丂とは、曲がったなにかを表す漢字である。
漢字として
- 意味・字形
- 〔説文解字・巻五〕に「气の舒(の)びて出でんと欲し、𠃑上、一に礙(さまた)げらるるなり」とし、𠃑が気を表して、一で止まっているところの象形とする。〔説文〕は亏(于)についても似たような説解をしている。この字の解釈には、ほかにもいくつか説があり、物を抉り取るための曲刀の象形とする説(白川静)、曲がった釘の象形とする説がある。
- 〔説文〕にはまた、「丂は古文を以って亏の字と爲し、又た以って巧の字と爲す」とあり、亏(于)、巧と通用したことを紹介する。
- ほかに金文で考を丂と書く例がある。この考は「考える」という意味ではなく、考の字のもともとの意味である「亡父の敬称」の意味である。
- 音訓
- 音読みはコウ(漢音)、訓読みは、こがたな、さまたげられる。
- 規格・区分
- 常用漢字ではない。JIS X 0213第四水準。JIS X 0212補助漢字。
- 部首
- 〔説文解字〕では部首として扱われており、ほかに寧、𠀀(丂を左右反転にした字)、甹を収める。
- 声符
- 丂を声符とする漢字には巧(工を声符とする場合もある)、攷、考、㱙などがある。
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