ヴェノム(映画)とは、スパイダーマンの宿敵・ヴェノムの誕生を描いたスピンオフ映画である。日本では2018年11月2日公開。
概要
黒いタール状の地球外生命体シンビオートに取り込まれた、見るからに凶悪な面構えのヴェノムが主役のダークなアクション・ムービー。
ヴェノムとは
アメコミ『スパイダーマン』に登場するヴィランの一人。地球外生命体シンビオートがスパイダーマンにブラックスーツとして寄生し、その後引きはがされたが、他の人間をスーツのコアとして取り込むことによりスパイダーマンの姿かたちを模したヴィランとして誕生した。
ブラックスーツそのままに全身が黒く、スパイダーマンと比べて体格が一回り大きい。それに合わせて身体能力もスパイダーマンを上回る。最大の特徴は大きく裂けたような口と、そこからのぞかせる巨大な牙と長い舌。
登場当初はスパイダーマンの鑑写しの存在として大暴れしたが、のちに同様にシンビオートが生み出した新ヴィラン「カーネイジ」が登場するとスパイダーマンと共闘するなど、ヴィランとしてではなくダークヒーローとしての活動も増えていった。また、ヴェノムの中の人も代替わりしている。
実写版映画に向けて
サム・ライミ版『スパイダーマン3』にて実写映画デビューを果たしたヴェノムだったが、同映画ではヴェノムの他にもヴィランが登場しており、また、完全に悪役で終わってしまったためダークヒーロー的立ち振る舞いを期待していたファンの間には不完全燃焼感があった。
その後には何度かヴェノム主役のスピンオフ作品の制作が報道されたが、その度に本家『スパイダーマン』『アメイジング・スパイダーマン』がシリーズ打ち切りの憂き目に遭うなどして、それに巻き込まれる形で流されてきた。
しかし、2017年3月にとうとう2018年10月米公開が発表され、約10年越しの主役スピンオフが実現した。日本での公開日は、当初は12月だったが全米公開日に近づける形で11月2日に前倒しされた。
なお、今回のスピンオフは実写化スパイダーマンの版権を持つソニーピクチャーズによるものであり、マーベル・スタジオ制作の実写映画シリーズである「マーベル・シネマティック・ユニバース」には関係しない独立作品である。残念ながらアベンジャーズとヴェノムの共演は見られない。
しかし、今作を皮切りにソニー・ピクチャーズはスパイダーマン関連キャラクターでのユニバース構想を打ち出しており、2024年3月現在ではこのシェアード・ワールドの事を「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)」と呼ぶようになっている。
制作・キャスト・監督
制作はこれまでの実写版『スパイダーマン』シリーズも制作してきたソニー・ピクチャーズ。
ヴェノムを演じるのは、『インセプション』で脚光を浴び、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で主演を務めたトム・ハーディ。
監督は『ゾンビランド』『L.A. ギャング ストーリー』のルーベン・フライシャー。
ヒロインを演じるのは『マンチェスター・バイ・ザ・シー』『グレイテスト・ショーマン』のミシェル・ウィリアムズ。
ストーリー
正義感溢れるジャーナリストのエディはライフ財団の人体実験に関する噂について取材を試みるが、被験者との接触により地球外生命体シンビオートに寄生されてしまう。
やがてエディの体にはとてつもない異変が起こる…!
登場人物
- エディ・ブロック/ヴェノム(演:トム・ハーディ)(吹:諏訪部順一)
- リポーターとして様々な事件・疑惑を追及してきた記者。だが、ライフ財団の疑惑を追及したせいで逆に記者を首になってしまい、すさんだ生活を送るようになる。
- エディは内部協力者を得て再度ライフ財団の闇に切り込むが、地球外生命体シンビオートに寄生されていた被験者と接触し、シンビオートを移されてしまう。
- 原作アメコミ『スパイダーマン』では新聞記者。スパイダーマン関連の記事が原因で解雇され、スパイダーマンを逆恨みしていたところにシンビオートに寄生されヴェノムと化す。
- アン・ウェイング(演:ミシェル・ウィリアムズ)(吹:中川翔子)
- エディの恋人だったが、エディが解雇されたのを機に破局。半年後には新しい恋人と付き合っていたが、そこに再びエディが現れる。
- ヴェノムに寄生され異常な行動を繰り返す元恋人を助けようとするが……
- 原作アメコミではエディの妻。
- カールトン・ドレイク(演:リズ・アーメッド)(吹:花輪英司)
- ライフ財団の創設者にして数々の医療に関する業績を残してきた実業家。最近は宇宙開発にも積極的に取り組んでいる。
- が、その裏の顔は「人類を救う」という目的のためには人の命を奪うことさえ気にも留めないマッドサイエンティスト。
- ライフ財団で打ち上げたロケットを使って宇宙で採取したシンビオートと人体との融合の研究のため多くの貧しい人達を使って人体実験を繰り返している。
- しかし、最後には自らもシンビオートに寄生され「ライオット」と化す。
続編『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』が2021年9月に全米公開予定。新型コロナウイルスの影響により一旦2021年10月15日に全米公開が延期された。が、そこからさらに10月1日に前倒しされた。日本では12月3日公開。
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https://twitter.com/SonyPicsEiga/status/1438700487340027910
本作では全身が赤い「カーネイジ」が登場し、ヴェノムと戦うことが明かされている。一方、ヴェノムはエディとの共同生活になれ、朝食を作る姿や隣人にあいさつするシーンが明かされている。2021年8月に公開された予告編第3弾では、カーネイジにおびえるヴェノムの姿もあった。
実写映画第3弾『ヴェノム:ラストダンス』
2022年4月に開催された映画イベント「シネマコン」にて、『ヴェノム3』の制作が発表された。
2023年6月から撮影が開始されたが、その直後にハリウッドで俳優組合によるストライキが発生したため撮影は中断。11月9日にストライキは終わったが、当初2023年8月に公開予定だったスケジュールに遅延が生じている。この時点では2024年11月公開予定だった。
2024年3月に、正式タイトルが『ヴェノム:ラストダンス』だと発表された。公開時期は2024年11月から2024年10月25日に繰り上がっている。
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