- プロ野球選手一覧 > 井納翔一
井納翔一(いのう しょういち、1986年5月1日-)とは、東京都出身の元プロ野球選手(投手)である。
概要
OB | |
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井納翔一 | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 東京都江東区 |
生年月日 | 1986年5月1日 |
身長 体重 |
188cm 87kg |
選手情報 | |
投球・打撃 | 右投右打 |
守備位置 | 投手 |
プロ入り | 2012年ドラフト3位 |
引退 | 2022年 |
経歴 | |
プロ野球選手テンプレート |
木更津総合高校では2年夏の甲子園ではベンチ外であり、3年次は県大会準決勝で敗れ甲子園出場はならず。上武大学進学後、4年次になって頭角を現し、春秋連続で最優秀防御率を受賞。春の大学選手権にも出場した。
大学卒業後は社会人のNTT東日本に進む。3年目まではリリーフでの登板が中心で目立つ存在ではなかったが、4年目に頭角を現し、都市対抗2回戦のトヨタ戦で8回2失点の好投を見せプロからの評価を高めた。
2012年のドラフト会議で、横浜DeNAベイスターズに3位で指名され入団。背番号は15。
DeNA時代
2013年(1年目)は開幕から先発ローテーション入りする。無援護と味方の守備(主にアレックス・ラミレス)に足を引っ張られる展開が続きなかなか勝ちがつかなかった。6試合目の先発となった5月7日の広島東洋カープ戦で6回途中3失点でプロ初勝利を挙げた。その後は中継ぎもこなしたが、6月末に6回8失点と炎上して二軍落ち。8月に一軍に昇格し、9月28日の読売ジャイアンツ戦で9回を4安打2失点に抑えプロ初完投勝利を挙げた。最終的には18試合に登板して5勝7敗2ホールド、防御率5.34。オフには梶谷隆幸、三嶋一輝と共に侍ジャパンに選出された。
2014年は2年連続で開幕ローテーション入りを果たし、4月12日の東京ヤクルトスワローズ戦では1失点の完投勝利を収めるなど3連勝でスタート。5月16日の阪神タイガース戦では6勝目を挙げ、開幕一ヵ月半で早くも前年の成績を上回った。同月23日の北海道日本ハムファイターズ戦ではプロ初完封勝利を達成。7月25日のヤクルト戦で10勝目に到達し、三浦大輔以外の横浜生え抜き投手では2002年の吉見祐治以来12年ぶりの二桁勝利を達成。後半戦では打ち込まれることが増え、勝ち星が伸びず防御率も悪化したが、最終的に11勝9敗、防御率4.01の成績を残した。
2015年も開幕から先発ローテーション入りしたが、後半戦ではチームと共に低迷した。全体的な投壊により、その中では比較的まともな先発投手だった井納は相手のエース・2番手にばかりぶつけられ、案の定のムエンゴにより余計に勝ち星が伸びなくなった事情もある。実際5勝8敗ではあったが、防御率は3点台前半と健闘している点からもうかがえる。
2016年はキャンプから山口俊がエース兼開幕投手に指名され負担が減るかと思われたが、よりによってそのどすこいが開幕前に離脱。代理で開幕投手を務める事となった。
その開幕戦は好投し見事勝利し、立派に代役を勤め上げた。その後は他の先発投手陣にリリーフを複数必要とするタイプの投手が多かった事もあり、イニングイーターとしての役割を果たすも負担とムエンゴがたたったか最終的には7勝11敗の成績に終わる。防御率は3.50と踏ん張るも、前年に75%を誇ったQS率は52.2%までダウンした。
その代わり投球回数は150回を超え、2度の完投(1完封)を決めた。
2017年も不調に悩み、25試合の登板で6勝10敗に留まった。10月1日の広島戦では中継ぎとして登板し、2年連続のクライマックスシリーズ出場を確定させた。
日本シリーズ第1戦で登板したが、5回7失点で敗戦投手となり、その後は第3戦と第6戦で中継ぎとして登板し、無失点と好投した。
2018年は中継ぎとして登板していたが、5月に不振に陥り二軍落ち。二軍で先発投手として調整し直していたが、7月1日の日本ハム戦(二軍)でノーヒットノーランを達成し、後半戦から先発に転向した。10月に右肘のクリーニング手術を受けた。
2019年4月6日の読売ジャイアンツ戦で勝利投手となったが、これが球団の通算4000勝となり、球団の歴史に名を残した。しかし6月15日の福岡ソフトバンクホークス戦で敗戦投手となったが、これが球団の通算5000敗となった。15試合の登板で4勝5敗だった。
2020年は17試合に登板し、6勝7敗だった。11月1日には国内FA権を取得した。
巨人時代
2020年オフにFA宣言し、12月14日に読売ジャイアンツに移籍することが発表された。背番号は21。
2021年は開幕から先発ローテーション入りしたが、3月31日の中日戦で1回4失点で降板した後二軍落ちした。5試合の登板で1敗に終わり、オフは下半身の強化に取り組んだ。
2022年は7試合の登板で1勝1ホールドに終わり、戦力外通告を受けた。12球団合同トライアウトを受けたが獲得に動く球団は現れず、現役を引退した。
引退後
プレースタイル・人物
- 188cmの長身から大学、社会人時代は「イノビッシュ」と呼ばれていたが、プロ入り後は「ハマのダルビッシュ」である国吉佑樹がいるため定着せず、不思議な言動から「宇宙人」と呼ばれている。
そのネタを拾ったか、某野球ソーシャルゲームでは「コズミックメンタル」なる固有能力を得ている。 - 宇宙人と呼ばれる程に周囲の空気を読まないからなのか、連敗時でも割りと悪いムードに飲み込まれず、連敗ストッパーになってくれる事がある。
- スリークォーターから最速150km/hのストレート(平均は144km/h程度あり、これは両リーグ合わせて10番手に匹敵する程の安定度である)とスプリットに加え、スライダーやスローカーブを投げる。
速球がナチュラルシュートするタイプである。
スプリット(フォーク)は強力な決め球であるが、これを序盤から多投すると中盤以降に握力が低下してしまう。
ハマの宇宙人
天然キャラで、デニー友利曰く「あいつは宇宙人。宇宙と交信している」。藤井秀悟もイチオシ。
- 新人合同自主トレの練習後、グラブを2つ重ねて「はい、バナナの叩き売りだよ!」と絶叫。盛大にスベる。
- 試合前、記者の前で「ヤバイです。きょうは4時起きです」と言い残しベンチ裏へ。試合後、記者に早起きの理由を尋ねられ「誰に聞いたんですか!? 早いッスね、情報が」と目をぱちくり。なお、早起きの理由は「おなかすいて目が覚めちゃったんです」とのこと。
- 試合で対戦したブライアン・ラヘアについて「ラ、ラフェア? カタカナは苦手なんですよ」
- 「野手が捕球したボールをある塁に送り、走者の刺殺を助けることを何と言う?」(正解は「補殺」)という野球用語問題に対して「意味が分からないんですよ」。結局「へいさつ」とひらがなで答える。
- 上記の問題を含むテストで0点に終わり、三浦大輔から「罰ゲームです」と言われ、「じゃあ、リーゼントにします」
- 愛車のアウディの故障中に借りた代車が気に入り、3週間で4000km走行する。「自主トレで球場やゴルフに行っただけなんですけどね」と不思議がり、「あ! 練習はちゃんとしてますよ」と付け加えた。
- ソチ五輪に絡めて「あなたにとってK点越えは?」との質問に対し「そもそもK点ってなんですか?」
- 2014年5月9日のヤクルト戦で記録した1イニング3暴投が日本タイ記録と記者から聞かされ、「本当に? マジ? ああ、ありがとうございます」となぜか感謝。
- プロ初完封を達成した試合でオフに覚えたツーシームを10球投げ、捕手の高城俊人も「ツーシームが良いところに決まった」とコメントするも、本人は「今日は(ツーシームを)投げてない」と投げたことを忘れる。
- 試合前の中畑監督への取材の際、囲んでいる記者の中にペンとメモを持って紛れ込んでおり、中畑監督から「お前にオレの言動をチェックされるようになったら終わりだよ!」と言われた。また、井納の成長を実感しており、「去年はアイツ、会話がかみ合わなかったもんな。それだけでも人間としてだいぶ進歩したよ」とも。
- 月間MVPの受賞会見で記者からプロ野球コンベンションの話を聞き、「フォーメーションって何ですか?」
- 140球完投勝利した試合後の談話「(中畑)監督から『今日は託したぞ』と言われて、どういう意味か分からなかった」
- 2016年のキャンプにて筒香嘉智をおぶって会見場に登場。 降ろしながら「DeNAのゾウさんです」とひとこと。
ちなみに2016年シーズン中は、結婚したからなのか30歳を迎え先発投手陣の主軸としての自覚が芽生えたのか、締まったコメントの方が増えて来ている。
ところが、新人の熊原健人が似た様な言動を披露したりと、宇宙人キャラは伝授されてしまうものらしい(?)。
ちなみに井納はエリアン・エレラを「熊原が2代目宇宙人でエリアンが3代目」などと言っていたが、エリアンは名前の読みが「エイリアン」に似ていただけで本人は至って真面目でまともなナイスガイである。
成績
年度別投手成績
年度 | 球団 | 登板 | 先発 | 完投 | 完封 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | ホールド | 勝率 | 投球回 | 与四球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 | 防御率 |
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2013年 | DeNA | 18 | 14 | 1 | 0 | 5 | 7 | 0 | 2 | .417 | 89.1 | 35 | 66 | 56 | 53 | 5.34 |
2014年 | 25 | 25 | 3 | 1 | 11 | 9 | 0 | 0 | .550 | 159.1 | 49 | 104 | 83 | 71 | 4.01 | |
2015年 | 21 | 20 | 3 | 0 | 5 | 8 | 0 | 0 | .385 | 134.2 | 40 | 92 | 56 | 49 | 3.27 | |
2016年 | 23 | 23 | 2 | 1 | 7 | 11 | 0 | 0 | .389 | 151.2 | 47 | 113 | 65 | 59 | 3.50 | |
2017年 | 25 | 24 | 1 | 0 | 6 | 10 | 0 | 0 | .375 | 152.1 | 46 | 93 | 66 | 65 | 3.84 | |
2018年 | 24 | 7 | 0 | 0 | 6 | 3 | 1 | 8 | .667 | 61.0 | 16 | 44 | 27 | 24 | 3.54 | |
2019年 | 15 | 14 | 0 | 0 | 4 | 5 | 0 | 0 | .444 | 70.0 | 28 | 50 | 43 | 37 | 4.76 | |
2020年 | 17 | 17 | 1 | 0 | 6 | 7 | 0 | 0 | .462 | 89.0 | 26 | 69 | 41 | 39 | 3.94 | |
2021年 | 巨人 | 5 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 5.0 | 1 | 5 | 8 | 8 | 14.40 |
2022年 | 7 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1.000 | 5.0 | 2 | 4 | 1 | 1 | 1.80 | |
NPB:10年 | 180 | 145 | 11 | 2 | 51 | 61 | 1 | 11 | .455 | 917.1 | 290 | 640 | 446 | 406 | 3.98 |
表彰・その他
表彰 | ||
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月間MVP | 1回 | 2014年5月 |
その他 | ||
オールスターゲーム出場 | 3回 | 2014年、2016年、2017年 |
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
外部リンク
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