中継ぎ投手とは、野球・ソフトボールにおいて先発投手と抑え投手の間に投げる投手のことを言う。
略して中継ぎとだけ呼ぶことも多い。
概要
先発投手が中6日など決まったローテーションで登板するのに対し、中継ぎ投手の登板は不規則である。投手がマウンドに上がる前にはブルペンでの投げ込みが必要であり、試合の展開に合わせて中継ぎはアップを始める。つまりマウンドで投げる球数以上に実質は投球を行っており、それを毎試合のようにこなしているのである。
そのため先発と違い長いイニングを投げるためのスタミナは必要無いが、連日投球できるだけのタフさ、また緊急時に素早く肩を作ることが出来る能力などが求められる。
中継ぎ投手の変遷
最多勝や最優秀防御率など様々なタイトルに恵まれる先発投手や、試合の最後を締めるという特別な位置づけで注目が集まる抑え投手とは違い、縁の下の力持ちともいうべき形で光の当たりにくいポジションなのが中継ぎ投手である。
とくに投手の分業制が図られる前の時代は、中継ぎと言えば先発として投げることが出来ない、一段力の落ちた投手であると言う認識があった。そのため先発から中継ぎに配置転換されることを「中継ぎ落ち」と呼び、投手にとっては屈辱を感じる処置だったのである。
中継ぎは投手によって登板試合数もイニング数も全く違うことから、防御率や奪三振と言う数字で優劣を語ることが難しい。とくに救援勝利の数が多い投手は逆に評価が下がることもある。なぜならチームがリードしているときに出てきた中継ぎが勝利投手になるためには一度同点に追いつかれるか逆転されるかせねばならず、そこから自分が投げている間にチームが再びリードを奪うことが必要である。つまり自分が打たれたにもかかわらず勝利投手の権利が転がり込む事があり、それは同時にそれより以前に投げていた投手の勝ち投手の権利を奪うことにもなるので、勝ち星は増えるが逆に評価はさがってしまう(そういった勝ち星のことを俗に盗人勝利とも呼ぶ)。もちろん勝利数の多さ=盗人の多さとは限らず、2008年の山口鉄也(巨人)のように、中継ぎでシーズン11勝を挙げたが盗人勝利は一度だけ、という場合もある。記録の上では白星の内容は区別されないため、数字から単純に判断はできない。
近年は投手の分業が整ってきたことから中継ぎ投手の地位も高くなり、1996年からは中継ぎ投手専門の表彰「最優秀中継ぎ賞」も制定された。とくに勝利の方程式と呼ばれる勝ちパターンでの継投の一角を担う中継ぎは注目も大きく、先発投手以上の評価をされている投手も少なくない。
2011年、浅尾拓也がその年最優秀中継ぎ投手を受賞した選手として初めてシーズンMVPに輝いた(リリーフ投手のMVPは江夏豊、郭源治、佐々木主浩などの例があるが、全て抑え投手である)。またその年先発登板の無かった投手として初めてゴールデングラブ賞も受賞した。
中継ぎ投手の記録
ホールド・ホールドポイント
中継ぎ投手の勝利に対する貢献度を表した指標であり、いわば中継ぎ投手においてのセーブ記録に値するものと考えてよい。1996年よりパリーグで、2005年よりセ・パ両リーグで採用されている(厳密には1996年~2004年のホールドは現在とは規定が異なる)。
ホールドの条件は野球規約によって決まっており、それはwikipediaのホールドの項に詳しく書かれているため、ここではそこへのリンクを紹介することで条件の説明に変えることとする。⇒wikipedia(ホールド)
ホールド数に救援勝利数を足したものをホールドポイントと呼び、シーズンにおいて最もホールドポイントを得た投手に最優秀中継ぎ賞が与えられる。
勝ち投手(救援)
- チームはリードしているが先発投手に勝利投手の権利が無い状況(先発が5回持たずに降板したとき)で登板し、そのまま追いつかれること無くチームが勝利した場合。この時はその後に投げた救援投手の中で、最も勝利に貢献したと公式記録員が見なした投手が勝利投手となる。日本では投球回数が優先され、最も投球回数が多い投手と、その投手とのイニング数の差が1イニング未満の投手が候補となる。
- チームが負けているか同点の状況で登板し、その後自分が投げている間にチームが勝ち越し、かつリードを保ってそのまま試合が終了したとき。ただし2005年からは投球回数が1回未満かつ登板中に得点を許した投手は原則的に勝利投手とはなれず、その後に投げた投手の中から勝利投手が選ばれる。またサヨナラゲームの場合は、無条件で最後に投げていた投手が勝ち投手となる。
2の条件の場合極端な例では1球勝利、果ては0球勝利(投球前に牽制でアウトを取った場合に発生しうる)と言う稀な記録も存在している。
日本プロ野球においては2009年終了時点で1球勝利は28回記録されているが、0球勝利はまだ記録されていない。MLBでは2003年にB.J.ライアン投手が0球勝利を記録している。
リリーフポイント
中継ぎの試合における貢献度を評価した指標で、1996年~2004年にセ・リーグで採用された。リリーフポイントの算出方法はWikipediaを参照のこと。⇒Wikipedia(リリーフポイント)
ホールドでは評価できない大量リードやビハインドでの登板でも評価されるというメリットもあったが、数値の計算が面倒というデメリットもあり、2005年以降はセ・パが中継ぎに対する評価をホールドポイントに一本化することになったため、使用されることがなくなった。
中継ぎの役割による分類
中継ぎエース(セットアッパー)
試合の終盤、点数が競っている状況のときに投げることが多い投手。いわゆる勝利の方程式の一角であり、僅差で勝っているときの出番が基本。
その役割の重要性から抑え投手と同レベルの扱いをされ、その能力も高いものが求められる。要求される能力もクローザーと近いため、クローザー・セットアッパー間での配置転換も良く見られる。
僅差の出番が多いことから自然とホールドを稼ぎやすく、最優秀中継ぎ賞は通常セットアッパーから選ばれる。
ワンポイント
打者1人ないしは2人程度と対戦するために登板する投手であり、たとえ打たれようが上手く抑えようがそこで交代することが前提にある。右のワンポイントも存在するが、希少性から左のワンポイントの有用性が高い。一度使ってしまえば二度と使えない切り札的なものなので、試合終盤のここぞと言う場面で登板することが多い。
左のワンポイントは永射保が先駆けであり、「松井キラー」として名を馳せた遠山奬志などが有名である。
ロングリリーフ
試合の序盤で先発投手が降板したときなどに、その後の救援投手にかかる負担を減らすために長いイニングを投げる役割を持ったリリーフ投手。通常中継ぎ投手は2イニング未満の登板が常であるが、ロングリリーフの場合おおむね3イニング以上投げることになる。
他の中継ぎよりもスタミナが必要であるため、元先発投手であったり、後に先発に転向したりすることがある。
敗戦処理
チームが大量のリードを許してしまい、逆転が難しくなった状況で登板する投手のこと。敗戦処理の名の通り、チームが勝ちをあきらめた展開で起用され、登板過多になりやすいセットアッパーやワンポイント投手を投げさせないことを目的とする。
通常投手全体の中で最も格が落ちる投手が起用され、故障明けの先発投手の実践訓練などにも使われたりする。実戦経験の少ない2軍上がりの投手がこの役割をになうことが多いため、敗戦処理の場であってもその投手本人にとっては好投することでステップアップが図れるチャンスでもある。
2009年までロッテの監督を務めていたボビー・バレンタインは、若手投手に敗戦処理はさせないというポリシーを持っており、ベテランの小宮山悟にこの役割を任せていた。
中継ぎ投手の主な記録
※所属は基本的に記録達成時のもの
- 通算ホールド数:ジェフ・ウィリアムス(阪神) 141ホールド
- 通算ホールドポイント:浅尾拓也(中日) 165HP
- シーズン最多ホールド数(プロ野球記録):浅尾拓也(中日) 47ホールド(2010年)
- シーズン最多ホールド数(パ・リーグ記録):平野佳寿(オリックス) 43ホールド(2011年)
- シーズン最多ホールドポイント(プロ野球記録):浅尾拓也(中日) 59HP(2010年)
- シーズン最多ホールドポイント(パ・リーグ記録):平野佳寿(オリックス) 49HP(2011年)
- 連続試合ホールド(プロ野球記録):藤川球児(阪神) 17試合連続(2005年)
- 連続試合ホールド(パ・リーグ記録):吉武真太郎(ソフトバンク・2005年)、平野佳寿(オリックス・2011年) 10試合連続
- 連続救援登板数(プロ野球記録):岩瀬仁紀(中日) 623試合(2011年終了時点)
- 連続救援登板数(パ・リーグ記録):藤田宗一(ロッテ→ソフトバンク) 542試合(巨人時代を含めると600試合)
主な中継ぎ投手(※2011シーズン終了時のデータ)
現役(2011年の主力選手 ※中継ぎ登板30試合以上/セーブ数9以下)
国内プロ野球
福岡ソフトバンクホークス |
北海道日本ハムファイターズ |
埼玉西武ライオンズ |
オリックスバファローズ |
東北楽天ゴールデンイーグルス |
千葉ロッテマリーンズ |
中日ドラゴンズ |
東京ヤクルトスワローズ |
読売ジャイアンツ |
阪神タイガース |
広島東洋カープ |
横浜ベイスターズ |
海外リーグ
元中継ぎ投手(※主力投手)、先発・抑えだが中継ぎもする投手
- 攝津正(福岡ソフトバンクホークス) ※現在は先発
- 大場翔太(福岡ソフトバンクホークス) ※現在は先発 2011年は中盤まで中継ぎ
- 武田久(北海道日本ハムファイターズ) ※現在は抑え
- 武田勝(北海道日本ハムファイターズ) ※現在は先発
- ブライアン・ウルフ(北海道日本ハムファイターズ) ※現在は先発
- 岩瀬仁紀(中日ドラゴンズ) ※現在は抑え
- 久保裕也(読売ジャイアンツ) ※現在は抑え
- 藤川球児(阪神タイガース) ※現在は抑え
- 下柳剛(阪神タイガース) ※現在は先発
- 加賀繁(横浜ベイスターズ) ※現在は先発 2011年は中盤まで中継ぎ
OB(※生年順)
1950年代以前
1950年代
- 永射保
1960年代
1970年代
- 島田直也
- 森慎二
- ジェフ・ウィリアムス
- 木塚敦志
架空選手(作品名順 ※二次創作は下に置く)
- 三ヶ月心(キャットルーキー)
- 凡田夏之介(グラゼニ)
- 古谷文也(最強!都立あおい坂高校野球部)
- 早川あおい(実況パワフルプロ野球)
- 阿畑やすし(実況パワフルプロ野球)
- 橘みずき(実況パワフルプロ野球)
- 沢村栄純(ダイヤのA)
- 川上憲史(ダイヤのA)
- アリス・マーガトロイド(東方野球in熱スタ2007)
- パチュリー・ノーレッジ(東方野球in熱スタ2007)
- ルナサ・プリズムリバー(東方野球in熱スタ2007)
- 古明地こいし(東方野球in熱スタ2007EX)
- 村紗水蜜(東方野球in熱スタ2007L)
関連商品
関連項目
http://dic.nicomoba.jp/k/a/%E4%B8%AD%E7%B6%99%E3%81%8E%E6%8A%95%E6%89%8B


ページ番号: 4265555
リビジョン番号: 1505870
読み:ナカツギトウシュ
初版作成日: 10/01/23 00:41 ◆ 最終更新日: 12/04/20 15:42
編集内容についての説明/コメント: 記述微修正
記事編集 / 編集履歴を閲覧 / Twitterで紹介





JASRAC許諾番号: 9011622001Y31015
ヘッダー:固定
ヘッダー:追従