単語記事: 口蹄疫

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※ご自身の健康問題に関しては専門の医療機関に、
家畜の衛生については資格を持つ獣医師にご相談ください。

口蹄疫(こうていえき)とは、口蹄疫ウイルスにより家畜に発症する伝染病の1つ。法定伝染病である。
足の付け根や口などに顕著な症状を示すことから、「口蹄疫」の名前が付けられた。
発病するのは牛、水牛、豚、山羊などの偶蹄類で、人への発病はないとされている。

なお政治と赤松大臣(当時)と口蹄疫を絡めた話題は→赤松口蹄疫

概要

発病するとどうなるの?
発病すると、発熱や多量のよだれなどの初期症状の後、粘膜などの柔らかい部位に水疱(水ぶくれ)ができる。
水疱はやがて蹄と足の骨の間にもでき、これらが破れることで傷口が発生する。例えるなら爪の下や歯肉に水ぶくれができ、それはどんどん大きくなってメリメリと爪や歯を引っこ抜こうとするようなものである。
そうしてできた傷口の疼痛に加え、傷口を通じて他の細菌・ウィルスが侵入することで二次感染を引き起こし、家畜にストレスをかける。するとエサを食べる量などが減り、結果乳量低下・肉量低下などを招く。
単独では致死率5%(幼獣では最大50%)だが、後述の通り感染すると間違いなく殺処分されるため、実質的な致死率は100%である。
なぜ問題なの?
まず感染力が異常に強い。血肉どころか食べた餌や精液にまでウィルスが転移する。どころかその生物のフケやアカ、風化した糞便や家畜に付着した砂さえも感染源になると考えられている(要するに空気感染する)。
その上生きていればほとんどの生物・食物がキャリアになる上に生存能力も悪くはない(大体1ヶ月から半年ほど)ため、人間を含め生物全てが口蹄疫の媒介者たりうるといえるほどの恐るべき感染能を示す。
続いて根絶が難しい。上述のようにヒトさえも媒介者となるため、口蹄疫が確認されたらありとあらゆるものが消毒され、家畜はただちに焼殺される。その間にも感染が広がる可能性が高いので、広域に渡って流通をストップさせる必要がある。当然その県の税収は落ち込み、最悪公的資の導入により国が傾く。
つまり、「ヒトが死なない」という点以外はまるっきり生物兵器またはバイオテロそのものなのである。
また一旦口蹄疫が確認されるととOIE(国際獣疫事務局)から『汚染国』として認定されてしまい、貿易面での信用性が損なわれる。これは日本のような貿易国家では死活問題である。(下記清浄国と汚染国の項目も参照)。
再度『清浄国』に復帰するにはOIEに『清浄国』として再認定される必要があるが、上述のように生存期間が長く、その上キャリアも完全にいなくなったと判定されてから解除されるため、かなりの日数を要する。
治療法はあるの?
口蹄疫に対して有効な治療法は存在しない。治療法があったとしても、それを上回るスピードで感染が拡大してしまうのである(最悪山の野獣や野良犬野良猫、ネズミにさえも媒介者になる)。故に治療措置は取られず、家畜伝染病予防法に基づいて口蹄疫が発生した農場の家畜は直ちに全殺処分され、地面ごと殺菌を行う。
なおワクチンは克服すべき課題が多いため、日本では認可されていない。
唯一の救いは、
何で家畜を全て殺処分するの?
上述のように異常な感染力を持ち、もたもたしていると最悪風に乗ったり野生生物によってウィルスが飛散するため、殺すことで代謝を抑え、その上で火などを用いてウィルスごと焼殺する方が安全性の面で確実だからである。 (というより、そうしないと安全性が確保できない。それくらい感染力が強い。)
食品は安全なの?
人間に対しては発症しないものの、口蹄疫が発生した農場の家畜、およびその周辺の移動制限がかかった家畜は、通常その場で焼却処分となる。そして肉の中に潜むウィルスを取り除くことはほぼ不可能な上、生半な方法では死なないウィルスであるため、食用として感染個体の肉が市場に出回ることは通常あり得ない。

だからといって『口蹄疫の致死率は低いし、人に感染しないから、発生地域に見学に行く!』ということは決してしないでください。目に見えるものは何もなく、最悪国が傾き、他の国にも多大な迷惑をかけます。
(下述イギリスでの流行を参照。初動が遅れたことにより3兆円もの損失を生んだ。)

日本における口蹄疫の歴史

日本で起きたのはおおまかに3回。

1899~1908年

約4000頭の感染を確認。国としての対応は特に記録されていない。
自然収束したと思われる。

2000年

92年ぶりに発生が確認された。
3月25日~6月9日に宮崎で3戸・北海道で1戸発生。740頭を殺処分。
1例目の確認と同時に政府は口蹄疫中央防疫対策本部を設置、農林水産大臣が記者会見を行い封じ込めに成功。
以下に当時の対応を、当時の大きな事件とともに時系列にまとめる

当時の内閣は、小渕第2次改造内閣。農林水産大臣は玉沢徳一郎

3月12日  宮崎にて口蹄疫を疑う疾病の報告を受ける。(後の第1例)
        獣医師は症状より口蹄疫を疑う
3月21日  宮崎家畜保健衛生所に通報。農林水産省畜産局衛生課に報告
        農林水産省畜産局衛生課は,同畜産課に対し、動物の隔離,施設の消毒等の措置の実施を指示
3月22日  ELISA検査及びCF検査を実施したところ陰性の結果。
3月24日  国の専門家が現地入り。血清検査において口蹄疫ウイルスの抗体を検出。
3月25日  口蹄疫中央防疫対策本部を設置
        第1回口蹄疫中央防疫対策本部の防疫技術委員会開催
        ★宮崎にて第1例目の口蹄疫発生と確認 (農場A 飼養頭数 10頭 翌日殺処分)
3月27日  現地(宮崎)の対策本部にFAX等で対応を支持
?月?日   対策予算100億円を確保 (江藤議員国会答弁より)
4月2日   小渕総理大臣 脳梗塞にて入院
4月3日   ★宮崎にて第2例目の口蹄疫発生 (農場B 飼養頭数 9頭 翌日殺処分)
4月4日   小渕第2次改造内閣解散
4月5日   第1次森内閣成立 農林水産大臣は玉沢徳一郎が留任
4月9日   ★宮崎にて第3例目の口蹄疫が発生 (農場C 飼養頭数 16頭 翌日殺処分)
  ・
5月11日  ★北海道にて第4例目の口蹄疫が発生 (農場D 飼養頭数 705頭 5月15日殺処分完了)
5月14日  小渕恵三前総理 死去
  ・
6月9日   農林水産省 口蹄疫収束を宣言。移動制限解除
  ・
7月4日   第1次森内閣解散
7月5日   第2次森内閣成立 農林水産大臣は谷洋一
  ・
  ・
9月26日  国際獣疫事務局(OIE)によって「日本は口蹄疫に対する清浄国」として再認定

   参考資料
     ・ わが国に発生した口蹄疫の特徴と防疫の問題点
     ・ 日本における92年ぶりの口蹄疫の発生と家畜衛生試験場の防疫対応(PDFファイル)

2000年当時、小渕総理大臣が緊急入院・急死する政局の混乱の中、世界的に見ても最小限の被害にとどめた当時の政府の危機管理と対応はもっと評価されるべき。

2010年~

2000年以来10年ぶりに発生。
口蹄疫ウイルスの遺伝子型が韓国や香港で発生したものと酷似している。
しかし、日本への感染経路については、『渡り鳥』、『人』、『飼料』などが原因として挙げられているものの、特定はできていない。
現在、宮崎県や県の畜産会が終りの見えない戦いを強いられている。

6月20日時点で発症事例は291例、殺処分の対象となった家畜は約20万頭。
さらに、発生地から半径10km圏内においてはワクチンを投与した上での全頭処分が決定しており、それらも含めた処分対象は27万頭に達する。
この内、埋却が完了した頭数は約18万頭前後。

4月20日、宮崎県が口蹄疫の擬似患畜を都農町にて確認したと発表。
4月25日、殺処分対象1千頭突破。
5月4日、 殺処分対象1万頭突破。
5月17日、殺処分対象10万頭突破。
5月18日、東国原知事が宮崎県における『非常事態宣言』を発令。
5月19日、政府対策本部が対処方針を発表。ワクチン接種した上での全頭処分が決定。
5月22日、ワクチン接種開始。
5月26日、ワクチン接種がほぼ完了。
5月28日、口蹄疫対策特別措置法が成立。
6月2日、 鳩山総理辞任。4日に総辞職。8日に管内閣発足。
6月4日、 5月14日に防疫措置が終了して以降3週間 新たな発生が無いえびの市の制限区域が解除される。
6月11・12日、宮崎市・都城市の図書館や公民館等の公共施設 計200箇所以上を臨時閉鎖。
6月20日、発生が最も多かった川南町における擬似患畜14万5千頭の処分が完了する。

宮崎県の被害

多くの牛や豚を殺処分しており、畜産品の『宮崎ブランド』に深刻な被害を与えている。

5月11日時点での被害総額は110億円に上るが、19日にワクチン接種が決定したことにより事実上の全頭処分が決定。これによる損失は300億円以上になると推定された。

5月16日には宮崎県内の種雄49頭が殺処分の対象になることが判明。
更に避難させていた6頭の種牛のうちの1頭の感染が確認されるという最悪の事態まで起きている。
5月28日、種牛49頭の内1頭で口蹄疫と見られる症状が確認され、31日に49頭全てが処分された。県が所有する種牛は避難済みの5頭のみとなり、引き続き経過観察が続けられる。
今回の口蹄疫の被害額は、800億円以上と推定されている。

非常事態宣言の発令、外出自粛の要請、公共施設の臨時閉鎖など、市民の生活に制約がなされている。
また、宮崎県で開催される予定だった陸上全国大会を始め、人が多数集まる集会やイベントの多くが中止・延期になった他、商店では客がいなくなる店が出る、団体旅行客の相次ぐキャンセルなど、畜産業以外の観光業、小売業、運輸業等でも売上が減少するなど、地域経済に深刻な影響が出ている。

農林水産省及び政府の活動や対応(2010年発生の件での対応)

各都道府県や動物衛生研究所から獣医師の派遣を行っている。
また5月10日に担当大臣である赤松農林水産大臣が宮崎入りした。
この日を境に政府が大きく動きだし、農家の支援や自衛隊の派遣などを行うようになった。
一方で首相や大臣が発表した支援の内容がバラバラなど、政府の足並みが揃っていない問題が起きていた。
5月19日、政府対策本部が対処方針を発表。発生地より10km圏内の牛や豚の全頭処分、10~20km圏内の全頭早期出荷というもの。
5月21日、FAOからの専門家チーム派遣の申し出を断る。
5月28日、口蹄疫対策特別措置法が成立。6月4日施行。これにより家畜の殺処分を農家の同意が無くとも国が強制的に行えるようになり、埋却地の確保や農家への補償については国が責を負う事となる。
6月16日、5月19日の発表以来一向に進捗していなかった、発生地から10km~20kmにおける早期出荷を断念すると発表。

他県への影響

宮崎県の近隣の県では発生直後から対策本部を設置するなど、自県での発生を警戒している。
しかし牛の競りを中止せざるを得ないなど、少なからずも影響は出ている。
また、宮崎県での流行に収束の目処がつかないこと、及び非常事態宣言の発令により、全国的に口蹄疫の発生が起こりうる状況になりつつあり、各県が警戒を強めている。
6月10日、鹿児島県の伊藤知事が「準非常事態」を宣言。
6月16日、大分県豊後大野市が宮崎県内の一部地域の団体利用を制限すると発表。

日本での報道

4月20日に口蹄疫の発生が確認されて以来感染拡大は止まらず、5月に入り殺処分対象が数万頭に及ぶという事態になっても、宮崎県外ではごく小さな扱いでしか報道されなかった。
口蹄疫の危険性と現地の感染状況、過去のマスコミの行動原理からすれば、大きく報道されて然るべきはずなのだが・・・・。

唯一、日本農業新聞のみが一例目が発生報告された翌日4月21日から連日のように記事にしている。

5月7日、スポーツ新聞の『東京スポーツ』が比較的大きく取り上げている

5月9日、twitter上で原口一博総務大臣が政府の対応について「後手ではありません。発生後、すぐ私は指示をしています。風評被害が大きくなれば、さらに大きな被害となります。畜産と言う産業の性質上の問題もご考慮ください。」 と発言。報道規制についての疑惑がネット上で話題になるが、大臣はその2日後に疑惑を否定。

5月10日に赤松農林水産大臣が宮崎入りをしてからは、多少は口蹄疫の報道が散見されるようになった。

なお、赤松氏は風評被害についてマスコミにお願い をしていたらしい。→sm10759742

海外での報道

2000年に日本と韓国で口蹄疫が流行した後に、欧州や南米でも流行。
また2009年にはアフリカでも口蹄疫が発生。
更に今回(2010年)は日本だけでなく、韓国や香港でも流行していることもあり、FAO(国際連合食料農業機関)が各国に警戒を呼びかけている。
FAOの報道を受けてか、欧米や南米などの新聞では今回の口蹄疫の流行を大きく扱っている。
The Press and Journal
MercoPress
UN News Centre
All Voices
Business.Scotsman

なお流行ではなく、アウトブレイクと表記していることに留意。

またFAOなどの機関は種牛の処分やワクチンの使用に関しては日本政府に対して思い止まるように申し出ていた。

しかし、5月29日にはアメリカで水疱を発症した馬が発見される
現在アリゾナ州の農水局で検査中だが、口蹄疫に類似しているとのこと。
(口蹄疫は馬には感染しないが、畜産地帯の馬であることと、アジア圏での流行を踏まえた処置)

イギリスではアジア圏で口蹄疫が収束しないことに不安を覚え、対策を講じ始めている。
なおアジアでは香港(中国)と韓国のみかと思われていたが、スリランカで発生が確認された。

ところがロシアと中国の間の国境付近で口蹄疫に感染した家畜が見つかる。

2001年のイギリスでの流行

2001年にイギリスで口蹄疫が発生した際には延べ700万頭もの牛や羊を処分。
また野生動物に感染する可能性があったため、野生動物が生息する山や森林などの観光名所を封鎖。
更に人の衣服にウイルスが付着して、ウイルスが海外に流出する可能性があったため、ブレア首相自ら国民に海外への渡航の自粛を呼びかけた。
このため口蹄疫がイギリスに与えた影響は非常に大きく、被害総額は当時のレートで80億ポンド(約3兆円)に及んだ。
参考:当時のNew York Timesの記事。

このイギリスでの流行後、フランスなど他のEU各国でも口蹄疫の被害が出た。

風評被害

インフルエンザが収束した後、再建した農場もあったが風評被害のためにブロイラーなどの鶏肉が売れず、大赤字を計上する農家が多くあった。加えて補償が不十分であったために殺処分による損失を埋めきれず、農場を潰さざるを得ない農家もあった。
これらの農家では経営者が自殺に追い込まれた事例もあり、江藤拓議員はその事例を踏まえて「心のケアにも力を入れて欲しい」と赤松農水相(当時)に訴えている。

宮崎県への寄付

「ふるさと宮崎応援寄付金」、県の専用口座(準備中、詳細下記リンクご参照)で出来ます。

寄付の使途
 ・ふるさと宮崎応援寄付:薬代など県の口蹄疫に対する支援(寄付の使途欄[その他]に「口蹄疫対策」など記入)
   ふるさと納税とは?[Wikiへのリンク]
 ・義捐専用口座 :畜産農家への直接支援

ふるさと宮崎応援寄付(ふるさと納税)は余りに小額の場合、逆に県の負担になるので注意してください。
ふるさと宮崎応援寄付
申込書 http://www.pref.miyazaki.lg.jp/furusato/download/kifu_pdf.pdf
電子申請より、FAX申請の方が、県の負担が少ないようです。(「寄付について、開設正式決定⑤[sm10708266]」)

○義援専用口座
宮崎県が口蹄疫に関する寄付のための専用口座を開設。下のリンクを参照。
※専用口座への募について、法人税及び所得税に関する控除等の優遇措置はありません。

宮崎県HP 口蹄疫被害に対する義援金を募集します

○チャリティダイヤル
 ・ソフトバンクモバイル(2010/5/2410:00~2010/6/30) 発表リリース
  「ソフトバンクチャリティダイヤル 口蹄疫被害支援特番」
  チャリティダイヤルにかけた際の通話料全額を、義援として寄付。

○コンビニ等からの寄付
 ・セブンアンドアイホールディングス(2010/05/20~2010/06/02) 発表リリース(PDF)
  セブンイレブンやイトーヨーカドーなど、グループ13,789店舗に募箱を設置。
 ・ファミリーマート(2010/05/19~2010/05/30) 発表リリース
  全国のファミリーマート約7,700店舗に募箱を設置。
  一部店舗では05/20から。南九州ファミリーマート管轄の店舗では05/18から。
 ・ローソン(2010/05/21~2010/06/20) 発表リリース
  宮崎県内の全店(82店舗)に募箱を設置。
 ・ダイエー(2010/5/21~2010/6/6) 発表リリース
  ダイエーグループの470店舗および事業所に募箱設置。
 ・イズミヤ(2010/5/19~2010/6/6) 発表リリース
  まるとく市場店舗を除く全店のサービスカウンターに募箱を設置。

著名人や企業による寄付

プロゴルファーの横峯さくらが賞1200万円を宮崎県に寄付。
プロ野球では読売ジャイアンツなどの球団が寄付を発表。
更に宮崎出身の選手がサイン会等のイベントで寄付を呼びかけている。
また昭和シェルは子会社と共に1000万円の寄付を決定。
都城市に本社を置くホームセンター『ハンズマン』が1000万円を寄付。→記事リンク

製薬会社の活動

全国的に消毒薬の需要が高まっており、生産ラインをフルで稼働させているが、供給が追いついていない。
バイエル製薬ではイギリスから空輸で消毒薬を輸入することを決定したが、アイスランドの火山噴火により安定して空輸できない状態が続いている。

注意

①口蹄疫防疫要項において国のワクチンの備蓄を定めているが、消毒薬の備蓄は定めていない
②前述の要項において、【新たな発生、移動などの事実関係は各報道機関に送付】という記述がある。
 つまり5月10日以前でも各報道機関には口蹄疫の情報が届いていたが、敢えて報道を差し控えたテレビ局(新聞社)が存在することになる。(赤松口蹄疫内の項目も参照。) 
③口蹄疫には7種類の血清型が存在する。このため『ワクチンを接種したから全て解決!』とはいかない。
④口蹄疫の初期症状は他の牛の疾患と類似している。『下痢(潰瘍)だから口蹄疫だ!』とは断定できない。
 断定するには水疱といった口蹄疫特有の症状の有無、及びPCR法などの診断が必要。
 また動物衛生研究所でしか口蹄疫の診断は許可されておらず、各県で診断するのは違法。
 従って口蹄疫の疑似患畜が発生した場合は検体を動物衛生研究所に送り、診断結果を待つ形をとる。
⑤家畜伝染病予防法では口蹄疫が発生した際に指揮をとる(責任を負う)のは県知事で、農林水産省(農水大臣)は報告を受けて対策本部を設置し、他県に対策などを指示する(責任を負わない)と定めている。
一方で口蹄疫防疫要項では『早急に関係各省と協議し、支援の有無などを決定する必要あり』としている。
⑥ワクチンを接種した家畜はキャリアー(保菌者)になり、周囲にウイルスをまき散らす可能性がある。
 更に体内に口蹄疫ウイルスの抗体が作られる。このためワクチン、あるい外部から感染したウイルスによる抗体かどうかの判別が行いにくくなるので、専門家の間では「ワクチンは最後の手段」とされていた。

責任の所在

前述の通り、口蹄疫が発生した時に責任があるのは県(県知事)であり、国(農林水産省)には責任が無い。
また農林水産省は4月時点から『特定家畜伝染病防疫指針』に従って行動しており、落ち度はないと主張している。
故に家畜伝染病予防法を遵守している国には非が無く、遵守できていない宮崎県に非があるのが政府の主張である。

しかし『特定家畜伝染病防疫指針』が2010年以前に発生した口蹄疫を元に作られたことや、OIEでリストAに登録されている感染症(国レベルの問題)が家畜伝染病予防法により県に一存することになっているのは指針及び法律に不備があり、政府にも非があるとも言える。

このため今後補償などを巡って裁判になった時に、裁判所が家畜伝染病予防法などをどう解釈し、どのような判決を下すかが問題になる。

ちなみにFAOが定めた口蹄疫防疫指針(政府版)はこちらを参照。
以下その一部。農水大臣にも責任があることを明記している。

 The country CVO (or equivalent, such as the Director of Veterinary Services [DVS]) should have overall technical responsibility for preparedness for and management of FMD emergencies. The appropriate government minister would of course be ultimately responsible.

リストAについて

リストAに属する感染症は『国境を越えて非常に深刻かつ急速な蔓延を引き起こす可能性があり、社会的、経済的影響または公衆衛生上影響を及ぼし、動物および畜産物の国際貿易にとって重要な家畜の伝染性疾病』と、OIEは定義している。リストAには口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザなどが属する。

一方リストBに属する感染症は『国内で社会的、経済的影響または公衆衛生上の重要性を持ち、かつ動物および畜産物の国際貿易にとって重要な家畜の伝染性疾病』とOIEは定めている。リストBには狂犬病、結核病などが属する。

口蹄疫は畜産業の関係者以外には無関係な感染症として日本では認識されている。
しかし世界的には『口蹄疫は鳥インフルエンザと同程度の危険な感染症』なのである。

種牛

詳しくはこのサイトを参照。Wikipediaでは無いが、かなり詳しく答えている。

リンクを参照すればわかるが、種牛で重要なのはいかに優れた仔牛を作れるかである。
優れた仔牛を作る能力は点数化され、点が高いものほど優秀な種牛ということになる。
宮崎県が避難(隔離)させた5頭の種牛はとりわけ点が高い種牛であり、処分すると畜産業界に大打撃を与える程の個体であった。

また殺処分を拒否していた農家が保有していた種牛には前述の5頭を凌ぐ点数を持つ個体がいた。

故に優秀な種牛を処分することは畜産業界にとって大きな損失である。
従って『種牛を殺処分している農家がいるのに殺処分をしないのは不公平だ!』と論ずるのは筋違いである。

一方で口蹄疫特別措置法により優秀な種牛でも処分しなければならない事態ができている。
処分による損失、宮崎ブランド並びに貿易への影響を考慮すれば(FAOなどの国際機関もこの点を危惧していた)、優秀な種牛を安易に殺処分できる法律が存在することはあり得ないことである。

しかし口蹄疫特別措置法が再度改正される見込みが無く、国会で取り上げられるさえ無いのが現状である。

清浄国と汚染国

概要の所にもあるが、口蹄疫が発生した国はOIEから口蹄疫の『汚染国』として認定され、畜産品の貿易やその国の輸出に大きな被害を与える。ぶっちゃけ、清浄国への輸出が実質禁止される。

『清浄国』の代表にはアメリカやカナダ、オーストラリアなどがあり、日本の畜産品の主要な輸出相手国である。
一方『汚染国』の代表には中国やモンゴル、カザフスタン(2010年7月19日時点)などがある。
つまり、ますます中国への依存が高まるということである。

清浄国への復帰には殺処分のみによる防疫対策が行われた場合には最終発生から3ヶ月以上経過し、且つ口蹄疫ウイルスの存在が否定されることが必要。しかし、ワクチンを使用した場合には、発生が終息してもワクチンが接種されたすべての動物を殺処分した後にしか清浄国には復帰できない。

詳しくはこちらを。口蹄疫に対する国際基準を説明しています。

なお汚染国から畜産品(牛などの生体を含む)を輸入をするのは国際的にあり得ないことである。

*参考:OIEによる清浄国と汚染国の一覧

余談

牧場物語」などのゲームでは、当たり前ともいえるがこういった深刻な病気はシミュレートされない。

当たり前である、当たり前であるが…甘いヤツらだ。

関連動画

やる夫による関連動画は→やる夫牧場シリーズ

○宮崎県広報CM

○農林水産委員会・対策本部設立

○有志

○報道

関連コミュニティ


   ↑ 宮崎県民の生の声が聞けます。
     「もういいや 垢BANもリアルBANも怖くないや 宮崎の為なら赤裸々に語る」

関連リンク

関連項目

  • 赤松口蹄疫
  • 日本農業新聞

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携帯版URL:
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読み:コウテイエキ
初版作成日: 10/05/06 20:41 ◆ 最終更新日: 12/04/22 10:42
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口蹄疫について語るスレ

1024 : ななしのよっしん :2011/10/15(土) 23:08:38 ID: Uf15IZKm08
これが韓国だよ。それでも韓流って言ってるやつら韓国に行って同じめにあってきてください

これが動画内のコメント、何が「豚かわいそう」だよ
1025 : ななしのよっしん :2012/10/30(火) 06:16:12 ID: Wc3qshpN20
>>1021 これ?
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121023-00000040-asahi-pol
「口蹄疫まだ菌が生きているな」吉田・農水副大臣が発言
 2010年に発生した口蹄疫(こうていえき)からの復興要望で農林水産省を訪れた宮崎県の首長らに対し、吉田公一副大臣が「まだ菌が生きているな」などと発言し、郡司彰農水相が口頭で厳重注意した。23日の会見で、郡司農水相が明らかにした。

 関係者によると、被害の大きかった西都・児湯地域6市町の首長らが16日、殺処分した家畜の埋却地の再整備で支援を求めた際、吉田氏は「宮崎は口蹄疫初めてでしょ」と話し、首長らが00年にも発生したと伝えると、「じゃあまだ菌が生きているな」と語った。
17日、西都市長に「不手際があって申し訳ない」と電話で謝罪したが、郡司農水相は22日に口頭で厳重注意。吉田氏は「地元に心配かけたことは大変申し訳なかった」と述べたという。

 吉田氏は農水政務官などを歴任し、今月2日に副大臣就任。宇
(省略しています。全て読むにはこのリンクをクリック!)
1026 : ななしのよっしん :2014/01/17(金) 12:12:05 ID: yBDoj5kKzx
家畜の処分なんて人目に触れないで行われてたことを大々的に公開したら叩かれるなんて当たり前じゃん
なんで人目に触れないところでやってたのか考えた方がいい
1027 : ななしのよっしん :2014/01/17(金) 22:33:24 ID: lbvw7v50rm
肉にするのとは違うからなぁ
1028 : ななしのよっしん :2015/01/16(金) 11:17:34 ID: E9KYE8cId4
韓国の場合たしか殺処分する費用がないんだよね、だから結果的にあんなでかいところで生き埋めにするんだよね。その方が安上がりだし何より国内向けには『ちゃんと仕事してる』とアピールはできる。まぁ他の国から見てみればずさん以外何物でもないが……。
1029 : ななしのよっしん :2015/09/01(火) 13:42:18 ID: mQsPxHGBNS
この記事、「そもそもなぜ口蹄疫を牛に感染させたくないのか」の説明がないから
所々論理飛躍して意味不明になってる。
1030 : ななしのよっしん :2015/09/04(金) 20:32:18 ID: QmD/Ikau4M
そうでなくとも、2010年の日本での流行について記述を更新しないと……
1031 : ななしのよっしん :2015/09/04(金) 21:12:03 ID: mQsPxHGBNS
A「なぜ口蹄疫に感染した牛を殺処分するのですか。」
B「他の牛に感染したら困るからです。」A「なぜ他の牛に感染したら困るのですか。」
B「殺処分されるからです。」

ほとんどの奴がこの循環論法に陥ってるからな。
あの池上彰さんでさえもだ。
1032 : ななしのよっしん :2015/09/04(金) 21:20:07 ID: NiiCecPh4P
Q.なぜ口蹄疫に感染したら困るの?
A.売り物にならなくなる。

家畜や野菜の病気に必死こいて対策立てる理由は結局のところこれです。
1033 : ななしのよっしん :2016/01/12(火) 20:00:36 ID: VASuzcwq2K
また韓国が菌を撒き散らす準備してるようです
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