壇ノ浦レポートとは、追い詰められた旅人二人の魂の叫びである。
概要
HTBの深夜番組「水曜どうでしょう」内の企画「サイコロの旅2」にて、連夜の深夜バス泊に追い詰められた鈴井貴之と大泉洋が二人がカメラに向けて窮状を訴えた映像のこと。あまりにも鬼気迫る映像だったために視聴者の記憶に残り、水どう初期の名場面とされている。
詳細
壇ノ浦まで
「西城秀樹とのトーク企画をでっちあげ大泉を東京に誘い出す」という、初の本格的「大泉ダマし」で幕を開けた「サイコロの旅2」。最初こそ幸先よく新幹線グリーン車を引き当てたが、予算を食ってしまい続くサイコロは「オール深夜バス」という魔境に。しかも運悪く「レッツ号」を引いてしまい神戸から熊本まで10時間バスに揺られる羽目に。極寒の熊本では高知県宿毛を引き、「サイコロの旅1」に続く四国行き。さらに計画ミスにより、特急を乗り捨てタクシーでどうにかフェリーに間に合うというギリギリの展開。宿毛では高知市を引き、レンタカーで4時間近くかけてようやく高知市にたどり着く。ここまで約28時間、ずーっと移動。4人はすでに疲労困憊だった。
高知市で提示された選択肢は順に一泊、特急、フェリー×2、夜行快速(寝台無し)、深夜バスと選択肢としては既に厳しいものだったが、ダメ人間鈴井はよりにもよって深夜バス『はりまや号』博多行きを引いてしまう。大泉が「藤村ちゃんあなたが無理だよ」と必死に止め、鈴井は「ヤダ」と駄々をこねるもサイコロは絶対。あわれどうでしょう班は再び車中泊となってしまう。しかも行き先は昼前までいたはずの九州…。一行の肉体的、精神的疲労は限界に達していた。そして高知出発から6時間、『はりまや号』が休憩に立ち寄った壇之浦PAであの名シーンが撮影される。
壇ノ浦
壇之浦PAでカメラに映った二人は、高知出発前より明らかに憔悴していた。
鈴井が簡潔に現状を説明するが、明らかに余裕がない。そして口ごもる鈴井の隣で、耐えかねた大泉が口を開いた。
「ええ~・・・」
そして二人は、堰を切ったように窮状を訴え始める。
「あのねえ、体が痛いんですよ」
「うん、うんうん」
「痛いしねえ、ね、ね、寝れないんだよ。
バスでもう寝れないんだよ俺達。もうダメなんだよ」「シートきついよぉ・・・」
口々に説明される極限状態。そして大泉の口から衝撃の事実が告げられる。
高知ではりまや号の目が出たとき、大泉はディレクターの藤村忠寿に「藤村ちゃん無理だよ。あなたが無理だよ」と警告していた。出演者のみならずスタッフも限界に来ていたことを予感させたが、それが最悪の形で現実になってしまったのである。
そして二人は番組への不平不満を口にし始める。
「もうね、ホントね、テレビごらんの皆さんね、やってみな1回」
「やってみないとわかんないんだよぉ。
これ編集されて乗ってここ映って降りて終わりなんだよ。
違うんだよぉ。
本番は寝てる時なんだよぉ。寝れないんだよ」「ツライんだよぉ」
「寒いんだよそして」
「ホントに・・・」
「嵐なんだもん。やめた方がいいよぉ。
次お会いするのは降りる時だと思うけどさ、まだ辛いのは3時間ぐらいある」「そう・・・」
「ダメだよもう、絶対ダメだよ」
「もう行こうか」
「行こう行こう」
「寒いもん」
「ダメだよもう」
「なん・・・(聞き取れない)」
「さむ、走り回って今どこで撮るか探したもんね」
「ちょっとコーヒー買っていい?」
「買おう買おう。ダメだよもう・・・」
二人はコーヒーを買いにカメラを外れ、映像は終わった。時間にして僅か約1分30秒のこの映像は、一行の限界を切実に訴え、視聴者に強烈なインパクトを残した。
なお、壇ノ浦レポートの最中、藤村忠寿はずっと大笑いしていた。このヒゲ…。
壇ノ浦の後
その後、博多から瀬戸内海の白石島へ飛ばされ、さらに藤村Dが四国逆戻りとなる徳島を引いてしまい、鈴井は完全に機嫌を損ねてしまう。これは番組構成上よろしくないということで、鈴井を「甘いもの好き」ということにして、徳島へ向かう車中できび団子を献上し機嫌を直してもらう、という映像を撮ることに。しかし、鈴井は甘いもの好きどころか、甘いものが大の苦手だった…。これが後々まで引きずる「ミスター生き地獄」の始まりであり、ひいては名企画「対決列島」につながっていくのだがそれはまた別の話。
徳島では奇跡的に一泊を引き九死に一生を得るが、最後のサイコロとなった翌朝のチャンスタイム(1/2で札幌に帰れる)で大泉が和歌山を引き万事休す。時間切れでゲームオーバーとなった。
余談
長距離バスにうなされたのは大泉以外にも安田顕と音尾琢真も長距離バスの餌食となっている。
ハナタレナックスの企画である「アメリカ横断ツアー」において、基本の移動は長距離バスであり、見事長距離バスの洗礼を味わうことになったのだが、本番はアムトラック(アメリカの長距離列車)である。上段と下段の2段式寝台であるものの上段は寝返り不可能なほどの狭さであり、じゃんけんの結果、安田が上段で寝ることになった。一晩を明かした朝7時30分ネブラスカ州東部の駅で安田のレポートが始まる。
顔は大泉やミスターのごとく深夜バスにやられた顔であり、「狭いんだ・・・」、「寝返りが打てないんです・・・」、「寝れない・・・僕は寝られないんですね・・・」という発言に洗礼を受けた先輩である大泉洋は大爆笑。さながら、壇ノ浦レポートのごとく安田は無事長距離列車の洗礼を受けたのである。ちなみに音尾は下段で広々だったためまんざらでもなかったようだ。まあ、先輩の大泉さんは夜行急行きたぐにで洗礼を受けましたが
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7:56~
壇ノ浦レポートを彷彿とさせるアムトラックでのレポート
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関連項目
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