概要
京成スカイライナー・初代AE形を改造して生まれた経歴を持つ。軽快なデザインとは裏腹に優雅な走りを見せる不思議な車両。
1990年に最新のVVVFインバーター制御を採用し登場したスカイライナーAE100形によって、初代AE形は順次退役していったが、機器類は劣化が少なく、整備すれば十分使える状態にあった。
一方通勤型電車では、翌年にAE100形をベースとした3700形が登場。折しも当時の京成は8連が不足していたものの増備は追いついていなかった
この利害関係が合致し、用途が無くなったAE形の機器類を転用した通勤型3400形が誕生することとなった。
車体は普通鋼製で、大まかな寸法やデザインなどは3700形に準ずる。ステンレス車体を採用しなかった理由は担当メーカーの力量や価格などが考えられるが、正確なところは不明。しかし淡いブルーグレーに京成色の帯を巻いた車体は3700形さながらであり、むしろギラつかない点でこちらのほうが上品かもしれない。
内装も3700形の初期ロットにおおむね準ずるが、先頭車には京成で初の車いすスペースを設けた。
性能
台車・モーター・主制御器(界磁チョッパ)・ブレーキ・コンプレッサー・電動発電機・クーラーは流用品である。つまりほとんどAE形と変わらない。
強いて改良点を挙げるなら、ギヤ比の変更と力行ノッチ段数の増加だろうか。
また京浜急行電鉄への乗り入れに対応する為、先頭車はAE形時代の制御車ではなく制御電動車としている。
パンタグラフも当初は流用品だったが、2003年にシングルアーム式に交換された。
さて、AE形は特急型電車であった。加速・減速は滑らかに行い、最大の加速度は低くてもそれがいつまでも持続する。
これを通勤型に転用したために、3400形に対する運転士の評判は芳しくない。通勤型において重要な低速域でのトルクは弱く、さらに普通鋼製のボディも枷となっている。同様にブレーキにおいても回生ブレーキがあまりに早く(45km/h)失効し、空気ブレーキだけで雨の日に停車するのは運転士にとって恐ガクブルだったという。
しかし乗客からしてみれば、前後衝動が少ない3400形の乗り心地は快適である。お古の性能だからと言って初代スカイライナーは馬鹿にできない。
編成表
全車8両編成。
浦賀 →
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編成番号 | M2c | M1 | T | M2 | M1' | T | T1 | M2c | 製造年 | 機器供出元編成 |
3408 | 3401 | 3402 | 3403 | 3404 | 3405 | 3406 | 3407 | 3408 | 1993年 | AE10編成 |
3418 | 3411 | 3412 | 3413 | 3414 | 3415 | 3416 | 3417 | 3418 | 1993年 | AE20編成 |
3428 | 3421 | 3422 | 3423 | 3424 | 3425 | 3426 | 3427 | 3428 | 1994年 | AE50編成 |
3438 | 3431 | 3432 | 3433 | 3434 | 3435 | 3436 | 3437 | 3438 | 1995年 | AE60編成 |
3448 | 3441 | 3442 | 3443 | 3444 | 3445 | 3446 | 3447 | 3448 | 1995年 | AE70編成 |
運用
主に優等列車として、本線のほか浅草線や京急線への乗り入れを行っている。3700形や3000形とは共通で運用される。
但し成田スカイアクセスには非対応の為、同線には乗り入れできない。
その為日中は、本線の特急や浅草線西馬込駅直通の快速、京急エアポート快特の京成高砂駅折り返し系統に充当される。
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関連項目
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