世界を売った男(The Man Who Sold the World)とは、1970年のデヴィッド・ボウイによる第3作目のアルバム、およびその表題曲である。
概要
前作「スペース・オディティ」に比べ知名度はマイナーで、路線変更の途中であった事もありボウイ自身の評価も低かったと言われるアルバムだが、トニー・ヴィスコンティをはじめとしたメンバーの名演により唯一無二の魅力を放つ一作となっている。
UK盤のジャケットは女性のドレス姿のボウイがソファーに横たわっているというもので、表題曲の世界観を表現した倒錯感とダークさを感じさせる。
2曲目の「All the Madman」は精神病院に入院していたボウイの兄テリーに捧げられている。
カバー
1982年にウルトラヴォックスのボーカル、ミッジ・ユーロによってカバーされる。後に彼を「ミッジ先生」と呼ぶゲーム監督小島秀夫によってそのバージョンがあるゲームに登場することになる。(後述)
1993年、ニルヴァーナが音楽番組MTVアンプラグドでカバーを発表し、この曲の知名度を高めた。オリジナル版やミッジ版のイギリス英語と違いアメリカ英語のアクセントで歌われているのが特徴。
MGSVにおける世界を売った男
事実なるものは存在しない、あるのは解釈だけだ
2015年のゲーム「メタルギアソリッドV ザ・ファントム・ペイン」では前述のミッジ・ユーロによる80年代のカバー版が引用されている。
物語の序章、1984年に9年間の昏睡状態から目覚めた主人公、BIGBOSSこと後のパニッシュド”ヴェノム”スネークがベッドの上でラジオから聴くことになる一曲。
そしてゲームの最終章「世界を売った男の真実(TRUTH:Man Who Sold the World)」では、覚醒した二人の男、”エイハブ”と”イシュメール”の辿った運命に関する真実が明かされ、この曲がストーリーに絶妙にリンクしたものであったと分かる。
他にも、ボウイの「ダイアモンドの犬」の名が主人公たちが作り上げた組織「ダイアモンド・ドッグズ」として登場。さらに小島監督は以前にもデヴィッド・ボウイの楽曲である「Space Oddity」や「Ashes to Ashes」がメタルギアソリッド3の要素に影響を与えているとし、これらの曲を同ゲームの主題歌にしようとしていた。
関連動画
関連項目
- 2
- 0pt