派生して異なる2種類のものを同時に使いこなす意味でも使われる。
概要
一般的な剣術では日本剣術のように両手で一本の剣を構えるか、西洋剣術のように利き手に片手剣を持ちもう一方に盾などを装備するのに対し、両手に一本ずつ刀剣を構えて戦う技法の事。
現代では剣道の試合で、成年者は両手に竹刀を持つ二刀流での出場が公式に認められている。
アニメや漫画などでは両手に太刀・大剣を構えるスタイルがしばしば見られるが、日本の剣道では片手に太刀(本差)、もう片方には刃の短い小太刀(脇差)を。またヨーロッパの剣術ではレイピアとマンゴーシュ(短剣)をそれぞれ構えるなど、一般的には長短2種類の武器を構える例が大半である。また流派によっては短刀を逆手持ちにする事もあったり、東南アジアではトンファーや釵を装備したり双剣のように両方とも短刀を装備する事もある。
他にも、フィクション作品の場合は腕が3本以上あったり、様々な部位で刀剣を同時に操る描写もままに見られるため、一緒に持つ武器の数から「X刀流」という名前で語られる場合が多い。『ONE PIECE』のゾロ(三刀流)が有名であるか。
二刀流の最大のメリットは両手に武器を構えることにより手数が増えることや、攻撃・防御のバリエーションが増えることにある。先述の通り大小2種の剣を組み合わせて使用するのも、2種類の間合いを取ることで攻撃のチャンスを増やす事が出来るからと言われている(長剣で相手の剣を払いつつ突撃し短剣で相手の腹を刺すなど)。
しかし実際に二刀流を扱うにはメリットよりもデメリットのほうが多い。
例えば
- 両方の剣に集中するあまり、どちらも中途半端になってしまう。
- どちらの得物も利き手と同じように操作しなければならない場合がある。
- 両手で扱うことが主体の刀剣や両手専用の刀剣もある(前者は日本刀や片手半剣。後者はツヴァイハインダ―など。)
- 刀で防御も行う場合、十分な力が無いと両手持ちの剣の攻撃を受けきれない [1]。
- 二刀流を扱う人が少ないので、教えを受けにくい
などである。
だが、剣道などでは逆に「二刀流と戦った経験がない」選手が大半なので試合を有利に運べる可能性もある。
但し剣道の場合には基本的に小太刀での打突は「有効」と認められない(正確にはルール上は小太刀でも有効なのだが、「心・技・体」がしっかり揃った打突を決める事が小太刀では難しいので、事実上不可能)。
しかし、こういった欠点を補ってもなお魅力的なのは、やはり「格好いい」ロマン溢れる剣術故であろう。
二丁拳銃
また二刀流と同様のケースとして、2つの銃器を両手で同時に扱うことを「二丁拳銃」と呼称する。
こちらは西部劇やスパイ映画など、銃が登場する作品で見られる機会があると思われる。ちなみにこちらも瞬間的に高い火力を得ることが出来るというメリットに対し、片手で保持すると照準がぶれる、銃を保持した状態でリロード出来ないなど、現実性が乏しい。
プロ野球における二刀流
プロ野球において二刀流とは投手と野手を兼任している選手の事を指す。
当然ながら双方を同時にこなすことは体力の消耗が激しく、成績もどっちつかずなものになる可能性が大きいため現在ではほとんどお目にかかることはないが、プロ野球黎明期においては選手が不足していたために野手と投手を兼任し、中には両方で結果を残した選手も確かに存在する。
また厳密には二刀流とは言い難いが、打撃の良い投手が代打として登場したり(例:桑田真澄、金田正一)、投手で目立った結果を残せず、野手に転向して大成する(例:愛甲猛、嶋重宣、石井琢朗など)選手も存在する。
近年では北海道日本ハムファイターズに入団した大谷翔平が二刀流に挑戦し、さらに2018年からMLBに転向して、ロサンゼルス・エンゼルスにおいて二刀流をアメリカ全土に知らしめたことで話題を呼んでいる。アメリカ人にとっては、野球の伝説的選手、ベーブ・ルースを思い起こさせることもあって さらに話題を沸騰させている。
主な二刀流経験選手
関連動画
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関連項目
一般項目 |
著名な二刀流(X刀流)の使い手
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脚注
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