ヴァーノン・ロマックス・スミス（ヴァーノン・スミス）とは、アメリカの経済学者である。2002年ノーベル経済学賞受賞。
概要
実験経済学の父と呼ばれる経済学者。心理学実験のような実験をもとにした経済理論を構築した。
受賞理由は「経験的経済分析、とりわけ不確実性の基に置ける人間の判断力と意思決定についての心理学的研究による統合的洞察」
その生涯
実験経済学の父としてノーベル賞と受賞するまでに権威を高めたスミスであるが、その生涯はけして平坦なものでなくむしろ苦難の連続であったと言える。
略歴
1932年 父親が世界恐慌で失職。カンザス州ミラン近くの農場に引っ越す。
1945年 カルフォルニア工科大学へ進学。専攻は物理学から電気工学へ。
1952年 カル工卒業後感ざる大学で経済学修士号を取得。ハーバードでマクロを、MITでサミュエルソンからミクロ経済学を学ぶ。
1968年 マサチューセッツ工科大学で教鞭を取る。69年にはアメリカンエコノミックレビューの編集委員に。
若き日のスミス
母親は若くして娘を二人持ったが、22歳の夫を交通事故でなくしてしまう。その後、再婚してスミスを産んだ。しかしスミスの父親は世界恐慌で失業。
スミス一家は前夫の保険金を使って小さな農場を買い、そこに移り住む。スミスはその時を振り返って「両親にとって重労働の連続で、水道も電気もトイレもない生活であった」と述べている。結局農場も借金のかたに失ったスミスは社会主義に傾倒していった。
それからスミスは学校に通いながらソーダを売ったり、ボーイング社の夜間勤務をしたりと、一生懸命働いて家系を支える生活を送った。
その後一年の受験勉強を経て最難関大学のカルフォルニア工科大学へ進学。スミスはそこで挽肉機と形容される昼も夜も週末もない勉強だけの生活を送る。1949年学位を取得。
スミスは物理学や工学を学びながら、社会のあらゆる主義の根底に流れる「経済原理」に興味を持ち始め、方向転換を決意する。
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関連項目
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