前とは、以下のように方向をいう言葉である。前方。
また以下のことを表す。
人名
日本の苗字である。方位性の一種。集落や、家屋の前方に住む人が名乗ったと言われる。北陸地方、近畿地方、山陽地方に多く分布しており、特に和歌山県、広島県、石川県などに多く分布する。和歌山県伊都郡高野町では7番目に多い苗字となっている。石川県では珠洲市に集中する。
漢字として
前
- Unicode
- U+524D
- JIS X 0213
- 1-29-72
- 部首
- 刂部
- 画数
- 9画
歬
- Unicode
- U+6B6C
- JIS X 0213
- 2-15-91
- 部首
- 止部
- 画数
- 10画
- 意味
- 前方、進む、先、予め、以前、過去、爪を切りそろえる、という意味がある。〔説文解字〕では歬を本字としていて、〔説文・巻二〕に「行かずして進む、之れを歬と謂ふ」とある。
- また剪・揃と通じて切る、揃えるという意味がある。
- 字形
- 歬は止+舟の会意。解釈について諸説ある。
- 〔説文〕には「止の舟上に在るに從ふ」とあり、舟の上の乗って行くという解説をしている。
- ほかに舟を履物とする説(〔六書疏證〕)、舟型の盤の上で足を洗い、爪を切って修祓とする儀式を表し、剪、揃が切る、揃えるの意味であるのはそのことに由来するとする説(白川静)がある。
- 音訓
- 音読みはセン(漢音)、ゼン(呉音)、訓読みは、まえ、さき、つめきる、すすむ。名のりに、くま・ちか、などがある。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校2年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 声符
- 前を声符とする漢字には、偂、剪、揃、㡐、媊、湔、煎、箭、翦、鬋などがある。
- 語彙
- 前栄・前衛・前戯・前駆・前言・前菜・前日・前人未踏・前線・前奏・前奏曲・前代未聞・前兆・前提・前頭葉・前途多難・前半・前方・前面・前門・前夜・前夜祭・前略・前例
異体字
- 歬は、〔説文〕の本字。JIS X 0213第四水準。
- 𣦃は、〔玉篇〕にある古文。〔集韻〕には剪の正字とある。
- 𣥑は、〔集韻〕にある異体字。
関連項目
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