ヴァルキリーとは、北欧神話の女神に由来する、ファンタジー世界などでしばしば見られる存在である。詳しくは『ヴァルキュリャ』『バルキリー』の各記事を参照の事。
ここでは、TRPG『ソード・ワールド2.0』に登場する一種族、「ヴァルキリー」について取り扱う。
概要
人間の突然変異種であり、人間と同じく15歳で成人し、100歳で寿命を迎える。ラミアと同様女性しか存在しないのでキャラメイク時には注意。しかも何らかの方法で男性になった場合はヴァルキリーとしての種族特徴を全て失い、「剣の加護/運命変転」のない人間になる。一応女性に戻れば全て元通りになるのでご安心を。
外見も人間とほぼ同じだが、くるぶしと背中に羽のような文様を持ち、落下や転倒の際にはそれらから光の翼を展開して身を守る事ができる。また、動物や幻獣と心を通わせるのが得意で、これらの能力は種族特徴としてデータに現れている。
ラクシアでは、住人が死亡して魂が昇天した時、優れた魂は天界に留まり神々の兵士にされる。ヴァルキリーは、そうした魂が何らかの理由によってさらなる輪廻をした結果誕生すると考えられているが、真相は不明である。
なお、女性しか存在しない事について、ヴァルキリーの魂が宿ることで胎児が女性化するのか、それとも女性の胎児にのみ彼女らの魂が宿るのかは不明。
穢れを持たず、「神から祝福された子」とか「神の使徒」などと呼ばれて大切に育てられる。その一環として、神殿に預けられて育つケースが多いが、プリースト技能を持たないヴァルキリーも存在する。
もちろん預け先と取得するプリーストが異なっていても良い。むしろ冒険の動機としてわかりやすいかもしれない。
同じ突然変異種で穢れを持つゆえに迫害されがちなナイトメアとは、正反対な印象を受ける種族であるが……
種族の特徴
器用度 | 敏捷度 | 筋力 | 生命力 | 知力 | 精神力 | |
戦士系 | B+ | C+ | B+ | B+ | C | B+ |
魔法使い系 | B | C | B | B | B | A |
(各系統の「生まれ」の平均+ダイスの期待値が基準。生まれによって±1ランク程度の誤差が発生)
基本的には高水準の器用さやフィジカルと、エルフやドワーフ並みの高い精神力を持つ一方で、敏捷度と知力が低めといったステータスであるが、人間の突然変異種であるゆえか、生まれによる初期ステータスの振り幅が大きい。そのため、上記の能力性向表は戦士系(「技 > 心」とライダー)と魔法使い系(「技 < 心」)で大別している。
全体として、どの生まれでも(敏捷度を除けば)良好な初期バランスを持ちつつ、必要な能力は基本的に人間以上という万能型の種族である。一見正反対の種族であるナイトメアとは、こうした点では(彼らの方がより万能性が高くはあるが)ある意味同類なのかもしれない。
前衛としては、騎獣で移動力を補完しつつ、手数も増やせるライダー持ちが非常に強力である。スリープ等に抵抗しやすく意識を失いにくい精神力の高さや、種族特徴との相性が良いことで、非常に落馬しにくい点も魅力的。また、戦士職の生まれでもMPが高いため、神官戦士にも向いている。回避に必要な敏捷度ボーナスのギャンブル性が高い(指輪・腕輪込みでボーナス3になる確率が1/3)ものの、器用度が高く移動力も人並みになるので、フェンサー生まれもそこまで悪くはない。
また、エルフと同等の精神力から来る高いMPを持ち、セージ生まれなら4以上(つまり1/2の確率)を振れば指輪・腕輪込みでの知力ボーナスが3になるため、純後衛の魔法職としてもそれなりに活躍できる。エルフやタビットと比べると魔力は及ばないものの、出目次第では魔術師生まれのナイトメアを上回る事もある生命力を持ち、事故率が低いことが強み。決定方法の違いから、精神力が他種族より安定して高いのも良い。
種族特徴として、光の翼で落下ダメージを打ち消し転倒を防止する[戦乙女の光羽]と、味方の抵抗力を強化する[戦乙女の祝福]を持っている。
[戦乙女の光羽]
自身の落下速度を、通常の速度から羽が舞い散る程度の速さ(具体的な数値は不明。パラシュートでの降下くらい?)の間で自由に操作でき、意識がある限りいかなる場合でも落下ダメージを受けず、転倒しない。200kgまでの物体を運べるので、一緒に落下する仲間のパラシュートにもなれる。
吹き飛ばしや騎獣の転倒で落馬しても受け身の必要なく安全な着地ができるので、ライダー技能との相性は非常に良い。精神力の高さがあるため、意識を失うと無効化することもそこまで気にならない。
転倒無効が全ての転倒に対して有効なのであれば、騎手を転倒させる攻撃による落馬のリスクも一切なくなるのだが、「(文字通り)いかなる場合」とも、「いかなる場合(の落下)」とも取れる曖昧な説明となっており、ユーザ間で解釈が分かれている。この辺りはGMの判断を仰ぐ事。
公式Q&Aによると、転倒無効は「落下時のみ」適用される。《投げ攻撃》や【スネア】などの転倒には無意味。
あくまで【ツイスター】や【リバースグラビティ】といった「転倒を伴う落下」でのみ有効となる。
変わった所では、〈チキンベルト〉単体で落下ダメージを負う事なく、さらに仲間や荷物を伴って20m先に脱出する事も可能。
[戦乙女の祝福]
1日に1回だけ補助動作で、3分(18ラウンド)の間、同一座標上のキャラクター1体、あるいは騎乗中の騎獣(多部位の場合は全部位)の生命抵抗力・精神抵抗力を+2する。
魔法での仲間の事故率を下げることができ、非常に強力。同一座標上と言われると純後衛には活用が難しく聞こえるかもしれないが、戦闘開始時や準備時間中はPTが一塊になっていることが多いので、大抵の場合は問題なく任意のPCや騎獣に行使する事ができるだろう。
ただし、分類が「人族」「動物」「幻獣」の存在にしか効果がなく、蛮族PCや魔動バイク、アラクネ等は恩恵を受けられないので注意。
関連商品
関連項目
- 1
- 0pt