博物館の恐怖(The Horror in the Museum)とは、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトが本業のゴーストライティングでヘイズル・ヒールド(ヘイゼル・ヒールドとも)の依頼に依り書き上げたセルフパロディ小説である。
概要
顧客の一人ヘイズル・ヒールドから、うんざりする程の酷いプロットを送られてラヴクラフトが嫌々執筆した作品であったらしい。Call of Cthulhu等の作品のパターンを踏襲しているのは、ラヴクラフトがわざと行ったものと想われる。
マダム・タソー蝋人形館を解雇され、まともでない、或いは正体不明の何かを崇拝していると噂されるジョージ・ロジャーズが運営するロジャーズ博物館は様々な蝋人形を展示していたが、それらはスプラッターな、ホラーな方向に優れていた。そして、クトゥルー、ツァトゥグア、チャウグナール・ファウグンといったものまで展示されていた。そこを訪れロジャーズと彼の助手オラボナの知己を得たスティーヴン・ジョーンズは、そこでロジャーズから南極で眠っていた神を見つけと教えられ写真を見せられる。ロジャーズはその神ラン=テゴスに仕え生贄を捧げているのだと主張するが、写真のラン=テゴスを造り物だと想ったジョーンズは取り合おうとせず、その晩、彼を生贄にしようとしたロジャーズを撃退する。そして二週間後、ロジャーズ博物館を訪れたジョーンズは助手のオラボナから恐怖の展示物を見せられる。
明らかに小神であるラン=テゴスに対する大げさな崇拝や、ラヴクラフト自身の創造物を次々と引き合いに出すなど、実はラヴクラフトは、自分がゴーストライティングする事になったこの作品を笑いのめしていたのではないだろうか。
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