三遊亭好楽とは、落語家である。
1946年8月6日生まれの東京出身で、本名は家入信夫(いえいり のぶお)。笑点出演時の高座着の色から、ちまたではピンクとも呼ばれる。1980年に五代目圓楽が弟子とともに設立した「円楽一門会」の会長を務める。
概要
林家彦六(八代目林家正蔵)に弟子入りし、前座名は林家九蔵(くぞう) と名乗る。名前の由来は九番目の弟子だからそうだ。彦六の亡き息子の名前が「信男(のぶお)」であり、九蔵の父も早いうちに亡くなったために彦六から可愛がられている。九蔵と彦六の関係で有名なエピソードとして、彦六が意識不明の時に「師匠、死んじゃ嫌だ」と泣き、彦六が意識回復した時に「あんなに泣かれたら起きるしかあるめえ」と彦六らしい返答をしている。
兄弟子は林家木久蔵(現:林家木久扇)であるが、面識はあまりなかったらしい。
彦六は弟子が真打昇進の時に屋号の変更をさせていた(理由については彦六のWikipedia記事などを参照)が、九蔵は真打昇進の時に屋号を変更せず、彦六の死を契機に五代目三遊亭圓楽の弟子になる。ちなみに屋号を変更しなかった例外として林家木久扇がおり、初代林家三平に気に入られたので林家の屋号で名乗ることになる。
2013年に新築した自宅の一部に、後進の育成を目的として定員20人ほどの小さな寄席「池之端しのぶ亭」をオープンさせた。しかし、笑点の大喜利では「客が2人しかいない」「つぶれる」「解体される」「かつて存在していたらしい」などと主に六代目三遊亭圓楽にネタにされる。これは五代目三遊亭圓楽が多額の借金でビルを建設してまで作った寄席「若竹」が、立地の悪さなどにより客足が伸びずたった数年で潰れてしまったのが元ネタのようである。
トリビア的な何か
- 前座時代には三遊亭小遊三が好楽の実家に居候していたこともある。好楽曰く「兄弟が多かったから問題はなかった」らしい。
- 息子の王楽も五代目三遊亭圓楽の弟子であり、親子だが兄弟弟子という珍しい関係にある。好楽も弟子にする気はなく、王楽も弟子入りする気がなかったらしいが、現在では王楽を当たり前のように好楽一門としてカウントしている[1]。
- 東京出身であるが、両親が九州生まれなので九州男児的な性質らしく、酒好きな面がある。
笑点
笑点では、五代目圓楽に誘われ九蔵時代の1979年から出演。のちの笑点40周年記念公式本(2006年発売)によれば、誘った理由として「好楽が金曜夜席(笑点の前身番組)のファンだったため、いずれは笑点に出演したいだろうと勝手に思い込んでいた」と語られている。
桂歌丸卒業後の笑点メンバーの中では、出演歴の長さは林家木久扇(1970年から)、六代目三遊亭圓楽(1977年から)に次ぐ。一時期修行に専念するために番組を卒業した4年半のブランク(1983年~1988年)を挟み、30年以上に渡ってレギュラー出演を務めている。
笑点における高座着の色は当初は水色。前述の番組卒業時に入れ替わった三遊亭小遊三に色を引き継いだ。現在のピンクの高座着は、番組に復帰したときに入れ替わった七代目桂才賀から引き継いだものである。
笑点でのキャラは九蔵時代は元気な与太郎(または与太郎2)であり、兄弟子で同じく与太郎な木久扇と一緒に馬鹿やっていた(この頃から既にピンつまだったという情報もあり)。オープニングアニメでは九蔵時代から現在に至るまで女装率がやたら高い。
好楽になった以降は与太郎ではなく、「優等生だが仕事がなく貧乏」「落語をしても客が来ないか寝られる」「有名曲を歌うも途中で歌詞を忘れて急に"ララララ~"になる」キャラとなる。ただし、しばしば隣の木久扇にネタを振ったり、自身が木久扇のするような単純な回答をしたりと、九蔵時代を思い出すような答えを出している。また、隣の小遊三による犯罪ネタ・同性愛ネタなどに対して(絡まれたか否かは関係なく)「よせよ!」という突っ込みを入れることもよくある。さらに笑点次期司会者の座を狙うアピールにも貪欲であったため、これによって失われた座布団は枚挙にいとまが無い。
ちなみに、過去にピンチヒッターとして大喜利の司会を4回担当したことがあるが、そのうち桂歌丸の代役を務めた1回では座布団を大放出しすぎて、翌週放送分で桂歌丸が戻ってきた頃には好楽以外の座布団がそろって10枚寸前となる大インフレを起こした。この歌丸復帰回の第一問において、どんなにいい答えでも座布団を5枚ずつ(春風亭昇太だけ座りにくそうだったため6枚)没収することによって均衡が保たれた。
大喜利においては他のメンバーよりも優等生的で落ち着いた語り口やネタが多く、これが視聴者やプロデューサーから「つまらない」と表現されることも。林家木久扇からもストレートに「つまらない」と言われたことがあるうえに、大喜利における自虐ネタとしても自らを「つまらない」と言うことすらもある。俗に言うピンつまである。
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脚注
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