不思議のダンジョン2 風来のシレンとは、1995年12月1日にチュンソフトから発売されたSFC用ゲームソフトである。
不思議のダンジョンシリーズの2作目であり風来のシレンシリーズの第一作目である。
2006年12月14日にDSでリメイクされている。また、現在Wiiのバーチャルコンソールでも配信中。
概要
風来のシリーズの記念すべき第一作目であり、トルネコの大冒険から多くのシステムを追加した一作。
壺や合成など不思議のダンジョンの根幹となるシステムや、和風だが割と何でもありの世界観など、後のシレンシリーズの基礎を作った。
尚、初代なのに不思議のダンジョン2なのはトルネコの大冒険を一作目としているためである。
DSのリメイク版は大筋は一緒でも、細かい調整がなされたほか、システム部分がかなり異なっている。
ストーリー
伝説の神鳥 黄金のコンドル
その黄金のコンドルが住むところ…そこには
幻の黄金郷が存在すると伝えられている
この伝説を求め始めたころ、一人の風来人と出会った。
名は、シレン
友の意思を受け継いでの旅ガラスだという
コンビを組んではや半年、しょっちゅうケンカばかりだが…
登場人物
- シレン
- 行く先々で伝説や伝承を探し求める「風来人」。三度笠は友の形見であるという。
後の話だがシレン2とは僅かに矛盾している(一定の解釈は可能)。 - コッパ
- 言葉を話す珍しい「語りイタチ」、シレンが喋るべき台詞を全て喋る。
シレンとコンビを組んで半年だが、これも同上である。
仲間
- お竜
- 目つぶしを得意とする風来人。こばみ谷で手当たり次第、男に目潰しするという悪事を働いていたが…。
実はSFC版とDS版で大分姿が違う(DSはGB2仕様)。 - 座頭ケチ
- ケチな指圧師。元ネタは当然座頭市。仕込みの刀を持ち、なかなかの剣術を得ている。
両目の視力を失っている…というのは演技らしい。
「背中の壷」式の指圧が特技だがヘタ。 - ぺケジ
- 竹林の村の店で働く自称、シレンの弟。他人からはその風貌から「ゾウリ頭」と呼ばれている。
最初のうちは余りにも役に立たないが、繰り返し共に旅をすると少しは強くなる。
こばみ谷の人々
- フェイ
- 異国からやってきた地変学者。渓谷の宿場にある建物1件を借り、様々なダンジョンの問題を作っている。
- ナオキ
- さすらいの料理人。その腕前は天の味を作り出すとも言われている。
食亭「がけっぷち」の経営立て直しを依頼されるが…。 - ガイバラ
- 山頂の町に住む陶芸の人間国宝。元ネタは海原雄山。
元ネタ同様に妥協を許さない性格で、自分の気に入らない壷を見ると壁に投げつけて割ろうとするクセがある。
陶芸の代表作は「底抜けの壷」。その他にアホくさい壷やうっぷんばらしの壷などといった作品もある。
ちなみにSFC版のCMではCV:八奈見乗児だった。 - サルヤマ
- ガイバラの一番弟子。彼を含め、ガイバラの弟子は五番弟子までいる。
普段はガイバラに付き添い、アシスタント的な働きをしている。
ダンジョン一覧
- テーブルマウンテン(こばみ谷)
- ストーリー本編となるダンジョン。
- 掛軸裏の洞窟
- クリア後に入れるダンジョンその1。ワナ師の腕輪を駆使してモンスターを罠にかけながら進む。
- 食神のほこら
- クリア後に入れるダンジョンその2。ブフーの包丁とモンスターの肉の使い方が攻略の鍵となる。
- フェイの最終問題
- 上記のダンジョン全てをクリアすると現れるダンジョン。
持ち込み不可、ほぼ全てのアイテムが未識別など、トルネコの大冒険にあった「もっと不思議のダンジョン」の要素を継承している。99階まで潜ると…。
本作の特徴
本作の要素は殆どが後のシリーズに受け継がれたため、そのままチュンソフト制作のローグライクの特徴でもある。
そのため、他の作品との比較や2以降から導入され定着したシステムとの比較も記述する。
壺の登場
原則として中にアイテムを「入れる」ことで効果を発揮するアイテムで、後ろに容量が[x]のように書かれており
その容量の分だけ効果を発揮できる。通常、入れたものは壺を割らないと取り出せない。
特筆すべきものは2つあり、一つは分裂の壺という、入れたものを二つに分裂させるチート級のアイテムで、上手くやれば壺以外のアイテムを無限に分裂できる(ただしDSリメイク版においては削除された。機能が分割弱化されたやまびこの盾と異なり、ある種「当然の削除」と言えなくもない)。
もう一つは『割らずに中身を取り出せる』のが特徴の保存の壺で、こちらは普通に拾える壺というアイテム群の象徴のような存在だが、冷静に考えるとアイテムの取捨選択において壺以外のアイテムと競合しないどころか、拾えば無条件に生存手段の保持数を増やせるという反則的な性能を誇る。
保存の壺を始めとする壺の最も重要な点は一つのアイテム欄で多くの道具を持ち運べるという点で、これによって所持できるアイテムの量が激増し、ゲームバランスや戦略に大きな変化が生じた。
装備の合成
本作の重要なシステムの一つ。合成の壺に二つの装備品を入れると、先に入れたものをベースに後に入れたものの+値(修正値)や能力(印)が付与される。
特に後者が重要で、これによって装備品に複数の能力を持たせることができるようになった。
後の作品と異なり印数の制限がないので、ひたすら能力を合成すれば最強になるが、
マゼルン系がおらず合成の壺もやや出にくいため、ダンジョン内での合成は運が絡む。
ダンジョン内の店
ダンジョン内に店になっている部屋があり、中に値札がついたアイテムが置いてある。
それらを拾うか使うかすると店主が店の入り口を塞ぎ、お金(ギタン)を支払うことでまたどいてくれる。
また、店内に道具を置くと売ることができる。
店には通常のダンジョンには落ちていないようなすっごいアイテムが多数売られている他、
店主は未識別アイテムでも正確に値段を当てるため、値段によるアイテムの識別に利用できる。
泥棒
不思議のダンジョンでは様々な効果を持つアイテムが登場するため、それらを組み合わせることで店の入り口をふさいでいる店主をどけ(あるいは別ルートですり抜けて)金を払うことなく店の商品を強奪することができる。
ただし、店主に攻撃をくわえたり、泥棒をしたと判定されると、ただちに店主や盗賊番(シレンを一発で即死させるほど強い)などが次々と襲ってくるため、彼らが追ってこない次のフロアまで逃げ切るための工夫や準備が要る。
元々初代トルネコでも店の計画はあったそうだが、トルネコが商人であることや世界観にそぐわないということで没になったらしい。トルネコにも2以降には店も泥棒も存在する。
後のシリーズとの比較
本作は第一作目であるため、後のシリーズには当たり前のように定着しているものに今作にはないものがあり
風来のシレンシリーズの独自性の進化の過程を見てとることができる。
全体を見ると、アイテム持ち込みが救済であり、明確な「持ち込み可」がまだ存在していなかったらしいことが分かる。
持ち込み可高難易度ダンジョンがない
本作のクリア後のダンジョンは全て持ち込み不可であるため、テーブルマウンテンで鍛えた装備には原則それ以上の使い道はない。
持ち込み可の高難易度ダンジョンはシレン2の「あかずの間」から登場し、それ以降の作品でも定着している。本作のDSリメイク版でも追加された。
倉庫番がいない
本作では、アイテムを預かってくれる倉庫番が存在せず、アイテムは床における分しか保管できないため、
倉庫にアイテムを置いておける数は物凄く少なくなっている。中身入りの壺は預けて倉庫を出ると中身が消滅する。
DS版では壺ごと置いても中身が消えないので、SFC版の約5倍のアイテムを保管できる。
印システムがない
本作では武器や防具には無尽蔵に印を合成できるため、全ての印を合成した最強装備も作成可能。
のちのシリーズでは殆どに制限があるが、シレン4では殆どの装備に最終的に全ての印を合成することができる。
持ち帰りの巻物がない
飛脚や倉庫の壺でいくらかのアイテムを拠点の倉庫に送ることができるが、アイテムを抱えて帰還することはできない。
トルネコにはリレミトの巻物が存在したが、アイテムを持ち帰って店を大きくするのが目的である故であり
ゴール到達を目標とするSFC版風来のシレンではアイテムを持ち帰っても仕方なかったのかもしれない。
問題はDS版でも追加されなかったことで、初心者が持ち込み可の高難易度ダンジョンに挑むのはそれなりに勇気がいる。
DS版での変更点
後にDSで風来のシレンDSとしてリメイクされることとなったが、全体的に尖った部分を削ったり、穴を塞ぐタイプの変更がされており、洗練された反面やや派手さに欠けるバランスとなっている。
普通のプレイで引っかかる部分は少ないが、SFC版にあったテクニックは使えない物が多い。
ダンジョン
テーブルマウンテン攻略(以下、TMと呼ぶ)においてはかなりの変更がされている。
- 奇岩谷までならば前の階層に戻ることができるようになった。(ただし戻った場合、床に落ちているアイテムが一切出現しない)
- 天の恵みの巻物やちからの草、毒消し草などのプラスアイテムがダンジョン内で拾えるようになっている。
- 一部のモンスターの出現するフロアが異なる。また、ンドゥバやンドゥルーが店以外でも出現する。
- モンスターの自然発生の頻度が少ない。
- 竹林の村や山頂の町などの拠点に到着すると、持っている未識別アイテムが識別される。
- TMまでのダンジョン中でNPCが出現しやすい。したがって仲間NPCにも高確率で出会う。
これらの変更点や後半に出現するモンスターの攻撃力が調整により相当下がっているので、エンディングを見るまでの難易度はかなり緩くなっている。テーブルマウンテンに突入した途端、ミノタウロスの痛恨の一撃で規格外のダメージを受ける事もないため、SFC版をプレーした人にとってはかなりの違和感を感じるかもしれない。
追加要素では、今までTMをクリアした後はもう装備を使う場所がなかったが、新ダンジョン「魔蝕虫への道」が登場し、TMの延長という形で99Fまで潜れるようになっている。さらに持ち込み可のダンジョンがいくつか追加されている。
システム
- Wi-Fiにも対応した救助システムが搭載された。
- アイテムの呪いについては、アスカ以降同様に全てのアイテム種別が対象となり、初の仕様としておはらいの巻物での解呪が1つだけになった。そのためアイテムが呪われるとダメージが大きい。また、装備品が呪われると印の効果が出なくなる。
- 武器や防具に強化限界が追加された。だが、GB2のような戦略的な物ではなく、ドラゴンキラーなどの印付き装備の限界値が一律+8になってしまったため、持ち込み不可ダンジョンですらメイン武器としての使用は厳しくなっている。
- 罠の上に道具が落ちないため、モンスターは罠にかからない。
- モンスターが仲間NPCにターゲット変更するようになった。また仲間NPCは自身のHPが少なくなると敵に向かっていかず、シレンの周囲に留まるようになった。
- 真空切りの巻物などのシレン周辺や部屋全体に効果のある巻物の効果が仲間NPCには及ばなくなった。これによりバクスイの巻物で仲間NPCを倍速にして無双させる方法ができなくなった。
アイテム
SFC版に存在した強力なアイテムの一部は、分割あるいは弱体化している。
分裂の壺、やまびこの盾、壺増大の巻物が削除されている他、必中の剣がレア化している。
追加では斬空剣や三日月刀、金の盾など他シリーズでお馴染みのもの、
追加ダンジョンで手に入る、やまびこの盾の機能を分割弱化したプリズムの盾とゲイズの盾、キグニキングの斧
Wi-Fi限定で手に入る、強化限界が高い○○改や2種類の腕輪の効果がくっついた腕輪などがある。
高飛び草や持ち帰りの巻物が出ないが、これはSFC版に準拠している。この二つは追加しても良かったのでは…
モンスター
新モンスターも追加されており、チンタラやタイガーウッホ等、後の作品から逆輸入されたものが多いが、パルテノンや魔蝕ソルジャーはSFCでの没ネタ出身、ヒーポフ系とカラカラペンペン系はDSリメイク版が初登場である。ヒーポフは解りやすい能力と可愛さで3や4でも登場しているが、カラカラペンペンは単純アイテム破壊+次の階まで場所をとるという底意地の悪すぎる能力(おまけにシレンシリーズの醍醐味である「敵の性質を利用した立ち回り」すら拒む純粋なマイナス効果)のため、DSリメイク版の改悪箇所としてよくやり玉に上がる。
また、全ての敵にLv4(場合によってはLv3)が追加され、レベル3の敵の攻撃力が大体255という大味な部分は改善されたものの、ネーミングの悪さや整合性のなさがやや問題となった。当然、特殊能力は以前より凶悪。
イベント
以下、SFCとは仕様が異なるイベントや追加されたイベントがある。
- フェイの問題を50問の一覧から選べるようになった(ただし1回の冒険につき、1問は変わらず)。また、一部内容が変わっていたり、新しく追加された問題もある。
- ペケジが強くなるまでの過程がSFCより多くなっている。更に成長途中のペケジが腹を空かせても完全に動けなるまでの猶予が存在するようになった。
- 食亭「がけっぷち」を立て直す過程のイベントが追加された。
- 竹林の村にいる鍛冶屋の娘関連のイベントが追加された。
- エンディング後に車屋で行ける場所が増えた。
- TMまでのダンジョン内に鍛冶屋が出現するようになった。また、ダンジョン内に出現する親切なおじいさんと奇岩谷にいる犬が時によってアイテムをくれることがある。
niconico上での利用について
2012年10月5日、チュンソフトはniconico上での利用を許諾。公式で動画投稿、生放送、二次創作を行えるようになった。 対象はSFC版/WiiのVC移植版の「初代風来のシレン」のみなので注意。
詳しくは『不思議のダンジョン2 風来のシレン』の利用宣言へ。
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