概要
名探偵の天下一大五郎が、ワトソン役の警部・大河原番三とともに難事件を解決する……というスタイルのパロディ小説である。
密室、時刻表トリック、はてはお昼の2時間ドラマに至るまで、ミステリーにありがちなお約束を強調しあげつらう。また登場人物も読者というメタ存在を認識しており、「無理ですって、こんなトリック、今どき読者には受けませんよ」「仕方ないだろ、作者に才能がないんだ」というような会話が随所に見られる。
とはいえ、こんな小説を書くのも作者である東野圭吾がミステリーの行く末をそれなりに案じているためで、それは続編の「名探偵の呪縛」や別の短編集の「超・殺人事件」からも読み取れる。前者は作者が探偵役に変貌し推理小説が存在しない世界に迷い込む話であり、また後者は型にはまったミステリー世界を出版側からパロディにした小説である。
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