乳児用液体ミルク(乳児用調製液状乳)とは、液体状の、乳児用に調整された母乳代替食品である。
概要
乳児用に調整された母乳代替食品には、粉状及び液体状の2種類が存在する。後者を乳児用液体ミルク、又は略して液体ミルクと称す。
平成31年(2019年)3月5日、内閣府の消費者庁は健康増進法に基づき、乳児用液体ミルクについて、江崎グリコと明治の製造する商品に、「乳児用」と表示して販売することを許可した。国内で液体ミルクが販売されるのは初めて。常温保存可能で、災害時の備蓄用としても有効。[1][2]
内閣府の消費者庁リーフレット[3]から
熱量(エネルギー) 標準濃度の熱量(100mL当たり) |
60~70kcal |
---|
成分 | 100kcal当たりの組成 |
---|---|
たんぱく質 | 1.8~3.0g |
脂質 | 4.4~6.0g |
炭水化物 | 9.0~14.0g |
ナイアシン(ビタミンB3)[4] | 300~1500μg |
パントテン酸(ビタミンB5) | 400~2000mg |
ビタミンA[5] | 60~180μg |
ビタミンB1 | 60~300μg |
ビタミンB2 | 80~500μg |
ビタミンB6 | 35~175μg |
ビタミンB12 | 0.1~1.5μg |
ビタミンC | 10~70mg |
ビタミンD | 1.0~2.5μg |
ビタミンE | 0.5~5.0mg |
葉酸(ビタミンB9) | 10~50μg |
ビオチン(ビタミンB7) | 1.5~10μg |
イノシトール | 4~40mg |
亜鉛 | 0.5~1.5mg |
塩素 | 50~160mg |
カリウム | 60~180mg |
カルシウム | 50~140mg |
鉄 | 0.45mg以上 |
銅 | 35~120μg |
セレン | 1~5.5μg |
ナトリウム | 20~60mg |
マグネシウム | 5~15mg |
リン | 25~100mg |
α-リノレン酸 | 0.05g以上 |
リノール酸 | 0.3~1.4g |
Ca/P | 1~2 |
リノール酸/α-リノレン酸 | 5~15 |
母乳代替食品
乳児にとって最良の栄養である母乳が不足又は母乳継続が困難な場合に、母乳の代替品として使用可能で、尚且つ乳児の発育に必要な栄養条件を満たす様に特別に製造された食品(粉ミルク、液体ミルク)のことを、母乳代替食品と称す。
粉ミルクとの違い
使い方
与え方
注意点
「母乳は赤ちゃんにとって最良の栄養です。」パッケージ文言
江崎グリコが販売した乳児用液体ミルク「アイクレオ 赤ちゃんミルク」の「母乳は赤ちゃんにとって最良の栄養です。」パッケージ文言に不満噴出とする旨の報道がされた。[6]
この文言は、前述の販売許可した内閣府の消費者庁の規定「乳児にとって母乳が最良である旨の記載」義務、及び「当該製品が乳児にとって最良であるかのように誤解される文章、イラスト及び写真等の表示は望ましくない」というお上の要請に江崎グリコが従った為であり、江崎グリコ側に何の落ち度は無い。
同様の表示義務は、液体ミルクの販売が近々予定されている明治等の後続のメーカーの商品にも当然適用されることになる。江崎グリコは、同時期に販売許可されたどのメーカーより先んじて液体ミルクの販売に漕ぎ着けた為、「日本初の乳児用液体ミルク」として歓迎の声が上がる一方、前述の報道にある様な批判の矢面に立たされるという不条理な事態に立たされた。
関連動画
関連商品
関連リンク
関連項目
- ミルク
- 内閣府
- 江崎グリコ
- 明治
- たんぱく質 / 脂質 / 炭水化物 / ナイアシン(ビタミンB3) / ビタミンA / ビタミンB1 / ビタミンB2 / ビタミンB6 / ビタミンB12 / ビタミンC / ビタミンD / ビタミンE / 葉酸(ビタミンB9) / 亜鉛 / 塩素 / カリウム / カルシウム / 鉄 / 銅 / セレン / ナトリウム / マグネシウム / リン
- 飲料の一覧
脚注
- *国内初の乳児用液体ミルク発売 消費者庁が表示許可: ニコニコニュース
- *液体ミルク、店頭発売=常温保存、災害時に強み-東日本大震災8年: ニコニコニュース
- *乳児用液体ミルクってなに?: 消費者庁(PDF)
- *ニコチン酸及びニコチンアミドの合計量
- *レチノール量
- *「母乳は赤ちゃんにとって最良の栄養」 液体ミルクのパッケージ文言に不満噴出: ニコニコニュース
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