国家運輸安全委員会(National Transportation Safety Board , NTSB)は、アメリカの輸送(運輸)に関する事故原因を調査し、再発防止策を研究する独立組織である。
概要
日本においては、主に航空事故の調査を行う組織として名前が知られている。実際にはその他にも、鉄道や船舶、更には高速道路やパイプラインの事故の調査も行っており、活動範囲は幅広い。これら輸送機関の職員に対する裁判組織も下部においている。
アメリカ国内で発生した事故のみならず、アメリカ製の輸送機で国外において事故が発生した場合にも、事故発生国の調査組織に協力するという形で捜査に加わることが有る。アメリカにはボーイングというエアバス(仏)と並ぶ世界の二大航空機メーカーの一つが存在することから、様々な国の事故調査組織と協力関係を築いていることが多い。
1985年に発生した世界最悪の単独機航空事故、日本航空123便墜落事故(群馬県上野村、死者520名、ボーイング747)においてもボーイング職員とともに原因調査に参加している。
もともとは運輸省の下部組織であったが、1975年に独立安全委員会法にもとづき完全に独立した組織となった。
この前年、1974年にアメリカ連邦航空局(FAA)とマクドネル・ダグラス社の癒着が原因で、フランスにおいてDC-10が過去に発生した事故の教訓を生かせず墜落(トルコ航空981便墜落事故、死者346名)するという事態が発生しており、その反省としての意味合いが存在している。
航空事故を取り上げたナショナル・ジオグラフィックのドキュメンタリー番組「メーデー!」や「衝撃の瞬間」シリーズにおいても、NTSBの職員が登場する機会は多い。ネクタイが特徴的なグレッグ・フェイス(退職済)などは代表的な存在である(→サムネグレッグ余裕)。
なお日本の航空事故調査組織は運輸安全委員会(JTSB)、フランスのそれはフランス航空事故調査局(BEA)である。フランスは日米と異なり、陸上交通と海上に関しては航空とはそれぞれ別に調査組織が設けられている。
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関連項目
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