ヴェンセールは、トレーディングカードゲーム『Magic: The Gathering』の登場人物である。
プロファイル
時のらせんブロック、ミラディンの傷跡ブロックの主要人物。温和で素直、人当たりも良いとあかんコレは確実に死ぬ、と思われるいい人振りを発揮していた。
小説「PLANAR CHAOS」の表紙ではどう見ても悪役だったのだが。
ヴェンセールは青と白の魔法を操るプレインズウォーカーです。 彼は瞬間移動の魔法と、自身のための独自の強力なアーティファクトを生み出す術に長けています。 ヴェンセールは聡明で、出会ったどんな厄介な状況でも、素早い決断を下すことができます。 多元宇宙宇宙では、彼は工匠としての知識と瞬間移動を自らの道を開くための道具とし、あらゆる機械的な物に対する尽きることの無い好奇心を満たそうとしています。
ヴェンセールの生まれは、ドミナリアの次元の不毛の地アーボーグです。 青年時代、ドミナリアに対するファイレクシアの侵攻の後に残された戦艦の残骸や廃墟に囲まれた中、彼は一人で自分の工房で暮らしていました。 自分の住処の周囲の屑鉄の山の中からパーツを探し、彼は自分の瞬間移動の助けとなる道具を組み立てます。 プレインズウォーカーのテフェリーがヴェンセールの助けを求めたとき、彼はその機械を使ってドミナリア全土を素早く飛び回り、次元中の鍵となる場所の時間の歪みを閉じて回りました。 ヴェンセールの瞬間移動の才能はやがて灯として目覚め、彼はドミナリアの境界を越えて旅に出られるようになったのです。 新たな世代の初のプレインズウォーカーとして、彼は自分の運命を求めて旅立つのです。
(WotC公式サイトより抜粋)
カードとしてのヴェンセール
ヴェンセールとしてデザインされているカードは、2013年現在で2枚存在する。
パーマネント・タイプは1枚がクリーチャー、もう1枚がプレインズウォーカーである。
Venser, Shaper Savant / 造物の学者、ヴェンセール (2)(青)(青)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
瞬速(あなたはこの呪文を、あなたがインスタントを唱えられるときならいつでも唱えてよい。)
造物の学者、ヴェンセールが戦場に出たとき、呪文1つかパーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
2/2
「未来予知」に収録された伝説のクリーチャー。ヴェンセールは時のらせんブロックの物語途中にプレインズウォーカーの灯を覚醒させることになるが、このカードはそれ以前の彼を表している。
4マナ2/2瞬速という本体性能はそれほど強いわけではないが、戦場に出た時の能力が凄まじい。
呪文を手札に戻す、という能力は打ち消されない呪文すら効果を発揮させないことを意味している。[1]
また、パーマネント[2]を手札に戻す場合も種類に制限がないのでクリーチャーを戻して殴る隙間を空けたり、土地を戻して動きを封じたりと応用範囲が広い。
時のらせんブロックには《一瞬の瞬き》というカードがあり、これと組み合わせると3回能力を誘発させることができ相手の動きをバキバキにできた。
Venser, the Sojourner / 滞留者ヴェンセール (3)(白)(青)
プレインズウォーカー — ヴェンセール(Venser)
[+2]:あなたがオーナーであるパーマネント1つを対象とし、それを追放する。次の終了ステップの開始時に、それをあなたのコントロール下で戦場に戻す。
[-8]:あなたは「あなたが呪文を1つ唱えるたび、パーマネント1つを対象とし、それを追放する。」を持つ紋章を得る。
3
プラス能力は一見何をしたいのかよく分からないように見える。
これは主にパーマネント(特にクリーチャー)のCIP能力を再利用する為に使われた。例えば、上記の《造物の学者、ヴェンセール》にこの能力を使い続ければ無限にパーマネントを戻すようになるわけである。
このカードが使えた時期のスタンダードでは《石角の高官》というクリーチャーが相方としてよく使われた。
《石角の高官》は対戦相手の次の戦闘ステップを飛ばす、という能力を持っているため対戦相手は攻撃不能になって事実上勝てなくなってしまう。
CIP能力再利用以外の使い方としては、土地を戻して相手ターンに使えるマナを1増やす、プレインズウォーカーを戻して削られた忠誠度を初期値まで復活させる、などが考えられるか。
小マイナス能力はクリーチャー同士のにらみ合いを一方的に終了させることができる。ただ、白青という組み合わせはクリーチャーをたくさん並べるデッキが作りにくいため、構築戦でこの能力が使われることはあまりなかった。リミテッドでは一発でゲームが終わりかねないほどの力を持っている。
大マイナス能力は絶対殺すマンモードに入る紋章獲得。プラス能力の使用が主となるため、この能力の使用を狙う機会は多め。紋章を獲得した後は速やかに土地が消されることになるだろう。
他のカードがないと無意味な能力ばかりのため、このカードを使おうとすると専用の構築が必要となる。当時、応用範囲の広いプラス能力を生かせるように作られたコントロールデッキが存在した。
関連項目
脚注
- *呪文(手札からカードを出す)・能力(戦場に出てるカードの効果)はプレイを宣言する、誘発するなどでスタックに置かれる→解決するという手順を踏んではじめて効果を得られる。解決まで行かないままスタックを離れた呪文は何もしない。「打ち消されない」は「打ち消す」を無効にするだけなので、造物の学者、ヴェンセールの効果は無効にできない。
- *土地・クリーチャー・エンチャント・アーティファクト・プレインズウォーカーの総称。戦場に置かれ続けるカード類のことである。
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