人工生命(Artificial Life; AL,Alife)は、人間によって設計、作製された生命である。
概要
生化学やコンピュータ上のモデルやロボットを使って、生命をシミュレーションすることで、生命に関するシステム(生命プロセスと進化)を研究する分野である。
人工生命は生物学的現象を「再現」しようと試みる点で生物学を補うものである。
人工生命には、大きく分けて以下の三つがある。
- ソフトウェア(Software)
- コンピューターでソフトウェアを使って仮想的な生命を作る。
これにより、細菌やネズミを使っていては限界がある進化の研究をより自由に進めることができ、かつては異端とされた実験や不可能とされた実験も可能となる。
広義の人工生命シミュレーションにライフゲームやBoids、バイオモルフなどがある。 - ハードウェア(Hardware)
- 現実の生物に似た、ロボットを作る。
人間の代わりに働くロボットなどの研究が盛ん。 - ウェットウェア(Wetware)
- 現実の生物と全く同じものを、人工的に生成する。
ニコニコ動画での人工生命
ニコニコ動画では、パックマンなどのキャラクターを生物とし、捕食や有性生殖などの、現実の生物の行動を再現した、ソフトウェアでの人工生命が主流である。
基本的に研究目的ではなく、娯楽目的で開発されている物が多く、馴染みのあるビジュアルや、わかりやすい動きで、初心者でも十分に理解し、楽しめるため、
それなりに人気のある分野となった。
しかし、人工生命を作るには、それなりの知識と技術が必要になるためか、動画数は、それほど多くは無いのが現状である。
なお、ニコニコ動画には、ロボットの動画もそれなりにはあるのだが、人工生命として紹介されている物は、現在のところ無い。
じゃあ、どんなものを作ればそれが生命を再現したと言えるのさ!
1944年、「シュレーディンガーの猫」で有名な量子物理学者エルヴィン・シュレーディンガーは
二つの要素からなる生命の定義をした。
これらを実現するための自己のすべての情報を収めたテープ状の分子、つまり遺伝子の存在を予言し、それが細胞内の染色体に存在すると推測した。
後にDNAの二重螺旋構造の発見により彼の推測は的中した。生命とは内部に遺伝子を持ち、エネルギーを与えられ続けることで代謝と増殖を行う存在であると定義可能である。更に実際の生命に近づけるには遺伝子のコピーミスによる突然変異と、交配による遺伝子のシャッフリング、さらには淘汰による進化の要因を付け加えれば良いだろう。
関連動画
ソフトウェア
関連項目
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