光コラボ、あるいは光コラボレーションとは、光ファイバーインターネットの形態のひとつ。
概要
かつて、NTT東日本・NTT西日本(以下、NTT東西)の光ファイバーインターネットサービスである「フレッツ光」を利用する際は、回線料金とインターネットサービスプロバイダー料金は別立てで計算されており、それぞれに支払う必要があった。
しかし、2015年からNTT東西のフレッツ光回線を他の企業に対し卸売りすることが総務省のガイドラインで解禁されたことにより、光コラボ回線が雨後の筍の如く多数の事業者(その多くは携帯電話事業者やインターネットサービスプロバイダー、ケーブルテレビ事業者)が参入する事態になっている。
光コラボの特徴
- 回線契約がワンストップで行えるようになり、インターネット接続トラブル発生時の問い合わせの際、NTT東西・インターネットサービスプロバイダー両者にたらい回しされるリスクが減った。
だが、問い合わせ先が光コラボ提供事業者一社になるので、クオリティの低い事業者だとコールセンターになかなか繋がらなかったり、土日祝にコールセンターが開いていなかったりする場合があるので要注意。 - 各コラボ光事業者の特色あるサービスを享受出来る。使いようによってはフレッツ光よりもおトク。
- 現在フレッツ光ユーザーであれば、「転用承諾番号」というものを取得(携帯電話のMNP 番号ポータビリティー制度でいう「MNP予約番号」に値するもの)し、それを光コラボ回線業者に提出すれば手続きが行える。
なお、転用承諾番号には取得から15日間の有効期限が存在する。 - 設置機器はフレッツ光と同じ。インターネット回線単独の場合はONU(回線終端装置、要は光モデムみたいなものと考えると分かりやすい)、ひかり電話併設時はONU内蔵型ホームゲートウェイを設置する。
現在フレッツ光を利用している場合、新たな工事は基本的に不要で工事費用や在宅の手間等を省ける。
ただし、現在フレッツ光でもフレッツ光プレミアム(2019年1月末終了)等を契約している場合は、新たにフレッツ光ネクスト回線に付け替える必要がある。
また、一部コラボ光事業者によってはそれらに加え特別な機器を設置する場合がある。 - フレッツ光からの転用の場合、フレッツ光の縛り付き契約(もっと2割等やにねん割等)の更新月以外に行ってもペナルティが発生しないうえ、現在フレッツ光の工事代金を分割で支払っている最中はそれが免除される。
- フレッツ光から転用した場合、フレッツ光に戻ったり他の光コラボ回線に乗り換える場合は一旦それを解約しなければならない。そのため、ひかり電話契約時に新たに取得した電話番号が消滅してしまう。メタル回線(アナログ固定電話・ISDN)時代に取得した電話番号であれば消滅することは無いが、番号ポータビリティー手数料が発生してしまう。
インターネットサービスプロバイダーから提供されるメールアドレスに関しては、移行先でも同じインターネットサービスプロバイダーを契約するのであれば使い続けられる可能性が高いので事前に事情説明しておくのが賢明。 - 一部コラボ光を除き、インターネットサービスプロバイダーが固定されている。
ただし、もとはフレッツ光なので別インターネットサービスプロバイダーを単独で契約しONUやルーターにその接続ID・パスワードを入れればその回線を使用可能。
主なコラボ光事業者
※単独記事や、各事業者の記事でその件に言及がある場合は太字アンダーラインにしている。
ここで挙げるのは一般人が一般家庭用に契約出来るものだけに限っている。
携帯電話事業者系
- ドコモ光
言わずと知れたNTTドコモの光コラボ回線。光コラボの中では珍しくインターネットサービスプロバイダー選択が可能で、ドコモが厳選した全26社の中から選べる(プロバイダーセットにしない契約も可能)。
詳細は当該記事を参照されたし。 - ひかりJ
KDDIグループが大株主を務めるインターネットバックボーン事業者の「日本ネットワークイネイブラー」の光コラボ回線。一部auショップで契約取り次ぎが行われていた。「auスマートバリュー」対応なのでau携帯電話の料金が割引される。
本来KDDIグループは自社網である「auひかり」「auひかりちゅら」をはじめ、電力会社系の光回線(中部電力以西)、ケーブルテレビ回線といった、NTT系に頼らない方法で勢力を拡大しており、NTT系回線であるひかりJは大々的に宣伝されておらず正直知名度は低い。
なお、ひかりJは2018年3月末をもって新規受付を終了する。 - ソフトバンク光
ソフトバンクの光コラボ回線。ソフトバンク・ワイモバイルの料金が割引される。
「光BBユニット」というものを設置していれば「IPv6 IPoE+IPv4」(IPv6高速ハイブリッドサービス、IPv6プラスともいう)というものが使える。
これは、IPv4インターネット回線で混雑しやすいところを、混雑していないIPv6回線にIPv4の通信をバイパス出来る装置であり、いつでも高速・快適なインターネット回線を享受出来る。ゴールデンタイムでその真価が見えてくる。
- OCN光
NTTグループ子会社。同社の格安SIMである「OCNモバイルONE」の料金割引が受けられる。 - ぷらら光
NTTグループ子会社。ビデオオンデマンドサービスの「ひかりTVエントリープラン」が無料で付帯する。 - @nifty光
家電量販店「ノジマ」グループ子会社。実はauスマートバリュー適用対象。 - BIGLOBE光
KDDIグループ子会社。IPv6 IPoE+IPv4対応Wi-Fiルーターの貸し出しサービスあり。 - So-net光
ソニーグループ子会社。実はauスマートバリュー適用対象。IPv6 IPoE+IPv4対応。
なおソニーグループでは自社網でフレッツ光を上回る超高速回線の「Nuro」を別途提供しているが、So-net光はNuroが現在契約不可能な地域・建築物に対するアプローチとして上手く棲み分けている。 - IIJmio光
インターネットイニシアティブ提供。IPv6 IPoE+IPv4対応。同社の格安SIM(ビックカメラグループ ビックカメラ・ソフマップ・コジマのBIC SIMおよびノジマのELSONIC SIMも含む)の料金割引が受けられる。
一応IIJでは別チャンネルのインターネットサービスプロバイダーブランド「ハイホー」もある(旧松下電器産業グループ、2007年に事業譲渡されIIJのサブブランドになった。)が、そこも「ハイホーひかり」という光コラボ回線を提供している。 - 朝日ネットひかり
朝日新聞グループ系。IPv6 IPoE+IPv4対応。同社の格安SIMである「ANSIM」、およびau回線セットの割引が受けられる。ただしau回線セットはauスマートバリューではなく、朝日ネットの回線使用料を割り引くだけ。なので、一人暮らしなら損はしないが大家族は大損を喰らうので要注意。auひかりはセットプロバイダーに朝日ネットを選べるので、もしauひかりが契約可能ならそっちを選んだほうが賢明。 - @TCOMヒカリ・TNCヒカリ
TOKAIコミュニケーションズ(旧称:ビック東海)提供。静岡県ローカルのインターネットサービスプロバイダーだが全国営業展開している(TNCは静岡県内限定)。同社の格安SIMである「LIBMO」の料金割引が受けられる。 - DTI光
フリービット子会社の「ドリーム・トレイン・インターネット」提供。他社と違い最低利用期間縛りが存在しないのが特徴。同社の格安SIMである「DTI SIM」およびau回線セットの割引が受けられる。ただしau回線セットはauスマートバリューではなく、DTIの回線使用料を割り引くだけ。なので、一人暮らしなら損はしないが大家族は大損を喰らうので要注意。また、珍しい事に「東京ガストリプル割」というものもあり、東京ガスのガスサービス・電力サービス両方を利用していると割引が受けられる。 - Tiki光コラボ
「TikiTiki」のブランドで知られる、岡山県のインターネットサービスプロバイダー「エヌディエス」(NDS)提供。同社の格安SIMである「Tikimo」の割引が受けられる。 - JANIS光
農協長野県グループ傘下の情報処理サービス業「長野県協同電算」提供。長野県内限定。 - ちゃんぷる光セット
「@ちゃんぷるネット」のブランドで知られる、沖縄県のインターネットサービスプロバイダー「メディアちゃんぷる沖縄」提供。沖縄県内限定。
- 楽天コミュニケーションズ光
楽天グループ系。毎月楽天ポイントが貰える。 - BBエキサイト光
伊藤忠とスカパーJSATの合弁企業。業界最安水準を標榜している。最低利用期間縛りが存在しない。 - DMM光
DMM.COM提供。IPv6 IPoE+IPv4対応。 - U-NEXT光
ビデオオンデマンドサービスを提供する「U-NEXT」提供。USEN(旧称:大阪有線放送社)の系譜企業。同社の格安SIMである「U-mobile」との割引セット提供を行っている。 - Uネットサーフ光・ファミーユ光
東京都のITシステムインテグレータの「ユニアデックス」提供。日本ユニシス傘下の子会社であり、大日本印刷グループの孫会社にあたる。
(実店舗を構える)小売業者系
- TSUTAYA光
言わずと知れた日本のレンタルビデオ屋の最大手の「TSUTAYA」を運営する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」提供。そこの宅配レンタルサービスである「TSUTAYAディスカス」会員向けに提供している。同社のビデオオンデマンドサービスである「TSUTAYA TV」が無料で付帯する。 - エディオンネットコラボ光パック
家電量販店の「エディオン」提供。NTT系回線なのにauスマートバリュー対象なのが特徴。東日本エリア限定で「IoTパック」も用意されており、フレッツ・ミルエネというサービスが受けられる。これはスマートメーターと連携し出先でいつでも家の消費電力を把握したり、Wi-Fi連携対応赤外線学習リモコンにより出先から家電製品の制御も行える。 - ビック光
ビックカメラグループ(ビックカメラ・ソフマップ・コジマ)提供。正確にはIIJmio光・OCN光の取り次ぎであるが、左記に加えビックカメラグループならではの手厚いITサポートが別途オプションで受けられる。 - デンキチ光
埼玉県ローカルの家電量販店「でんきち」提供。東日本エリア限定。他の光コラボ事業者と異なり、インターネットサービスプロバイダー提供を行っていないので別途他社と契約必須。 - オッジオ光
何かと問題を起こして現在絶賛炎上中のピーシーデポコーポレーション提供。 - ケイトモ光
京王電鉄傘下のデパートメントストア「京王百貨店」提供。そこの積立金サービスである「京王友の会」会員向けにサービスを提供している。東日本エリア限定。他の光コラボ事業者と異なり、インターネットサービスプロバイダー提供を行っていないので別途他社と契約必須。
その他業種系
- ピクセラ光
パソコン向けテレビチューナーではかなり知名度のある「ピクセラ」提供。業界最安水準を標榜している。Android TV対応セットトップボックスを貸し出しており、家庭用テレビでビデオオンデマンドが楽しめる。 - レモンガス光
神奈川県のLPガス事業者「レモンガス」提供。自社のLPガスと、自社グループの宅配ウォーターサーバー「アクアクララ」両方を契約していると割引が受けられる。
関連動画
関連項目
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