『半熟英雄4 〜7人の半熟英雄〜』とは、2005年にスクウェア・エニックスから発売された、リアルタイムシミュレーションRPGである。
半熟英雄シリーズの現状最新作。
ニコニコ動画では、「半熟英雄4」でのタグ登録が一般的である。 →タグ検索「半熟英雄4」
概要
前作『半熟英雄 対 3D』から繋がるシリーズ4作目。「今度は待たせず発売でございます」と、前作から2年後に発売された。
ストーリーは前作『対3D』のエンディング後で直接繋がっており、メインキャラクターも続投している。
ただし、本作からゲームを始めてもそんなにストーリーが重要なゲームじゃないので影響は少ない。
パロディだらけのOPや『ドラゴンクエスト3』をオマージュしたパッケージ裏面のイラストを筆頭に、分かりやすいパロディが大幅に増加。
ある意味アニメ版『銀魂』あたりの先駆けと言えないこともないのかもしれない。
前作と同様に芸能人のゲスト出演が行われているが、やりすぎた前作を反省してか基本的に端役の登場である。
前作から引き続き出演している鉄拳は隠しボス及び隠しダンジョンのギミックに降格。
ささきいさおの唄うオープニングテーマやエンディングテーマ、故・金田伊功+タツノコプロ作画のアニメーションは健在。
演出家のIKKANがマネジメントに関わっている関係で、売れる前の「桜塚やっくん(斎藤恭央名義)」もコンビ時代の元相方「竹内幸輔」と共に声優として参加しておりコンビ名「あばれぬんちゃく(実際は「あばれヌンチャク」とカタカナ表記だがひらがなになっている)」とクレジットされている。
当時としては珍しく、スクウェア・エニックス内の公式サイト「半熟劇場」では精力的なイベントが行われた。詳しくは後述。
外部でも、もはや打ち上げパーティなくらいに、「大人券(完熟券)」「子供券(半熟券)」と時間帯でグループに分けイベントが行われた。
子供番組『おはスタ』には本作ディレクターの時田貴司自らエッグマンのコスプレをして乗り込んでいる。
過去にも『エッグモンスターHERO』でも宣伝をエッグマンの姿で行っていた。
登場人物
主人公(デフォルト名:若):ご存知アルマムーン王国の王子。所有たまごはカラフルエッグ。
セバスチャン:アルマムーン王国の大臣。所有たまごはすっぴんエッグ。実は七人目の英雄「円熟英雄」であり、ストーリー終盤にも関わらず相変わらずボケまくる主人公への怒りによって覚醒。たまごもレジェンドエッグに変化する。
ルーナエ:惑星ロマンシング出身の半熟ヒロイン。一見すると薄幸の美少女に見えるが、ヴェルサイユの仮面を着けると凛々しい性格の戦士へと変貌する。所有たまごはピンクエッグ。
マルティス:惑星リローデド出身の半熱英雄。母と妹を救うべく、悪の組織ジャドーと日夜戦い続けている熱血漢。所有たまごはパワーエッグ。
メルクリィ:惑星アクエリアス出身の半熟女王。所有たまごはミスティエッグで、たまごの予言に従い惑星に降りかかる危機を乗り越えてきた。
ペンプティ:惑星エルム出身の半熟ダーク英雄。人を魔物に変えるウイルスが蔓延した影響で吸血鬼と化した。所有たまごはイビルエッグ。
フライデー:惑星コギトエルゴスム出身の半獣英雄。見た目は可愛らしい小動物だが睡眠学習の影響で高い知性を持つ反面、毒舌関西弁で話す。所有たまごはサイバーエッグ。
カトリイネ(CV:笹木綾子):元カトリ王国第一王女。主人公との結婚式を挙げようとしたところ、七つのたまごを巡る争いに巻き込まれたが宇宙で式を挙げようと目論む。貢いだ額によって強化されていく点は前作と同じだが、本作では月イチメニューからでも貢げるようになった。
カトリイヌ(CV:豊口めぐみ):元カトリ王国第二王女。姉とは似ても似つかぬ美少女だが中身は毒舌ギャルそのもの。本作では彼女にも金を貢ぐことができ、将軍として参戦する。
システム
前作『対3D』に対する批判を受けてか、今作ではシステムの大幅な刷新が図られている。
敵も「たまご」を使う従来のシステムに戻りテンポを改善する4倍速ボタンも追加されたほか、多くの変更点や新システムがある。主なものを以下に挙げる。
- 戦闘が3vs3の集団戦に
時代遅れ感があった1vs1の戦闘をやめ、将軍3人で1パーティーとする集団戦闘制へ移行。
全体攻撃や味方への回復など一般的なRPGでも見られる戦術が取れるようになり、戦闘の幅が広がった。 - たまごの仕様変更
回数制は撤廃され、たまごが壊れない限り何度でも使用可能な反面、エグモンのHPはたまごに戻してもステージを終わらせるまでそのまま。
カラフルエッグやパワーエッグといった従来のたまごは英雄専用となり、他のたまご持ち将軍は全てすっぴんエッグを持っている。前者は英雄のレベルによってエグモンが増えていき、後者は他のたまごから借りたエグモンを最大4種類まで呼び出せる。
更に宇宙ダンジョン専用のエグモンを倒して捕獲し、すっぴんエッグに入れられるダンジョンエッグ、パスワード入力で解放したエグモンをすっぴんエッグに入れられるひみつエッグも存在する。 - 「タコメーター」システムの導入
「タコメーター」とは、自動車速度計……ではなく、タコが左右に移動することで表されるメーター。敵側の感情を表す。
敵味方のエッグモンスターや将軍それぞれが攻撃するごとに、「ブチギレ」(左方向)か「アキレ」(右方向)のどちらかに随時変動する。
変動値は技ごとに決まっており、強い攻撃ほどブチギレ方向に変動しやすい傾向がある。
ブチギレ方向に限界まで振り切れると「敵全員に1ターンの追加ターンが与えられ、更にその追加ターンにおける攻撃ダメージが倍になる」という大幅なペナルティを受けてしまうため、プレイヤーはメーターがアキレ方向に動く技を使って管理する必要性が出てくる。ラスボスはブチギレさせた時点でゲームオーバーとなる。
メーターをアキレ方向に振り切らせれば、逆にこちらがダメージ倍の追加ターンを得ることが可能。
これによって、必ずしも強い攻撃でゴリ押しすればいいというものではなくなり、メーターをアキレ方向に動かす「アキレ要因」となるエッグモンスターを加える戦略性が生まれた。
役立たずモンスターの代表格であったウゴカザルも、本作では使い勝手の良いアキレ要因に昇格。
やっぱり攻撃はしないけど。
ご存知最弱のヒーロー・エッグマンでさえも、アキレ要因としての役割を獲得。
相変わらず一撃で死ぬのでやっぱり使えないけど。 - シミュレーション部分の簡略化
パーティー制に移行して部隊数が減ったためか、フィールドを自由に移動するのではなく、城と城を結ぶ道のみを動くように変わった。
城の増築などの要素もなくなっており、一部操作が楽になった。 - ステージセレクト
最初のアルマムーン星をクリアすると、他の6つの惑星の中から好きな惑星を選べるうえ、途中で他の惑星に行くこともできる。中には将軍を直接操作して敵を倒しつつ最下層まで進んでいくダンジョンもあるが、メインストーリーとは関係ない。
公式サイト「半熟劇場」
本作の公式サイトは、「鮫亀」系のミニゲームが遊べる「半熟遊戯場」、トキータ将軍こと時田貴司・アシスタントの「カオリイヌ」の両名が行っていた公式ラジオ「半熟レイディオ」など、ゲームの公式サイトとしてはかなり力の入ったものであった。
特に注目すべきは公式チャットイベント「半熟○○祭」で、これは後のニコニコ公式生放送にも通じる宣伝イベントであり、ニコニコ生放送のアンケート機能に近いものも備えていた。
ゲーム発売後はサイトが「完熟版」としてパワーアップし、設定資料や「半熟遊戯場」で獲得できるオリジナルアプリ(画面内を跳ね回る「たまご」、おみくじやラーメンタイマー、半熟卵タイマーなど)が公開された。そして現在は半熟モバイルサイトがメインとなり、「半熟モバ劇場」と変わったが、ポイント稼ぎのゲーム消失、半熟○○祭の跡地チャットの閉鎖、モバイル配信終了により、最終的に公式サイトに通う人はほとんどいなくなった。
半熟○○祭
公式サイトで定期的に開催されたチャットイベント。「○○」の部分には、「半熟地鎮祭」「半熟前夜祭」「半熟富士ウッドストックグラマー祭」「半熟アカデミアンナッツラズベリーララミー祭」など、毎回適当に何か入る。発売7ヶ月前の前年10月から、番外含め実に16回開催された。
内容はトキータ将軍こと時田貴司による情報公開が中心で、「トキーコの部屋」と称して各開発スタッフとの対談も行われた。
スタッフと直接チャットできるSS席を含む計10ルームに入室でき、最後に「ひきでもの」としてスクリーンセーバー等がダウンロード出来た。
最終回「半熟、黄身といた夏祭」では「オールスター感謝祭」のクイズ方式を模したゲーム(後の「ニコ生アンケート」に近い形)などが行われ、当時ゲーム発売後でも盛況を見せた。
終盤、突如ゲーム本編大凶作でおなじみの火星人が襲来し、劇場を襲い、超能力で左右の壁と壁で観客たちを挟み込み、圧死させようとしたが、時田(トキータ)と植松(ウエマッチーノ)が自らを石化し、左右の壁を抑え込み、終了アナウンスがむなしく鳴り響き半熟○○祭は幕を閉じた・・・。あまりに唐突なエンディングに、
周りはFFのごとく「誰か金の針(石化解除アイテム)持ってこい!!」、「金の針300個持って来い!!」などが
多数コメントされた。
その後、深夜にサイトメンテナンスが行われ、再度入れるようになった翌日は「祭りアト」と表記された時田、植松二人の像があるだけのただのチャットルームに成り下がり、やってくる観客はほとんどが半熟にまつわることなどが静かに語りあっていた。
現在では「半熟チャットなんかやってたなー」と掲示板に書き込む輩がいるが、単なるチャットなどではなく、この広大な行事を我々は忘れてはならない・・・。
そしてモバイル劇場更新に伴い、もはやオワコンのごとく数か月放置された、祭りのアトのログインが誰1人も
無きまま「祭りのアト」は、人知れず閉鎖された。
関連動画
関連項目
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