- 同人とは、個人あるいはグループ※脚注1が趣味で作成した本やCD、ゲームなどを販売することを指す。言葉の意味で言うと、執筆、編集、出版を同じ人が行うので「同人」となる。「同人誌」のように、制作媒体の頭に同人とつけて「同人○○」と呼称する事が一般的である、
かつては小説や俳諧の世界で流行していた。現代ではサブカルチャーの一翼を担う存在として無数の同人グループが活動しており、その風潮は1970年代以降から形成されたものと言われる。
※脚注1:サークルと呼ばれる
伝統的な同人の世界
尾崎紅葉、山田美妙らが中心となって制作された文芸誌、「我楽多文庫」が日本初の文学同人誌と言われている。
当時は同じ思想を持つ者同士が集まって小説や詩、短歌などを制作、掲載していた。また俳句や短歌、詩の専門同人誌も発行され、有名なものに国語の教科書でも習う「アララギ」や「ホトトギス」が存在する。また、江戸時代においても、1779年に昔話の桃太郎を原作に置いた二次創作「桃太郎元服姿」が刊行されており、広義の同人作品と考えられる。 これらの時代の同人誌は現代の風潮とは一線を画していると言え、歴史的な繋がりは一切無いと考えていい。しかし同じ趣味を持つ仲間と共にものを作り上げるという部分で現代との思想的な共通点はあるのかもしれない。
現代の同人の世界
同人の製作物は普通の商業ルートには流れず、同人誌即売会(コミックマーケット等)や制作の委託販売をしているショップ(とらのあな等)または各サークルが独自に行う通信販売等でのみ入手できる。同人活動で成功し、高い収入を得ている者も一部存在するが、基本的には個人の趣味による製作販売であり、ごく小規模な販売円環である。二次創作品を少量販売し、小額の販売益を得て、次回制作費に充てる程度が一般的とされる。
版権モノとオリジナル
同人作品には、流行の作品(少年漫画、商業ゲームなど)の非公式二次創作が多い。
当然、著作権上の問題が付いて回る。 その一方で、オリジナル作品を製作する同人サークルも存在する。
有名なオリジナル同人作品としては、「東方Project」「ひぐらしのなく頃に」「月姫」があり、
これらは同人でありながら同人作品の同人として二次創作が数多く作られ、三大同人と呼ばれていたりする。
同人での成功と商業化
同人で人気が出ると商業化(同人から脱し、企業等を立ち上げて再出発)する事もある。
月姫を製作した同人サークル「TYPE-MOON」は商業ブランドとなった。
また、ひぐらしのなく頃にはアニメ化、コミカライズなど多方面へと展開した。
ちなみに、東方は製作者のZUN氏が商業化に消極的(アニメ化の話を断る等)な為、
商業作品は書籍しか出ていない。
よくある誤解
同人=エロパロ?
昨今のメディアでの取り上げ方などにより、「同人=版権モノの二次創作・エロ漫画」としばしば勘違いされる向きがある。あくまでも一ジャンルとしてエロパロコンテンツが存在しているわけであり、主体と捉えるべきではない (ただし最大与党であることは事実である) 。しかし、完全オリジナル作品も存在するし、大規模な同人イベントだと本当に「全ジャンル」と言えるぐらい扱うジャンルが広く、それこそエロパロ以外の作品、例えばミリタリー、車、電子工作、評論などたくさん見ることができる。
また、(元)商業作家(漫画家・イラストレーター・ゲームクリエイター)が自身の仕事とは別に個人製作として同人誌・同人ゲームを製作することも多く、必ずしもアマチュア作家が製作しているわけではない。例を挙げれば、東方Projectの作者であるZUNは元タイトー社員である。
同人=儲かる?
「同人作家=(他人の著作物で)ぼろ儲けしてる」というイメージも強いが、実際の所はあくまでも趣味・ファン活動のレベルということもあり大半の作家は「収益-制作費」だけで計算しても大部分のサークルは赤字で、ぼろ儲けとはほど遠いのが実情である。
確かに、基本は個人制作のため商業コンテンツのように中間マージンがほとんど発生しないため収益がほぼそのまま自分のものになるのだが、それでも少額でも黒字が出れせるようになれば万々歳、とも言われるレベルである。また会場から遠方のサークルだと交通費や輸送費も嵩み、そのような諸経費まで含めてすべてペイできるサークルとなるとさらにサークル数は少なくなる。
またさらに前述の通り業界で活躍していた、あるいは現役のプロも居るし、アマチュアでも実力が高く人気のある人もたくさん居る。そのためそういう人達と肩を並べられる、あるいは押しのけられる実力が無いと、とてもじゃないが「儲かる」レベルの収益を出すのは厳しい。
それこそぼろ儲け、あるいは同人活動だけで生活できるレベルの人は「プロスポーツ界で言う一流選手」レベルと言えるぐらい、ごくごく限られた人間だけなのである。
人気ジャンルにあやかればおいしい?
上記に関連して時々指摘されるが、完全に誤解とは言い切れないものの安易に人気作品のパロを描くだけで簡単に人気者になれるわけではない。
というのも、確かに人気作品にはファンがたくさん居るためその分自分の作品を見てくれそうな人間がたくさんいる、つまりパイは大きいと言うことができる。が、そのパイを食う立場、つまり作家側の人間も多いのである。さらに言えば、実力のある人もたくさん集まってくるのである。
そんな中で、飛び抜けた部分が無ければただ埋没するのみである。実力や元作品に対する情熱や愛情がない(伝わらない)のに人気作品にあやかっただけでは、誰も見向きもしないのである。
オンとオフの違い(イラストSNSメインの人向け)
昨今オン(Pixivを初めとするイラストSNS界隈)とオフ(同人市場)の区別がつかなくなっている絵描きが多くなっており、前者において高い閲覧数・評価点・ブクマ数を誇る者が、同人イベントに参加すると大量在庫を抱えるハメに陥るケースが散見される。
何故こんなことが発生するのか?
それは、オンラインつまりSNS等ではどんな作者であっても、どんなハイレベルなイラストでも基本無料で閲覧・保存が可能だが同人イベントは少額でも金銭の移動が発生する1つの市場なのである。オンラインでは作品が無料なので気軽に評価や閲覧ができるが、オフラインとなれば「作品や作者にお金を払ってでも見たいものか?」という視線が入るのである。
さらにオンラインは作家やファン同士のつながりが希薄でも実力だけあれば人気者になりえるが、オフラインではファンや作家同士、もっと言えば人と人との交流の場という一面も持つため、作品だけでなく、作家そのものも見られるのである。作家に好印象を持てれば多少作品の質が良くなくともある程度は部数を捌けるが、逆に悪印象を持たれると逆に部数を捌きにくくなる。
そのため、オフラインでは無名のサークルがいきなり大手サークルさながらにフルカラー本と各種グッズに大判紙袋まで用意した所で注目を浴びる事はできるが、縁もゆかりない参加者の心の琴線を動かすことは難しい。縁もゆかりもない人間を相手するのは、それこそ漫画雑誌で不特定多数の読者を相手にするようなものである。つまり、作品がよほど読者の琴線に触れない限り、読み飛されてしまうのと同じようなものである。さらに、このような振る舞いはキャラ・ジャンル愛よりも商売っ気の方が前に出てしまい逆に引かれてしまい、最悪同人ゴロと見なされてしまう可能性もある。
また、ノヤやりおしーらのようにオンライン専門つまりニコ動から一気にブレイクし、短期間で大手・商業進出を果たした絵師が存在する事にも少なからず起因するだろう。が、あくまでも少数派と捉えた方がよいだろう。
よって、オン専のままプロになろうなどと言う甘い考えは絶対に持たないようにしよう。
どれだけオンで人気があろうともイベント参加暦が短いうちは、小部数(マンガやイラスト本なら30~50部が妥当か?)から頒布を始め、将来的に商業進出や大手サークルを志しているのならば、大なり小なり同人イベントに定期的に参加し、オフならではの思想・理念に慣れていったほうが良いだろう。
関連項目
一覧項目
http://dic.nicomoba.jp/k/a/%E5%90%8C%E4%BA%BA


ページ番号: 240918
リビジョン番号: 1477058
読み:ドウジン
初版作成日: 08/06/14 21:32 ◆ 最終更新日: 12/03/21 23:59
編集内容についての説明/コメント: ちょっと加筆
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