは不明。 [3]
- ちなみに本作のキャラクターデザインは「借りぐらしのアリエッティ」で作画監督を務めた山下明彦氏だったりする。ただ、アリエッティもジョゼットと同じく大きな洗濯バサミを1つ髪に付けているが、これはアリエッティの米林宏昌監督が発案したものであるため、意図して似せたものではないようだ。
- ■バード
- ティンカーの後継機として作られた新型インターフェイスロボ。プレイヤーと共にジョゼットの世話をする。プレイヤーの操作に連動しているため、プレイヤーはこのバードを介してジョゼットを育成していくことになる。
- ■ジェペット・ラマルク
- ジョゼットとバードを作った発明家。数年前にはピーノとティンカーを作っている(ワンダープロジェクトJ)。プロローグにおいて、ジョゼットとバードに「プレイヤー」という人の世話になるよう伝え、そのまま死亡する。なお死亡後にもたびたびジョゼットの心の中に幻影として登場する。
- ちなみにプレイヤーとは前作「J」の頃からの付き合いがある知り合いということらしい(つまり今作のプレイヤーと前作のプレイヤーは同一人物だと思われる)。
- ■カレン・オネスト
- メガフロート・ノアにおいて食堂を経営している女性。サファイアという娘がいるが、サファイアが盗賊のヤマネコ団にあこがれている事をよく思っておらず、ヤマネコ団のことを「しょせん泥棒」と断じている。
- 店のバイトをあてがったり何かとジョゼットを気にかけたりしてくれる。しかしジェペット博士の名前を知っていたり、たびたびジョゼットに関する何かの事情を知っているような言動もしている。
- 前作「J」から登場していたキャラで元・ヤマネコ団のボス。つまりサファイアの憧れの相手ご本人。前作でピーノ達とも知り合っているため、最初からジョゼットがギジンであることも知っている。
- ■ポッコ
- ドロとボーと共にメガフロートノアに来た少年。前作「J」の主人公ピーノに非常によく似た容姿を持つ。いたずら好き。
- 本名はピーノ・コルロ。つまり前作「J」のEDでティファニー王妃が出産した赤ん坊の成長した姿である(ただ本人はギジンであった頃の記憶はない)。ブルーランドではその正体を隠して行動していた。革命軍にも所属している。本作のEDにおいては荒廃したコルロ王国に帰還、新生コルロ王国の国王に即位した。
- ■アーノルド
- ジョゼットが港で出会った少年。さわやかで女性には人気だが、。何かを隠しているような素振りも見せている。
- 実はブルーランドに新たに配属されてきたブルーランド総督の正体。皇帝のシリコニアン13世に拾われた皇帝のお気に入りだが、当の本人は帝国に家族を殺された復讐のために機会を伺っていた。中盤以降で正体と帝国への裏切りが発覚し捕らえられるも生還し、最後はジョゼットたちとともにコルロ王国へと入植した。
- ■パール
- ブルーランド市長の娘でスタイルの良い美人だが自分が中心にいなければ気が済まないタイプでわがままかつ自己中心的。アーノルドに好意を持っているが当のアーノルドはジョゼットばかり相手しているうえ、ジョゼット自身も何かと目立つ様になってきたことでジョゼットをライバル視するようになる。取り巻きとともに意地悪をしたり悪漢を雇ってジョゼットを襲わせたりしているなど割と悪どいことも。
- カレンとジョゼット達の会話をたまたま聞いたことでジョゼットの正体を知りシリコニアン帝国に密告した張本人(そのせいでジョゼットはシリコニアン兵に追い回された)。終盤に科学者フラーケンに射殺されそうになるが、ジョゼットが身を挺してかばったことで改心し和解する。
???
- ■プレイヤーさん
- ジェペット博士とは前作「J」の頃から知り合いだという存在。ジョゼットの世話を頼まれているということで、亡くなったジェペット博士に代わりジョゼットたちに指示を送ったりジョゼットの学習の手伝いをしてくれる保護者。つまり、このゲームをプレイしているプレイヤー自身の事である(プレイヤー名は変更可能)。
- あくまでバードを通して意思を伝えるだけであるため、ジョゼットも「プレイヤーさん」が別の場所にいることは知っているが顔も姿も知らない。ジョゼットがプレイヤーさんについて他の人に話しても神様か何かかと思われたりしている様子。
- 何も知らないジョゼットに色々なことを教えるためバードの「アクション」を通して伝えていくが……
-
- 「力こそパワー」と言わんばかりに鍛えさせガチガチの武闘派に変えたり
- バイトや鉱山労働でジョゼットを酷使して金稼がせ続けるヒモのような事をしたり
- プリンあげると約束したあとで反故にしジョゼットを泣かせることに快感を得たり
- ドルフィン号で海に潜らせて宝探しや魚取りに夢中になってなかなか地上に帰してくれなかったり
- 戦闘機でジョゼットにシリコニアン帝国の連中をぶっ殺させることにハマったり
- ネコちゃん蹴っ飛ばさせることに快感を覚えたり
- ジョゼットにゴキブリ食べさせてそれを常識だよと刷り込んだり
- カレンさんにコセイテキな料理でゲロ吐かせることに楽しみを覚えたり
- ジョゼットのパンチラを見るため片っ端から本読ませたりハシゴ上り下りさせたりプリン食べさせたりオイル飲ませたり
- ……といった、ジョゼットが無知な事につけ込んで色々やらかしている「プレイヤーさん」達もチラホラ居たとか居なかったとか(はたしてそれは保護者と言えるのだろうか)。
用語
- 【コルロ島 / コルロ王国】
- 前作「J」の舞台だった島で、人間とギジンが共存する王国。今作ではシリコニアン帝国の戦闘機が送られた際に出てくるのみで、ジョゼットはブルーランドに行っているため、ゲームには登場しない。
- EDでジョゼットたちがコルロ王国に戻ってくるものの、シリコニアン帝国の侵攻により街も自然も全て破壊され荒廃していた [4]。後にブルーランド住人たちが移住して新生コルロ王国を立ち上げる。
- 【シリコニアン帝国】
- 今作登場の勢力。コルロ王国よりはるか離れた地域を支配しており、メッサラの助言を元に"J"を手に入れるため、コルロ王国に戦闘機を派遣、Jとそれを持つギジン探索を始める。
- EDにおいてジョゼットが発動したJの力により皇帝もろとも本拠地が消滅。以降の動向は不明。
- なお第2部で発生する脱出イベントは多くの「プレイヤーさん」達にトラウマを植え付けたとかなんとか。
- 【ブルーランド】
- コルロ王国より遠く離れた場所にある、本作「J2」の舞台となる島。深海船や飛行機の動力に必要な資源「プロトン鉱石」がこの土地から取れることからシリコニアン帝国に目をつけられてしまい、各地に軍用地が作られて支配されている状態になっている。住民の大半は追い出され、島から接続している人工島「メガフロート・ノア」に移住させられている。
- シリコニアン軍に改造されたギジン46号の大爆発により消滅。メガフロート・ノアの住民たちは退避したため無事だった。
- 【メガフロート・ノア】
- シリコニアン帝国がブルーランドの沖合に設置したフロートの街でこちらも本作の舞台。ブルーランドを追い出された住人たちと本土に建てられていた女神セドナ・ブルーの像はこっちに移動されている。こことブルーランド本土は巨大なパイプで接続されており、行き来が可能。
ジョゼットたちは序盤にこのフロートに到着、ここの港に係留されている「ドルフィン号」に住み活動を開始することになる。 - ギジン46号が大爆発する際、爆発から逃れるためブルーランド本土との接続を切り離して離脱したので無事だった。その後各地をさまよい最終的にコルロ島にたどり着く。EDではコルロ島に入植し、メガフロート・ノアの住人はピーノを新たな国王とする新生コルロ王国の住人となった。
余談・その他
- 隠しコスチュームとして「ピンクの服」がある(ゲーム中に登場するジョゼット服のピンク版)。他に公式で描かれた服装では「水着」も存在するが、こちらはゲーム雑誌や公式ファンブックなどでのみ公開されたイラストであり、ゲーム中には登場していない。
- ジョゼットが踊る時によく言う「マンキー」だが、ジェペット博士によると「モンキーダンス」をプログラムに組み込んだものの、入力ミスにより「マンキー」になってしまったのだという(つまりプログラマーの入力ミスと思われる)。[5]
- エニックスの藤本広貴とギブロの米田喬(たかし)によると、容量と時間の問題で第2章を中心にカットしてしまった部分が多いと語っている。米田いわく「あれはちょっと飛ばしすぎた気がする」とのこと。[6]
- カレンがヤマネコ団のボスだった事は当初のシナリオでは明かされる予定だったが、そうなった場合、革命軍リーダーのガロンがメッサラに倒されるシーンでは完全に殺されている事になっており、夫を殺された復讐でカレンがメッサラと戦って相打ちになる展開だった。しかし、ただでさえ死ぬ人が多くて救いのない話になってしまうということで、結局はストーリーを仕様変更する形になり、カレンの正体が明かされる展開ごとボツになったという。[7]
- ラスボスとして登場するシリコニアン13世だが、最初の予定では女性ではなく男性設定になっていた。またその末路も、「ジョゼット達に敗北したあと一人だけ流氷に残され、やってきたアーノルドに助けを求めるも罵倒されて去られ、最後は発狂して近くのペンギン達を自分の兵士と思ったまま笑っている」という、女性設定のときよりも更にきつい終わり方が予定されていた。[8]
関連動画
プレイ動画
音楽
CM・PV
手描き
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関連商品
書籍
エニックス(当時)より、4コママンガ劇場(単巻)、スーパーコミック劇場(単巻、J1&J2)、「月刊少年ギャグ王」連載作品(作者:正木らか、単巻)の3冊が刊行されている。このほか、公式ガイドブックや公式ファンブックも刊行された(いずれも単巻)。
関連項目
関連リンク
脚注
- *1996年当時のキャッチコピーの一つ。
- *ゲームでは、ジョゼットに関する噂を話しているシリコニアン兵が「15歳ぐらいの少女」と語っている。
- *公式ファンブック「J2なんでも相談室」より。なおスリーサイズが不明なのは、言おうとしたジェペット博士がジョゼットに口をふさがれたため。
- *前作の現地住人が登場していないため死者・負傷者・生存者すべて不明。また、帝国が侵攻してきた際に大量のギジンが連行されて破壊されたり兵器として改造された事がギジン46号の話で語られている。
- *公式ファンブック「J2なんでも相談室」より
- *公式ファンブック「開発者特別インタビュー」より
- *公式ファンブック「開発者特別インタビュー」より
- *公式ファンブック「開発者特別インタビュー」より
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