士とは、以下のことを表す。土ではない。
- 男のこと。学を修めた、徳のある、立派なというニュアンスをもつ。紳士、国士、志士、・・。
- 軍人のこと、軍人を表す接尾辞。兵士、戦士、騎士、・・・。
- 士(し、さむらい) - 日本の武士のこと、武士の身分のこと。士農工商。
- 古代の中国、西周から春秋時代のころの階級。支配者層の中ではもっとも下の階級。その上は大夫。その下は庶民。
- 職業や資格をもっていることを表す接尾辞。博士、中小企業診断士、看護士、・・。
人名
中国語圏に士姓がある。
- 士会(? - ?) - 中国春秋時代の晋の武将
- 士燮(范文子、? - 前574年) 中国春秋時代の晋の政治家
- 士燮(137年 - 226年) - 後漢末から三国時代の武将。交州(現在の北ベトナムを含む)に独自の勢力を築いた
- 士壱(? - ?) - 後漢末から三国時代の武将。士燮の弟
- 士徽(165年-227年)- 後漢末から三国時代の武将。士燮の第三子
漢字として
- 意味
- 戦士階級、男子、未成人の男子、男子の通称、女子の美称、官吏、陪臣、将士、兵士、獄吏、士大夫、という意味がある。
- (仕と通じて)仕える、(事と通じて)事とする、という意味がある。
- 字形
- 字形については諸説ある。
- 徐中舒と厳一萍は、金文で士と王の字形と似ていることを指摘し、人が端座する象形で司法の長や監獄の長を表すとした。
- 呉其昌は、士、王の金文は下の横線が太く両端が軽く上にカーブしており、斧鉞の象形であるとした。そこから戦士階級を表すようになったという。
- ほかに、下の古文に縦線を加えている字で下に達する意味という説、筮竹の象形説、子と同じ意とする説、耕作説、郭沫若によるちんちんの象形説などがある。
- 〔説文解字・巻一〕には「事なり。數は一に始まり、十に終わる。一に從ひ十に從ふ」と、一と十を合わせた会意としている。また「孔子曰く、十を推して一に合するを士と爲すと」と孔子の説を引用する。しかし十の字形は甲骨文では縦線であり、この説は正しくない。
- 音訓
- 音読みはシ(漢音)、ジ(呉音)、訓読みは、さむらい、おとこ、つわもの、つかえる。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校4年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 部首
- 士は部首士部を作る。意符として男性を表す。部首としてさむらい、さむらいかんむりと呼ばれる。冠、旁、偏に置かれる。偏に置かれるとつちへんと区別がつかない(壻、壿)。
- 語彙
- 士気・士師・士人・士族・士卒・士大夫
互換文字
関連項目
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- 0pt
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