「司馬穰苴/田穰苴」(しばじょうしょ/でん・じょうしょ ? ~ ?)とは、中国の春秋時代の斉の国の将軍であり、
「将在軍,君令有所不受」
(将、軍に在っては、君令も受けざる所有り)
と言う戦争によって戦争を抑止する現代でも通じる戦争観により、後世の兵学に影響を与えたとされる軍略家。
「古の王者の時より司馬の兵法はあった。穣苴はそれをおしひろげ明白にしたひとである。」
※本来の名は「田穰苴」で、斉の大司馬を務めた事から「司馬穰苴」とも呼ばれている。
大抜擢
司馬穰苴が活躍する事になる頃の斉の国は、先代の斉荘王が宰相の崔杼の妻と密通した事が原因で崔杼によって殺され、崔杼と慶封によって斉国内を掌握された状態で、ボンクラに定評のある斉景公が傀儡として立てられた後に、政争により崔杼と慶封が共に失脚して綺麗に掃除された後を受けて宰相の晏嬰が、覇者の一人・斉恒公と並ぶ黄金期を作ろうとしていた頃だった。
そんな頃、晋と燕の国の共同軍に攻められた斉軍は、迎撃に出るも共同軍の前に敗北し、領土を奪われた。
憂鬱だが自分ではどうすればよいか解らない斉景公に対して晏嬰は、
田氏の妾腹の出でありますが、その人となりは、文においては皆を引きつけ、武においては敵に威を示すことが出来る者でございます。
として試してみればどうかと田穰苴を推薦した。
斉景公に召し出されて会見した田穰苴は、同時に敵を撃退する策を提示し、深謀に喜んだ斉景公は田穰苴を将軍にとりたてて、晋と燕の軍勢に当たらせた。
強大な敵にあたることになった田穰苴だったが、自分が卑賤の出身の為、いくら貴族の上の将軍職にいても、兵士を従わせるのは難しいだろうと考えて、
私は卑賤の出身で、君に伍の中より抜擢され、大夫の上に置かれるようになりましたが、未だ士卒は心服されず、庶民からも信頼されておらず、重みも無く権威にも乏しいので、願わくば君の寵臣で、国の皆から尊敬を集めている人物に軍を監督していただきたいのですが。
と、身分が高く斉国民に名の知られた者を監軍に任命して、軍を監督するように進言し、田穰苴の言を聞き入れた斉景公は、腹心の荘賈を監軍に任命した。
荘賈と面通しした田穰苴は、
明日の正午に軍門にて会いましょう
と約束して別れ、翌日、田穰苴は一足先に軍営に入って日時計と水時計を用意し、荘賈を待った。
しかしその時、荘賈は親戚や友人が開いた壮行会に出席しており、しかも、
将軍が軍にあるのだから監軍である自分は急ぐ必要はない。
と言って約束の正午を過ぎてもその場に留まって呑めや歌えやの大騒ぎをしていた。
約束の時間を過ぎても荘賈が現れない為、田穰苴は日時計と水時計を撤収させ、軍営に入って部隊を整列させ、軍令の通達を始めた。
だが断る
軍令の通達も終了し、夕方になってやっと荘賈が軍営に現れたので、田穰苴が
なぜ約束の刻限に遅れたのか
と問うと荘賈は、悪びれた様子なく、
申し訳ない。
大夫や親戚等が送迎会を開いてくれたので遅れてしまった。
と答えた。田穰苴は、
将たる者は、一旦出撃を命じられれば家族のことを忘れ、軍中にあっては親戚を忘れ、戦場にあっては自らの安全を忘れる、と言われている。
今、敵軍は深々とわが国に侵入し、国内は騒然とし、兵は身を風雨に曝して戦い、君さえも心配のあまり食事も喉を通らず、夜も眠れないほどであるのに、送別の宴ごときで出陣に遅れるとは何事か!\_______
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軍法で刻限に遅れたときの罪は何か
と軍法に照らし合わせるとどうなるのかと問うと、軍正の者は、
斬罪ですよjk(常識的に考えて)
と応え、荘賈は軍法に従って処刑されることとなった。
現実を理解してあわてた荘賈は、斉景公に使者を出して君命により助けてもらおうとし、斉景公もまた使者を出して田穰苴に今回は大目に見てやってほしいと命じたが、田穰苴は、
「将、軍に在っては、君令も受けざる所有り」
(将が軍中にいる時はたとえ主君の命令であろうとも受けない事がある)___,,,,,..... -一ァ
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``ヽ.、.. ノr;ソ~,!
``ヾ、 / 7,!
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として、戒めもこめて荘賈は斬られ、三軍の兵は皆、田穰苴の苛烈さに恐れおののいた。
. -―- . やったッ!! さすが田将軍
/ ヽ
// ', おれたちにできない処断を
| { _____ | 平然とやってのけるッ!
(⌒ヽ7´ ``ヒニ¨ヽ
ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′ そこにシビれる!
/´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {. ヽ _ _ あこがれるゥ!
`r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ ) ( , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
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ヾ| ^'^ ′-、 ,ノr')リ ,ゝ、ー`――-'- ∠,_ ノ
| 「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
, ヘー‐- 、 l | /^''⌒| | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
-‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ !‐}__,..ノ || /-‐ヽ| -イ,__,.>‐ ハ }
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さらに田穰苴は、斉景公の使者が、軍法で禁止されている「軍中に馬車で乗り入れる行為」を行った事について
軍中で馬を馳せた罪は何か?
と軍正の者に問うと、
斬罪ですよjk(常識的に考えて)
と応え、
君の使者は殺すべきではない
として田穰苴は、馬車の御者部分の左の駙(そえぎ)と左の副え馬を斬り、使者を斉景公に送り返して事の詳細を報告させた。
あれ?韓信が元帥になった時にも似たような話があったような・・・
栄光と挫折
と言う「司馬法」における
仁を根本とし、仁によって勝つ
- 「順天」→有利な天時と時機をつかまねばならず
- 「阜財」→十分な物資を準備しておかねばならず
- 「懌衆」→みなぎる士気がなければならず
- 「利地」→有利な地形を選ばねばならず
- 「右兵」→優良な兵器を保有して各種の兵器を組み合わせて使用する。
の「五慮」の条件を満たして、病人までもが共に戦うことを望む程に斉軍の士気を高め、「ワクワクがとまらねえ」とばかりに先を争って戦地にむかわせた。
斉軍が士気旺盛である事を聞いた晋軍は、直接的な戦闘を回避することにして撤退を開始し、燕軍も解散を決めたが、撤退をかぎつけた田穰苴により攻撃を受け、敵を退散させた田穰苴は、失われていた斉の領地を全て取り戻した。
斉の都・臨淄に帰還した田穰苴は、軍令を解いて兵士を解散させた後、入城した。
斉の人々は英雄の凱旋を喜び、斉景公もまた諸大夫を連れて城の郊外まで田穰苴を出迎えて、兵を労い、礼をなして田穰苴を大司馬に任命し、ちびっこ宰相の晏嬰と並ぶ斉の人々の尊敬を集めるスーパーアイドル級の人気を集め、役職を冠した「司馬穰苴」と呼ばれるようになった。
しかし、圧倒的な人気を得ると権力者層からの鬱積を買うのは当然なのか、斉の大夫を務める鮑氏・高氏・国氏が司馬穰苴を排斥せんと斉景公に讒言して、司馬穰苴を疎んじるように仕向け、挙句の果てに大司馬の役職を解任させた。
大司馬の職を解任されて失意の司馬穰苴は、病を発して復権することなく没した。
※その他「司馬穰苴」の詳細についてはWikipediaの該当記事参照の事。
司馬穰苴の無念の死により鮑氏・高氏・国氏を恨んだ田一族は、その後、田常が斉簡公を殺した際に鮑氏・高氏・国氏らも共に抹殺した。
その後、田氏は田因の時代に斉の国権を、建国の祖である太公望呂尚に連なる姫氏より奪いとり、田因は斉威王となり、司馬穰苴の兵法を研究させて「司馬法」の原案を制作した。
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※田さんこと司馬穰苴でした。おなじく呑んだくれていた白さんこと白起と共に、世話になった陶謙を救う。
キャーデンサーン!キャーハクサーン!
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